5月1日、北朝鮮は肥料工場の竣工式に現れた「金正恩委員長」の写真で驚かされました。死んだという情報が飛び交っていた中で、あまりにも突然の再登場だったからです。
写真は健康であることを主張するようなもので、にこにこ笑っております。
この写真について、いくつかの疑問点はあるようです。例えば金正恩氏は1月7日にもこの建設中の工場を訪れていて、その時コートの下に着ていたものと同じ服装だなどという指摘です。
また、替え玉論も出ています。本物は死んで替え玉が金与正氏を後継者にするための手続きを行うと言うものです。
しかしそれは決め手にはなりませんし、事実肥料工場の竣工式は行われたわけですから、今更「金正恩委員長は重篤だ」といっても始まりません。例え替え玉であっても、金正恩氏は存在しているのですから。
4月中旬頃から公式の場に出てこなくなった金委員長。すぐに世界中に「重病説」が飛び交いましたが、わざと煽っていた感もあります。
特に中共の江沢民派も騙されていたのか、それともこの演出を手伝ったのかは判りません。
トランプ大統領も意味深なことを述べていました。
「金委員長がどうなったか私は知っているし、もうじきあなた方も判るだろう。その後北朝鮮は国民にとって良い国になって行くよ」などと述べていました。
知っていたのか騙されていたのか、そこは判りませんね。
ではなぜこのような面倒な演出をしたのか、それによって北朝鮮はどいう変わるのか、そこが気になります。
なぜ金委員長が姿を消し、金与正政治局員候補が表に出てきたのか。そして金委員長「重篤」のニュースを流し始めた元はどこにあったのか・・・
最後まで「金委員長」は元気で居ることを訴えていた韓国の「文在寅大統領」はなぜ知っていたのか?
その間ミサイルを撃ちあげていますが、このミサイルが文政権に対する何らかのメッセージだったのかも知れません・・など気になることがたくさんあります。
そして考えられるのは、北朝鮮国内の反金正恩派の粛正です。
恐らく、国内にも「金委員長重篤」というニュースは流れたはずです。特に中共の江沢民派がこのニュースを世界中に流したようですから、そこから誰にニュースが入って、そしてどのような動きをしたか・・それを見て粛正を行うつもりではないでしょうか。
脂肪吸引手術の失敗、血栓による発作、武漢コロナに感染、そのウイルスからの避難などさまざまな憶測が飛び交った演出でしたが、誰が粛正され誰が徴用されるのか、そしてその結果トランプ大統領が言うように「朝鮮国民にとって良いことが起きる」のかどうか・・・
トランプ大統領は金正恩委員長をあまり悪くは言わないことも注目点でしょう。
金正恩委員長は主席ではありません。また、中共が大嫌いなことも我々は知っています。それでも北朝鮮は地政学的には世界の大国「中共」「ロシア」そして「アメリカ」にとっても要衝になります。
2018年6月の米中首脳会談がシンガポールで行われた時、トランプ大統領はシンガポールの街を見せて、「北朝鮮もこのように出来るんだ」と説得したと言います。ただ「核の廃棄と拉致被害者問題を解決すればお金は日本が出す」とも付け加えています。
その後もハノイでの首脳会談をしたり、突然板門店でトランプ大統領と金委員長があっていたりしております。
昨年の暮れに開かれた党中央委員会総会での長い演説、今年にはいってから新年の挨拶はせず、また4月の最高人民会議に出席せず、さらに金日成主席生誕節行事に欠席したことなど、北朝鮮国家行事に出席しないと言う事態が続きました。
そのことで、CNNが「重篤」という情報を流します。アメリカもこの情報を流して、そして中共の江沢民派の人物もその裏付けのような情報を流しています。
インターネット上には金委員長死亡説が流れ、すっかり騙されました。
そしてこれで、金委員長に反旗を翻している既得権保持者たちが浮かび上がってくるのではないでしょうか。
恐らく彼らは金日成時代からの既得権保持者で、なかなかしぶとくへばりついているのかも知れません。
例えば「拉致被害者の面倒を見ていた」とか「アメリカのディープステート側と裏取引をしていた」とか「ロシア要人との人脈を握っている」といった、現在の政権の弱点を掴んでいる連中です。彼らこそが、朝鮮総連などと結託して日本国内から集金しているように思います。そう、どこの国も同じようなものなのですよ。
彼らは粛正したくても、出来ないような位置に居て、常に新指導者の邪魔をするわけです。トランプ大統領の要求を呑むには、国内のこのような人物を排除する必要があることは、トランプ大統領自身が知っているのだと思います。
だから今回の「重篤フェイク」で、1日に金委員長が姿を現した時、すぐにトランプ大統領はツイッターに「彼が戻り、健康でいるのを見ることができてうれしい」と書き込んでいるのではないかと思います。
多くの政敵を殺してきた金委員長は、同時にいつ自分が殺されるか判らない状況でもあるわけです。ファイブ・アイズなどよりももっと怖いのが国内の「隠れ反金正恩派」なのでしょう。
最高人民会議を欠席し、金日成主席生誕節行事にも欠席し、肥料工場の竣工式には現れる・・その演出こそが、何かを物語っているように思えるのですけど・・・
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