2017年6月15日木曜日

力の均衡、戦争の匂い

6月12日、アメリカのマティス国防長官が、国防予算案に関する下院軍事委員会の公聴会で、「力の均衡で列強競争の時代になる」と発言しました。

具体的には「再起を果たして攻撃性を強めたロシア」と「より自信を深めた強引な中共」、そして「最も喫緊かつ危険な脅威」としての北朝鮮を挙げ、第二次大戦後に構築された国際秩序が危機に晒されているといった発言です。

もちろんその背景に、中共や北朝鮮に対して武器供与や技術供与をしているアメリカ国内の勢力があることも前提にした発言でしょう。
北朝鮮は核兵器と弾道ミサイルの開発のペースを速め、範囲を広げていると警告し、「北朝鮮は国連の非難や制裁をよそに、国際法違反の挑発行為をやめていない」と指摘しました。

さらに北朝鮮については、外交的解決に失敗し、軍事衝突となった場合は「1953年(の朝鮮戦争)以来、見たこともないような極めて深刻な戦争となる」と述べております。中共が出て来ることを前提にした話かも知れませんね。1953年も中共が出てきたことで停戦に向かったのですから・・

国防予算を確保するための公聴会ですから多少の強調はあるとしても、国際秩序がロシアや中共によってないがしろにされていることは疑いのない事実です。
反トランプ勢力がロシアには経済制裁を掛けていますが、中共に対しては裏側でかなり支援をしているのではないでしょうか。

またマティス長官は、アフガニスタンや他の中東諸国の治安の悪化している情勢について、新戦略を「極めて近い将来にトランプ大統領に提出する」と述べました。
これはアフガンのみを対象とせず、周辺地域の過激組織の脅威もにらんだ戦略となるそうです。

アメリカ軍やNATO軍の国際部隊3000~5000人がアフガンに増派される見通しだそうです。こうして中東危機を終わらせ、そしてアジアに戦線を移す予定のようです。

アメリカは日米同盟を今後重視するでしょうし、敵対するのが中共であることは間違いないでしょう。
評論家の藤井厳喜氏によりますと、中東のイスラム国はこの秋に2つの拠点、モスルとダッカを完全に攻略するそうです。
この拠点を失えば、イスラム国は崩壊、残党がアラブ諸国や欧州などでテロを行うだけになるはずだと言うことです。

もちろんこれは、アメリカ国内のある勢力がイスラム国を見捨てることであり、その代わりにもっといい北朝鮮と中共という戦争予定地域を見つけたと言う事なのかもしれませんね。

中共はこの秋に党大会があります。習近平主席が再選されるかどうかの駆け引きはすでに熾烈な工作合戦になっているようです。選挙ではなく事前根回しで決まる主席ですから、夏ごろには流れが決まるでしょう。
一帯一路やAIIBで欧州を巻き込む工作も、その一環ではないでしょうか。経済的には破綻している中共。それを隠蔽し、これからアメリカと対峙する軍事大国を目指す習近平主席の戦略が、背後の国際金融資本と結託して戦争による金融リセットを画策してもおかしくはないでしょう。

中共は、「所詮どの国も戦争なんかしたくない」ことを前提に侵略計画を立てています。ですから国際法など守るはずもありません。
国際法を守るのが国家としての矜持(プライド)という考え方は中共には無いようです。「白人の作った法」という切り口で「守らなくても制裁はされない。なぜならどの国も戦争などしたくないから」という理屈のようです。

そのくせ弱小国には恫喝的な武力を使います。ですから恫喝できる兵器を作るわけです。空母のような。
そこに裏社会が忍び寄り、アメリカの最新技術を売り込んだりしているのではないでしょうか。

ですから中共の暴走はオバマ前大統領が「アメリカは世界の警察官を辞める」と言った直後から始まりました。南シナ海を埋め立て、基地を作り自国領海と宣言し、国際法を守らないことを宣言し、そして軍備増強に走ったわけです。
国際法を遵守する矜持は無く、ただ大きく暴力的であれば世界は従うという発想です。そして矜持は無くとも面子だけにはこだわる性癖を持っています。
こういう性癖が裏社会は大好きです。それはこのような性癖は利用しやすいからでしょう。

マティス長官はこのような意味を込めて、今後は東アジアで起きる戦争を警戒するための国防予算を計上したようですね。
国防予算案は、本予算約5745億ドル(約64兆2000億円)で、さらにイラクやシリア、アフガニスタンなどでの戦費約646億ドルを加えた金額になっているそうです。

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