2014年5月20日火曜日

放射能被害の嘘、「美味しんぼ」という漫画

東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出すという漫画が、福島の復興の足を引っ張っています。
目的は安倍政権へダメージを与えることでしょうが、あたかもそういう事実があったように演出することが漫画なら可能なようですね。
掲載されたのは小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」で、その中の雁屋哲氏が書いた「美味しんぼ」という漫画です。

雁屋哲氏は本名が戸塚哲也という方で昭和16年北京生まれ(72歳)の方です。
主人公が鼻血を出し、疲労感が強いなど訴えさせ、それを福島・双葉町の前市長・井戸川氏に「被瀑ばくしたからですよ」とか「福島には同じ症状の人が大勢いますよ。言わないだけです。」などと言わせるシーン(嘘のようですが)が話題となっているものです。

この欺瞞的な話で、安倍政権を揺さぶることなど出来ないとは思いますが、まあ真摯な討論で真実が追及されることを望みます。

この漫画で感じたことは、「またあの時と同じ作戦だな」ということです。
あの時とは、広島・長崎に原爆を投下した後、終戦となってから核開発が本格化して、「水爆実験」などとして大規模な熱核実験がビキニ環礁で行われた後、ハリウッドが「渚にて」というフィクションで核戦争の恐怖を煽った時のことです。

現実には、放射線の致死量と思われる照射を動物に行っても、予定していた結果は得られず、広島、長崎での被爆者を調べても、ほとんどが熱線による皮下火傷で皮膚呼吸ができなくなっての死亡が多かったようですね。
白血病などの放射性の塵で発がんしたような事例も見られましたが、予測値よりもはるかに少なく、その事実が発表されると「核シェルターによって直撃を免れれば何とか生き延びられる」という噂が広まり、核シェルターの設計が欧米などで始まりました。

その前に後ソビエト連邦が核実験に成功し、東西冷戦構造が出来上がってきました。核による均衡を作って平和維持をしようとする計画がアメリカから始まります。
つまり「核戦争に勝者は居ない。人類が滅びるだけ」というプロパガンダを世界中に浸透させようとする計画が冷戦構造の骨子だったわけです。
そこで核実験がエスカレートし、何発もの核爆弾を一斉に爆発させる実験などが行われたわけですね。
実験場所はマーシャル諸島共和国のビキニ環礁。

世界中が大きな衝撃を受け、その実験が政治的に大成功だったのは、現在もなお男性に衝撃を与える水着をビキニと呼んでいることなどからも良く判ります。

しかし、核シェルターで助かるという噂を払拭するには、全世界に更なる脅しを掛けなければなりません。あくまでも核戦争が起きたら人類は絶滅するというプロパガンダを作る必要があったからです。
広島・長崎の真実は隠蔽して、放射能被害だけを強調し、世界中の人々が核戦争になったら人類は絶滅すると思わせるには・・・

ここでハリウッドがこの役を買って出ます。
英国のネビル・シュート氏が1957年に書いた小説の「渚にて(オンザビーチ)」が、スタンリー・クレイマー監督、グレゴリー・ペック主演で映画化されたのが1959年でした。(英国は1952年に核実験に成功しています)

この映画の衝撃は全世界を震え上がらせました。北半球で起きた核戦争で、オーストラリアは生き残りますが、やがて来る放射能の黒雲が、人類を破滅に導くという筋立てで、真綿で首を絞められるようなオーストラリアの悲惨な最期が描かれます。

それから放射能の恐怖は、さまざまな映画やテレビで強調されます。しかしこれが核兵器さえ持てば他国は戦争を仕掛けてこないし、国際社会で発言力を持つという、いわゆる「核信仰」を生み、1960年のフランスの核実験、1964年の中共の核実験、1974年のインドの核実験、1998年のパキスタンの核実験と続いています。

ともかく、放射能の恐怖はこうして作られていきました。
今回、福島の放射能風評被害も、この延長線上に置くことが出来ると思いますが、このたびの漫画による放射能恐怖の流布は、このハリウッドが行ってきたのと同じパターンなのです。

いまだ放射能の恐怖は世界中を覆っています。
香港の吉野家(牛丼屋)が「福島産の食材を使っていない」と主張するポスターを香港の店舗に掲示したりして客が逃げるのを防止していますから、世界的に浸透しているわけですね。

もうそろそろ、放射能と人体、あるいは哺乳類との関係を見直したらいかがでしょうか。

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