2017年6月3日土曜日

トランプ大統領、パリ協定から離脱

オバマ前大統領がまとめた「パリ協定」は、地球温暖化ガスの排出量を規制する協定で、炭酸ガス排出量などが問題視されるというおかしな協定です。

このブログでは何度も書いていますが、炭酸ガスは希少ガスで水溶性のガス。雨が降れば大気中の炭酸ガスは水滴に溶けて海に降り、植物性プランクトンなどが同化作用で酸素を出したり、炭酸カルシウムなどになって魚介類の骨や殻になるもので、大気中には少ししか存在しきれないはずです。

トランプ大統領はこの点は何も指摘せず、「協定は不公平」という一点で離脱を表明しているようです。
しかもその不公平は中共に向けられたもので、「中共は今後13年も望み通りのことをできるのに米国はできない」という指摘でした。

確かに中共はパリ協定には入っていないようです。しかし2030年までに05年比で60~65%の炭酸ガス排出量を削減すると約束はしております。
トランプ大統領は中共が約束を反故にするのが得意な国家であることを知っており、中共の経済成長が今後も続くことを考えれば、事実上、中共の排出量は増加を続ける公算が大きいことは間違いありません。

途上国による気候変動対策支援のために作られた緑の気候基金(GCF)に対しても、「アメリカは基金の総額の3割にあたる30億ドル(約3300億円)の拠出を約束しているが、途上国と位置づけられる中共の負担はゼロだ」と述べ、「米国に投資されるべき数十億ドルが米国から工場や雇用を奪っている国に送られている」としてパリ協定からの離脱を表明したのです。

すぐに全大統領のオバマ氏が反論します。「国際社会における信念に基づいたアメリカの指導力だ」と言う訳です。
そしてそれに呼応するように、電気自動車大手テスラのマスク最高経営責任者(CEO)が「パリ協定はアメリカと世界にとって良いことだ」と述べ、トランプ政権に対する助言組織のメンバーを辞任すると発表しました。

そしてゼネラル・エレクトリック(GE)のイメルトCEOは、「今日の決断には失望した」と表明しました。
その他にもアメリカ企業の多くがトランプ大統領のこの表明に反発するのではないでしょうか。

トランプ大統領が誕生してから、アメリカのマスメディアの中でディープステートという言葉が登場するようになりました。
「深層国家」という意味ですが、ウォール街や多国籍企業、ネオコンやグローバリスト達を指す言葉のようで、トランプ大統領が彼らと対峙している印象を植え付けた訳です。しかし最近のネットには、このディープステートこそトランプを大統領にした主役である・・などと攪乱情報も飛び交っているようです。

金融とか多国籍企業にとって、経済的利益は莫大な金儲けではなく、いかに「そのお金を動かすか」がテーマになります。

お金は動いて始めて金利を生みます。新約聖書マタイ伝の「タラントの教え」が伝える通りに動いております。(お金を動かすとは、誰かを働かせると言う意味です)
地球温暖化ガスでの排出権取引は、国家単位でお金を動かす巧みな仕掛けではありますが、地球環境とは関係ありません。
パリ協定は、さらに地球環境のためと称しながら、先進国のお金を途上国に回す仕掛けでした。

途上国には需要があります。資本が製造業を刺激しお金が流れて金利を生み出します。こうして巨大資本は膨張を続けるわけですが、戦争や革命も資金を必要とし、巨大な資金が動きますから、ここにディープステートという言葉を当てはめれば、彼らが画策しているようにも見えますね。

おそらく莫大な資金を動かし、金融資本の運用を行うすべての繋がりが、このディープステートを構成しているのでしょう。
トランプ大統領は、「その資金をアメリカに回せ」と言っているだけです。ですからアメリカに回そうとするディープステート部門とは仲良く、そうしないでもっとリスクを抱えてもアメリカ以外へ回そうとするディープステート部門とは対立するのではないでしょうか。

金融資本は「誰かを働かせ」てお金を動かし金利を獲得します。しかし多くの金利を獲得するには人件費の安いところで付加価値の高い生産をさせることが得策です。すべての金融資本がそうではないと思いますのでトランプ政権が「アメリカに投資しろ」という交渉が成功しないとは言い切れません。

ディープステートの核になっているのは金融筋でしょう。こことの交渉こそトランプ政権の成否に繋がるポイントです。
パリ協定脱退後、トランプ・アメリカがどのように展開していくか、要注意ですね。

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