2016年4月24日日曜日

豪の次期潜水艦、日本敗れる

オーストラリアが検討していた次期潜水艦に、日本の「そうりゅう型潜水艦」は採用にならなかった模様です。
まだ最終段階ではないとのことですが、豪公共放送は「ドイツとフランスに絞り込み、日本を除外する決定を下したもようだ」と伝えております。

これに対して菅官房長官は「報道は承知している。具体的な決定時期は豪政府が決定するものであり、日本政府としては現時点で答える立場にない」と述べました。当然ですね。

今年1月にアメリカ政府が「次期潜水艦の共同開発相手選定で日本が選ばれなければ、日本案に反対する中共が外交的に勝利することを意味する」という見解を出しております。
もっとも日米豪による中共封じ込め作戦は前首相のアボット氏との取り決めでした。昨年9月に与党・自由党の党首選挙に敗れてしまい、親中共のマルコム・ターンブル氏に首相の座を明け渡した時点で、この日米豪による中共封じ込め作戦は崩壊していたのかも知れません。

なぜアボット氏が負けたのかはよく判りませんが、オーストラリアが資源供給国として中共の影響下にあることは我々も知ってはおりました。
それだけ中共はオーストラリアの経済界、政界に深く入り込んでいると見た方が良いでしょう。ターンブル首相はラッド元首相と同じ親中共の政治家のようです。

そのターンブル首相は今年3月になって、アメリカ海兵隊が南シナ海をにらんで駐留するダーウィンの、港湾の全施設を中共の企業に99年間貸与する契約を交わしてしまいました。
これでアメリカの南シナ海制圧作戦がとん挫してしまうことは間違いないでしょう。早急に作戦を組み替える必要があったはずです。

南シナ海の人工島とダーウィン港の間には、赤道を挟んでインドネシア、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナムがあり、各国とも南シナ海の国際法無視の中共のやり方には腹を立てております。オーストラリアだけがこの問題とは関係がないわけですね。
インドネシアを切り崩そうと、中共は新幹線システムの契約をむりやり「ダンピング商戦」で日本から奪い取りました。しかし、もしその計画が頓挫すればインドネシアは反中になって行くことが予想されます。

オーストラリアは元英領ですが、貴族政治がまだ残っているようです。ようするに金利で生活をする人たちで、彼らは資源供給を「良し」として中共の経済発展から多くの金利収入を得ることを望んでおります。
このグループが親中共グループとなるのではないでしょうか。
ターンブル首相は弁護士であり、同時に投資銀行家でした。彼の息子は、中共政府のアドバイザーとして活躍していた共産党党員の娘と結婚しているそうです。

オーストラリアの未来を考えれば、やはり高度技術の育成を考慮し経済構造を改革していく必要があると思いますが、そのような考えはターンブル首相には無いようです。オーストラリアは何時までも資源供給国で良いと思っているのでしょうか。

昨年の12月に中共よりも先に日本を訪れていますが、南シナ海問題などには一切口をはさんではおりません。日米豪の作戦を引き継ぐような素振りを見せながら、3か月後はダーウィン港を中共の企業に約5億豪ドル(約430億円)という安い価格で99年間も貸与してしまいました。

ここまで露骨に親中振りを見せつけられると、もはや二と米豪のトライアングルは崩壊したと見た方が良いように感じます。
さて、問題の時期主力潜水艦から日本を外した理由について、豪州政府担当者らは、「入札で日本側に熱意が欠けていた」ことを懸念したということでした。
聞きようによっては賄賂が足りないと言っているようにも聞こえますが・・・

潜水艦製造に関して、どこまでオーストラリアの労働者を使ってくれるかという問題もありました。労働組合対策というやつです。
これに対してフランスが大きく譲歩したとも噂で聞きます。しかし最新鋭の軍艦の製造に中国人労働者なども入れて製造することが良いのでしょうか?

このような状態ですと、日本の高度潜水艦技術をオーストラリアに提供すること自体が危険でもあります。
全てが中共に筒抜けになる可能性が高いからです。
このような事を考慮すれば、むしろ日本は入札から自主的に降りた方が国際的にスタンスをはっきりさせることになるのではないでしょうか。

そしてもし、フランスの潜水艦に決まれば、中共の通常型潜水艦がフランスの潜水艦と同程度の能力になることを考慮しなければなりません。(ドイツに決まっても同じことです)
この点を踏まえ、我が国はさらに高度な潜水艦技術の開発が必要になってくると言うことです。
潜水時間をもっと伸ばしたり、静寂性をさらに高めたり、偵察センサーの高度化なども必要でしょう。さらに静寂の攻撃兵器なども開発すべきではないでしょうか。南シナ海からダーウィン港までの海底で、長時間の情報収集が余儀なくされるかも知れませんからね。

仮想敵国・中共に汚染されたオーストラリアは、しばらくの間は軍事的協力関係は断っておいた方が良いように思います。

日米豪のトライアングルは諦めて、台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシア、そしてインドとの間で中共封じ込めを検討した方が、安全保障にとって有効なのではないでしょうか。

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