2019年5月8日水曜日

少子化とPB黒字化

消費税10%という時期が近づいていますが、安倍政権はまったく中止しようとしません。萩生田副幹事長が少し触れたようですが、財務省は相当安倍内閣に圧力を掛けているのでしょうか。

そして消費税よりも恐ろしいのが「PBの黒字化」です。
黒字と言うと何か良いことのように感じますが、それは我々一般国民の生活、家計簿と企業会計上の話です。
この家計簿の黒字化は、政府会計の赤字化が必要だということは、考えてみれば当たり前の事なのです。

通貨が世の中に出てくるためには誰かが銀行から借金をしなければなりません。そうしませんと通貨は銀行にたまる一方です。
銀行にとっては現金は負債勘定。資産勘定にするには貸し出してその「貸出し証文」が必要なのです。

一番良い貸出先が日本政府であることは間違いありませんが、その政府に対して「PB黒字化」を突きつけているのが財務省です。
財務省の後ろには日本政府ではなくIMFなどがへばりついているのではないでしょうか。IMFは日本国民の機関ではありませんから、我が日本のことなど眼中にありません。
そしてそこがPB黒字化を財務省に要求しているとすれば、それは何のためでしょうか。
IMFは若しかしたら日本人を根絶やしにしてやろうと思っているのかも知れません。それくらいの疑問を持たなければ日本の財務省としては情けないですね。

PB黒字化とは、単年度での歳入(税収)と歳出がバランスすることです。つまり1対1にすること。これは経済成長させないということを意味します。
日銀は量的緩和をやっています。そして銀行の持っていた国債を買い上げています。銀行から資産である国債を、負債である現金に換えているわけです。

民間に貸し出せば良いのですが、民間には現在あまり資金需要がありません。経済が成長していないのに借金をしてまで投資することは出来ないからです。

一組の夫婦が居て、そこに子供が生まれれば生活費がアップします。当然収入が上がらなければなりません。しかし「PB黒字化」によって経済全体が膨らみませんから収入は増えません。
倹約するしかなく、それが嫌なら子供を作らない事・・と言うのが少子化の一番底にある因果だと思います。

では人口が増えなければ経済成長しなくても良いかと言えば、人間は時間と共に年を取り、生産活動が出来なくなっていきます。
少子高齢化と言うやつです。年金は若い世代が高齢者に生活費を供給するものですから、年金の金額はだんだん少なくなって行きます。

さらに労働人口が減れば税収も減少していきます。PB黒字化を目指せばさらなる緊縮財政が必要で、最近では消費税26%などという話も出てきているそうです。
そんなことをしてもPBは黒字化などするわけはありません。
また、仮にPBが黒字化したとして、何の意味があるのでしょうか。ですからIMFなどの機関が日本国民を根絶やしにするためにPB黒字化を財務省に命じているのでは・・という疑念が出て来るのです。

こんなことを慶び勇んで、嬉々として「PB黒字化」を追及している財務省の役人たちの、経済音痴振りには呆れてしまいますね。PB黒字化は決して健全財政ではありませんよ・・・
この「PB黒字化」は。何も知らない野田民主党政権時代に法律にしてしまったものです。この時野田首相は恐らく「黒字化」と聞いて良いことだと思ったのではないでしょうか。(ほかの議員達も同様では?)
経済を知らなくて騙されたことは許せるとしても、財務省の様に知っていて騙したとしたら、それは犯罪です。

また財務省は、税収だけでマクロ経済を運営すれば権限がもっと強くなるとでも考えたのでしょうか。
こんな先輩の前例主義と、異論を話せない若い財務官僚では、このままでは日本にやがて来る経済破綻は避けられないかも知れませんね。

元内閣官房参与で京都大学の藤井聡氏と、経済評論家の三橋貴明氏が「令和の政策ピボット」という宣言を行い、このような財務省の経済政策から経済成長する経済政策に軸足を移そうという活動を始め、賛同者をネットで集めていますが、なかなか広がらず現在の賛同者は15815人でしかありません。

アメリカからMMTという新しい常識が入ってきました。「誰かの黒字は誰かの赤字」という当たり前のことを「政府の黒字は国民の赤字」と置き換えて理解すると良いのですが、財務省はMMTを叩きに叩いています。本当のことを国民に知られたくないのでしょうね。

ともかく、少子化の原因は膨らまない経済、いや財務省が膨らまないようにしている経済が原因だ・・と言うことだと思います。

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