中共が推し進める「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」に英国が参加を表明し、旧英連邦の国々であるオーストラリアとかカナダも参加を表明するなど、その勢いは増しているかに見えます。
日本の中にも焦った官僚などが居たようで、AIIBの基本的なやり方(運用形式、信用調査など)を問い合わせたようですが、「まだ何も決まっていない」として、その実態は未だ雲の中といった感じです。
(にもかかわらず、福田元首相は「参加を考えるべきだ」などと講演したりしておりますが・・)
その中共の軍門に下ったかつての宗主国「英国」。その英国の経済はどうやらすでに破綻に瀕しているようです。中共よりも早いのかもしれません。
そのためかどうか、オックスフォード大学は、世界最古の国際的奨学金制度である「ローズ奨学制度」の適用範囲を来年から中共にも拡大すると発表しました。
ローズ奨学制度とは、南アフリカでの金鉱経営などによって巨富を得たセシル・ローズ氏(1853~1902年)の遺言によって作られた奨学金制度で、宇宙膨張説を唱えたエドウィン・ハッブル博士とか、MITの経済学者であるレスター・C・サロー教授などがこの奨学金制度で人類の為に働いてくれました。
この奨学金は政治家や軍人が多く輩出されております。ビル・クリントン元米大統領とかディーン・ラスク国務長官やジョセフ・S・ナイ国防次官補、トニー・アボット豪首相などがそうです。
これまでの対象国は、アメリカとドイツ、そしてカナダ、南アフリカ、オーストラリアとしていました。そこに今回中共を加えたわけです。
中共の学生がオクスフォード大学で学べば、やがて彼らが要職に就き、中共は民主主義の国家となり、英国流の政治や経済のあり方に変わっていくだろうという、英国の国益を見据えた深謀遠慮があるのではないかとの憶測が出ているようです。
ローズ基金のチャールズ・コン最高執行責任者は、「中国は間違いなく21世紀の世界のキープレーヤーだ。その中国の優秀な若者をオックスフォード大が奨学生として受け入れることは、国際社会に与えるインパクトが大きく、資することも大だ」と述べておりますが、現在世界中で起きている中共への人権批判の声など、知らないとでもいうのでしょうか。それとも教育の不完全さがこのような人権問題を引き起こしているとでも言いたいのでしょうか。
このような英国に比べて、アメリカは反中姿勢が次第に大きくなっているようです。これまで親中派だったアメリカの学者らの失望と変節が始まっています。
これは、「アジアインフラ投資銀行」や「BRICS銀行」への反発と、ニカラグア運河への不快感だけでなく、中共が仕掛けるハッカー戦争への怒りとか、中共が作った国内法の「IT規制法」(反テロリズム法)への怒りなどが複合しているようです。
この「IT規制法」とは、アメリカに向かって「暗号化器(ソフト+ハード)を公開しろ」といっているような法律で、(アメリカの)コンピューターに自由にアクセスさせなさい・・という内容のものだとか。
こんなことをしたら特許技術からなにからみんな取られてしまうことは明白で、アメリカはこの法律に対して、「そんな法を作ってアメリカに迫るなら金融機関への回線をすべて切ってアクセス出来なくするし、ATMも全部引き上げる。そして中共国内のアクセスはすべて接続不能にする。」と恫喝しました。
現在、現金はすべてデジタルデータとしてのお金になっているわけですから、もし中共が暗号化器の極秘部分を取れば、不正のし放題になることは目に見えていますからね。
そうしたら中共は、「金融システム」は除外するなどと言って来たとか。
さすがのオバマ大統領も、「アメリカとのビジネスを今後も続けたいのであれば、この法律を廃止しろ」と怒鳴ったとか。
このおかげで、少なくとも金融機関などに使われている暗号化器は、いまだ解読されてはいないことが判りましたね。
親中派筆頭とされたヘンリーキシンジャー氏も、次のような発言をしております。
「中国は平等な国家からなる世界システムに馴染めず自国を世界のトップ、唯一の主権国家と考え、外交は交渉よりも世界階層秩序での各国の位置づけを決めるものと考えている。
もし中国が他国に『既存システムか、中国主導の新秩序か』の選択を迫るとすれば、アジアでの新冷戦の条件を作り出しかねない。」
どうやらやっとキッシンジャー氏も「中華思想」と言うものを理解されたようですね。「既存システムか、中国主導の新秩序か」という強迫こそが、AIIBでありIT規制法であるということ、まだ認識が甘いようですが。
キッシンジャー氏だけでなく、デーヴィッド・シャンボー(ジョージワシントン大学)教授も、ウォールストリートジャーナルに「中国共産党崩壊論」を寄稿し、中共側を怒らせています。
また、アイキャンベリーの「フォーリンアフェアーズ」にも「中国に失望した」という寄稿をしています。
ジョン・ミアシャイマー教授は、「中国の野心は米国をアジアから追放し、第二に中国がアジアの覇権を握る。第三に現在の領土体制を変えたい。つまり尖閣諸島、台湾を奪取し南シナ海までを『中国の湖』とすることだ」と述べています。今頃わかったのか・・と言う感じですが。
アーロン・フリードバーグ(プリンストン大)教授は、「中国のパワーが成長を続け、中国が一党独裁によって統治されていくのであれば、アメリカとの関係は日増しに緊張し、競合的なものとなって行く。これこそが現在進行している事態であり、好き嫌いにかかわらず、これこそがアメリカとその同盟国が選択の余地なく備えるべき未来だ」などと、今頃になって叫んでおります。
最近安倍内閣に従順になってきた公明党。その公明党との間で妥結した日米安保法制の改正の説明をするための、高村正彦衆議院議員がアメリカを訪問しました。
ワシントンD.C.の戦略国際問題研究所(CSIS)で高村氏が講演した時、国防省の次官補であるデービット・シーファー氏もそこで講演し、「南シナ海でも日米共同対応に期待する」と発言し、「これもガイドラインに組み込む」と発表したそうです。我が国は南シナ海の責任も負わされ始めたということですね。
アメリカは確実に怒りを持って中共離れを始めています。それが我が国にとって吉なのか凶なのか、それは判りません。我が国国内の親中分子が、日本を又裂き状態にするかも知れませんし、アメリカ側の要求もどこまで来るか判りませんから・・・
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