アメリカと中共で5Gの通信技術で衝突しています。そしてアメリカが劣性にあり、すでに5Gの分野では中共の特許数がアメリカの3倍くらいあるとか。
この状況の中で、アメリカは6G(6世代)のスマホを考えざるを得なくなっているようです。
2017年9月29日、「中共が衛星を使用した量子通信に成功した」とのニュースが世界を駆け巡りました。記憶されている方も多いでしょう。
中共の科学実験衛星「墨子号」が、地球半周分も離れたオーストリアと北京の2都市間でハッキング不可能な量子通信を行ったと言うもので、北京から北東に車で数時間の距離にある「興隆」という所にある地上局から、小さなパケットデーターを墨子号に送り、時速2万9000キロメートルで進む墨子号は、約1時間後にオーストリアのグラーツ市近くにある地上局に送ったと言うものです。
データーの内容は「暗号鍵」であり、本文(映像だったらしいですが)は従来のネットで送られていて、衛星から送られた量子通信のパケットデータで送られた暗号鍵で解読出来たというものです。
そしてこの実験を主導したのが中国科学技術大学 (USTC)の潘建偉(パン・ジエンウェイ)教授(48歳)でした。
地元メディアからしばしば「量子の父」と呼ばれている潘建偉教授ですが、国際協調の重要性について述べております。
この量子による情報の記憶と伝達は、「量子もつれ」として知られる極めて神秘的な現象を通して行われます。
そしてこの神秘的な現象は「量子テレポーテーション」と言われています。
電子機器でビットと言われる単位と量子のビットとを区分けするために、量子ビットは「キュービット」と言うことになっています。もし量子コンピューターが普及すればこの呼び方も元のビットになるのでしょうけど。
いかにも中共が進んでいるように見える量子コンピュータの現状ですが、産経のコラムに「量子テレポーテーション」を世界で最初に実験し成功した人は、東京大学の古沢明教授(57歳)であることが書かれていました。
古沢氏は、大学院の修士課程を修了後、光学機器メーカーのニコンに就職し、フィルムに変わる映像の記録媒体として大容量光メモリーの研究に従事していました。
1996年にニコンから米カリフォルニア工科大に客員研究員として赴任し、そこでアメリカ初の量子コンピューター開発プロジェクトに参加することになったそうです。
「まさか量子コンピューターの研究開発に携わることになろうとは、夢にも思っていなかった」そうですが、「量子もつれ」と呼ばれる特別な相関関係にある現象を、情報通信に使えないかと考え、量子テレポーテーションの実験に取り掛かるわけです。
ニコンで光学機器を取り扱ってきた経験を生かし、レーザー光を使って、量子もつれの状態にある光子(光の粒)のペアを作る実験に取り掛かります。
レンズやミラーを巧みに組み合わせ、精密な装置を作り上げていきます。
そして1998年、、世界初の量子テレポーテーションの実証実験に成功したのです。
2つの量子間に、本当にテレパシーのような現象が起きる事、そしてその速度は光よりも早いことが突き止められていきます。
そして2004年、東京大学に籍を戻した古沢氏は、3つの量子もつれによる量子テレポーテーションにも成功し、量子情報のネットワーク化が可能なことを示しました。
その後古沢教授は、企業などと組んで主要部品のチップ化など実用化に向けた技術を次々に開発しているそうです。
この経緯を見て、これを使えば、あとは装置を人工衛星に乗せることと、地上に量子通信可能な装置を作ることだけで中共が2019年に行った実験は可能です。もしかしたら潘建偉教授はこの実験論文から装置を組み立て、中共のお金を使って人工衛星に搭載、そしてこの実験を行っただけかも知れません。
古沢氏は、「研究は楽しくてたまらない。スポーツと同じ」と述べております。「研究で一番重要なのは『エンジョイすること』」と述べているそうです。
「量子テレポーテーション」がなぜ起きるのか、理論物理学はまだそれを解明できておりません。それが本当に距離とは関係がないのか、何万光年離れていても通信は可能なのかなどはまだ判らないようです。
「はやぶさ」で小惑星探査を行いましたが、その時の通信も片道30分ほどかかっていました。量子通信ができると、この通信が瞬時に行えるかも知れません。宇宙時代には欠かすことの出来ない技術になることでしょう。その技術が詰め込まれたチップなど、実用化に向けた技術開発が、古沢教授のリードのもとで進んでいるようです。
この技術が中共などの敵対国に盗まれないように注意したいものですね。
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