今年、5月3日の憲法記念日に安倍首相はインタビューに答えて、「自民党は憲法改正の旗を掲げ続けている。結党以来の党是であるにもかかわらず、わが党の中にも改憲に反対する人がいたが、その余地はなくなった。一昨年10月の衆院選で、自衛隊明記を真正面から公約に掲げて国民の審判を仰いだ。その上で昨年9月の党総裁選も私はこれを掲げて勝った。党内の論争は終わった」と述べました。
そしてこの夏の参議院選挙で憲法改正発議に必要な3分の2の勢力をどう確保するかについては「3分の2を超えるということは、大変ハードルが高い。憲法改正には野党の中にも賛成の人がいる。いわゆる改憲勢力ありきではなく、一人でも多くの方々に賛成していただけるように努力をしていきたい。現在の自民、公明両党や日本維新の会などの改憲勢力以外からも、与野党の別なく幅広い賛同者を集めたい」と述べております。
会見のための国民投票に関しては、「憲法改正は最終的に国民が判断する。国会の中で3分の2を超えていく努力をして、国民に(国民投票で)判断していただけるように努力をしていきたい」と答えておりました。
この時、元NHKプロデューサーで武蔵大教授の永田浩三氏は「護憲派集会」で「安倍君、大事な憲法をいじるのはやめておとなしく身を引きなさい」などとマイクを持って演説していたそうです。
現行憲法には改憲の手続きがあります。それを守って改憲をしようとしている安倍首相に、「大事な憲法をいじるのはやめろ」と言うことは護憲派の憲法違反ということになりますね。
そして永田氏は、この憲法の問題点については全く論じておりません。彼の考えには日本という存在はないようです。
「日本軍の慰安婦として被害に遭った女性」が居たという前提で作られた番組を、安倍君がNHK幹部たちにちょっかいを出し変えてしまったとか、それがあたかも憲法21条の言論の自由、検閲の禁止を犯すことになるなどと述べています。
現状では改憲派が3分の2を確保しているはずです。ですからさっさと改正の発議を安倍内閣が行えば良いだけで、結果として3分の2が取れなかったとしたら、それは自民党内部の裏切りか公明党の裏切りであることがはっきりします。(それをはっきりと国民に見せるべきです)
国民の半数が改憲に賛成するかどうかは判りませんが、少なくとも改憲に対してどの議員が反対し、その理由が何かは解るでしょう。
そこまで行うのが安倍内閣の責任ではないでしょうか。
会見に反対するグループが上記のような集会を開き、上から目線で安倍内閣を罵倒するのは、改憲が優勢な状況にあるからではないでしょうか。
彼らの反対理由は昔から同じですから論破はされています。それが国民に伝わっていないのはマスコミなどの言論界が伝えないからでしょう。
また、改憲派の間に今回の改憲に失敗したら、もう当分の間「改憲の発議が出来なくなる」という噂が飛んでいます。しかしそれが何故なのか、その説明はありません。
国会が改憲の発議をするのですから、国会議員が賛成し国民の半数以上が賛成すれば何度でも改憲は可能なのです。問題は国民が選挙で誰を選ぶか、それだけです。
ですから成功しようとしまいと、それを国民に常に問うことが重要なのではないでしょうか。
このまま参議院選挙に入ると、3分の2が崩れる可能性もあります。その前に発議をすることが肝要でしょう。
そうしませんと、日本の選挙が何のために行われているのか判りません。現状で発議するだけの議員が集まらないのであれば、それがどの議員なのか国民の前に明らかにすべきです。
元NHKの永田氏の発言(https://www.sankei.com/politics/news/190503/plt1905030029-n1.html)が、国民に受け入れられるのかどうかも結局選挙で問うしかないわけです。
まだ国民の間で改憲の盛り上がりがないのは、安倍政権がなかなかそれを行おうとする動きが無いからではないでしょうか。
永田氏などが護憲派の立場から盛り上げようとしていますが、なかなか火がつきません。
安倍政権で行うことは、改憲の完成ではありません。もともと「自衛隊明記」などが改憲の本丸ではないからです。
つまり、「常時改憲の意識」を国民に提示すれば良いだけです。選挙では候補者が常に「改憲派か護憲派か」を掲げなければ候補者として不完全なような雰囲気を作れば良いのです。
敗戦時、現行憲法がどのようにしてGHQによって押し付けられたか、現在多くの情報がネット上で提示され始めています。
アメリカ政府が、第二次世界大戦の秘密文書の公開を始めたからでしょう。
例えば「帝国陸軍は解体されたが帝国海軍は解体されなかったこと」などもハッキリしてきました。その理由も明らかになってきています。
時代に合わせた憲法改正は必要なことです。そのための議論は常時行っていなければなりません。しかしあくまでも日本の防衛を意識した議論であって、危険な妄想平和主義の宗教活動であってはならないのです。
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