2017年6月21日水曜日

パナマショック・アメリカの危機

これまで台湾を承認していたパナマ共和国が、今年6月12日に台湾との国交を断ち中華人民共和国との国交を始めました。

日本の報道では、「『一つの中国』という原則を認めない与党・民主進歩党の蔡英文政権に業を煮やした中国の習近平指導部が『勝負をかけた』決定」というようなアメリカの華人向けメディアの記事が掲載されました。
そしてこれは台湾の蔡政権への圧力と報じられます。

蔡政権は対中政策の「現状維持」を掲げ、全く譲る気配もありません。弱者には暴力を使う中共ですからアメリカのマティス米国防長官は、6月3日にシンガポールで「台湾が必要とする防衛装備品を供与するため、台湾と引き続き協力していく」と発言もしております。
もちろん「中共政府と中共人民は台湾への武器売却に断固として反対する」と何雷軍事科学院副院長は怒っていましたが。

また、蔡総統はフェイスブックに「両岸(中台)間の最大の隔たりは民主と自由だ」と書き込んで、中共の民主化のために台湾の経験を生かすことで、民主改革の生みの苦しみを緩和できる」と訴えてきました。

これが中共政府を苛立たせることは当然で、「大陸のことについては大陸の中国人だけが語ることができる」などと反発しておりました。(大陸の中国人以外を差別した発言ですね)
そして「われわれは歴史上、中華民族の偉大な復興の目標に最も近づいている」などと統一を示唆しました。

パナマ共和国が中共との国交に切り替えたことを、中共側は「一つの中国原則は国際社会の普遍的な認識だ。中国とパナマの国交樹立は人心の向かうところ、大局のおもむくところだ」との声明を出しました。
「パナマ側は長年、大陸(中国)との国交を望んでいた。しかしこの8年間(つまり馬英九前政権の間)、中共側は台湾側の感情に配慮してパナマ側の提案を断ってきた。」とも述べております。

今年秋に中国共産党大会を控えている習政権にとって、「中華民族の偉大な復興」の核心テーマである中台統一の具体的成果が必要で、そのための圧力との見方もあるようです。
しかしこの圧力を台湾の有権者は“脅迫”と捉えているようで、台湾人の中共観に負の影響を与えるのは確実なようです。

このパナマショックは、アメリカにとっても、あるいは全世界にとっても影響があるかも知れません。
中共が主導して始めた「ニカラグア運河」が頓挫しているからです。2014年12月22日に華々しく着工式典を開催した中共でしたが、その後、北京に本社がある主体企業が資金枯渇状態に陥ったり、着工するやすぐに環境保護団体の抗議活動、土地が沈む農民らの反対運動の激化などに直面しておりました。

このニカラグア運河はパナマ運河が実質アメリカの管轄下にあることへの対抗手段として考えられたようですが、パナマ運河の3倍の距離になる運河は、さすがに金がかかりすぎるようです。ですからアメリカは沈黙を守ってきたわけですね。

そこで今度はパナマ運河への直接投資で、アメリカからパナマ運河を引き離そうという計画のようにも見えます。パナマ政府はサヨク政権でアメリカとの関係は必ずしも良くありません。
そこに中共から莫大な投資が行われれば、パナマ政権はアメリカから中共へ乗り換えてしまう可能性が大きいのではないでしょうか。

パナマ運河は2000年にその所属はアメリカからパラマ政府に移っております。それでも姉理科が主導的になれたのはやはりパナマは経済が弱かったからでしょう。
しかし、中共のお金が回ってくればパナマ共和国は経済的にアメリカと決別できる可能性が出てきます。もし、パナマ運河の経営に中共の企業などが関与してくれば、太平洋と大西洋を繋ぐ部分を中共が握ることになるのではないでしょうか。

そうなれば、アメリカの軍艦などが太平洋と大西洋を行き来することに弊害が出るでしょう。太平洋に進出もしくは侵略する中共はアメリカ海軍の大西洋側の軍艦を封鎖することが出来るわけです。
南米を回るのは現実的ではなく、また北極海航路も軍事的にはまだ未完成でしょうから。

つまりこの問題は「台湾と一つの中国」の問題ではなく、太平洋への中共の侵略戦略の一つと考えるべきでしょう。
オバマ政権の8年間ですっかり衰退してしまったアメリカの国家戦略は、見事に中共の世界戦略に押されてしまったわけです。そしてグローバル経済側はこれからおそらく中共と組み始めるでしょう。
トランプ政権が内向きになる素振りを見せたことで、ウォール街のグローバル指向のグループが中共側に寝返ったとしてもおかしくはありません。

現在ユダヤ人グループが分裂していることはご承知でしょうか。ディアスポラ・ユダヤ系とイスラエル・ユダヤ系です。
イスラエル・ユダヤとは現在のイスラエル共和国の国民であるユダヤ人のことです。そしてディアスポラ・ユダヤとは、イスラエル共和国以外の国に住むユダヤ人のことです。
まもなく人口比率で、イスラエル・ユダヤがディアスポラ・ユダヤよりも増加するということで世界に散っているユダヤ人が問題にしております。

このディアスポラ・ユダヤのお金が中共に回るわけです。当然「華僑資本」とも結びつくでしょう。これが中共の強さの秘密かも知れませんね。
トランプ政権のイヴァンカ女史はイスラエル系ユダヤ教徒です。中共と結びついているキッシンジャー氏はディアスポラ・ユダヤ系の重鎮です。
これだけでトランプ政権がこれから何を目指しているのかが判りませんか?

マティス国防長官は対中戦略として、「新しい軍事技術で中共を封印していく」と述べましたが、その新技術もユダヤ系列からどんどん中共に漏れてしまえば何もなりません。
それをイスラエルを使って食い止めるつもりかも知れません・・・よくわかりませんけど。

一帯一路で陸上を取られ、パナマ運河で太平洋を抑えられ、そして宇宙も抑えようとしている中共の世界戦略です。日本はどうしたら良いでしょうか。
まだ残っているものが一つ・・・それは海底のその下(地下)です。そこに鉄道を張り巡らせることはいかがでしょうか。
先ず日本は、沖縄までの新幹線計画を立てて見るべきではないでしょうか・・・

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