2014年5月28日水曜日

中共の日本消去計画?

習近平主席が最近「アジアは中国の法で統治する」などと言いだしました。そして盛んに「運命共同体」という言葉を使いだしたそうです。

18回共産党大会で、「(中共人民は)自国本位で利益や発展を追求するのでなく人類は運命共同体であるという意識を持つべきだ」などと呼びかけ、その後も「アジアと世界の共同発展を実現しよう」などと述べ、昨年はインドネシア(ASEAN)で「よき隣人、よき友人、よきパートナーとして、より緊密な中共・ASEAN運命共同体を作りたい」などと述べています。

そして今年発表した論文で「運命共同体は新時代の中共外交の理論と実践の旗印」などと掲げてアジア運命共同体の構築が中共の周辺外交の目指す方向だなどとし、「新型の義利観を発揚して発展途上国と運命共同体を構築する。中共がいかに発展しようとも発展途上国の仲間であり続け、道義を優先して私利私欲に走ることはない」などと述べています。

これらの発言は中共脅威論や中共への警戒感の一掃を狙ったものでしょうが、実際にやっていることはベトナムの漁船に船をぶつけて沈めたり、戦闘機を異常接近させたりとその無法ぶりには目を見張るものがあります。

アジアを中共の法で管理することは、とりもなおさず「中華思想」という選民思想で支配すると言うことにしかなりません。
どんなに美辞麗句を使っても、華人の発想にはそれしかないからです。ですからいつでも「上から目線」の発言しかできず、自分を誇大に見せようとする虚言癖が止められず、故にアジア諸国(そして世界)から嫌われるわけですね。

この習政権の方向は、見方によっては日本を消去するものとも取れます。日本の何を消去するかと言えば、あの大東亜戦争で「アジアを解放したのは日本である」とする東南アジアの常識を、長い年月をかけて消去する戦略と取れます。

東南アジアには、「アジアから欧米列強を追い払い独立できたのは日本軍が果敢に戦ってくれたおかげ」という歴史的事実を知っています。
しかし、アジアの盟主であることを華人の国家は言い続け、それゆえに「中国」などという国名を謳い続けているわけですが、その歴史的事実が彼らがいかに自尊心をキヅ付けられているか、そのことがこの習政権の言葉から判ります。
ですから、この歴史的事実をいかに消去し、「アジアを欧米から解放したのは中国である」としてしまおうという謀略が、この「アジアは中国の法で統治する」という言葉に隠されているように思います。

現在の国際法の概念は、欧米の価値観から出来ています。戦争というものを肯定し、しかし不足の事態から拡大しないように細心の注意を払って作られたものが何となくあるだけです。
1864年に出来た「ジュネーブ条約」は、別名「赤十字条約」とも言われ、不幸にして戦争になった場合の、それでも人間として守るべき「人道」を条約としてまとめたもので、傷病兵に対する扱い、捕虜の扱いなどが決められました。

1899年、オランダ・ハーグで採択されたのがハーグ陸戦法規、陸戦条規と言われるもので、ここで、捕虜・傷病者の扱いだけでなく、戦闘員・非戦闘員の定義や宣戦布告の定義などがまとめられました。
「非戦闘員は保護すべき」とされたわけで、東京大空襲とか原爆投下は明らかに「バーグ条約違反」になるのではないでしょうか。
東京裁判で、インドの国際法博士であるパール判事が、戦勝国側を厳しく非難し、東京裁判の無効と「日本無罪」を宣言したことは日本国民の多くが知るところです。

さらに1954年には「ジュネーブ協定」が出来ています。インドシナ戦争の推移から出来た協定ですが、すでに国際間の国益などがぶつかってしまい、戦禍を抑えることが出来ず、やがてベトナム戦争へと拡大していきます。

こうして国際法は次第に積み重ねられ、国際法という体系にまとめられようとしているわけです。
国際法実証主義の父として知られるラサ・オッペンハイム氏の定義によれば、「国際法は成文化されたもの(条約)と慣習によって成り立つ不文のもの(慣習法)、法の一般原則によって成り立つ」とされています。
このような概念で、国際人権法、国際人道法、、国際環境法、そして国際海洋法などが成立しはじめておりますが、内容を見れば中共にとって守れないものばかりかもしれませんね。

だからこれを無視して中華思想に基づく法体系を作り、華人たちの権益を伸ばして他国を蹂躙する法律を作りたいのではないでしょうか。
そしてその中で、「アジアから欧米列強を追い払い、解放したのは日本」という歴史を消し去ろうと言うわけですね。

そういう活動のようにしか見えません。

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