再生医療のSTAP細胞論文を著いた小保方晴子氏(32歳)が、その後「虚偽の論文」であるとして非難され、すべてを失ってしまったことはご記憶の通りです。
しかし、その後の理化学研究所の発表や、小保方氏に対する執拗な非難が、どう考えても学会における「間違い」の指摘というよりも、まるで魔女狩り的な異様さがあったような、そんな事件でした。
今年になって、小保方氏は本を上梓しました。「あの日」というタイトルの付けられた、STAP細胞をめぐる彼女の目から見た経緯を書いた本です。
しかし、この本に対しても非難が浴びせられます。関西でのワイドショーなどでは、落語家の桂南光さんが「まだゆうてんのかいな、読みたくもない。手にも取りたくない」などと発言。
また、精神科の片田珠美氏は、「小保方氏はパラノイア(空想虚言症)」と診断したりしています。理化学研究所は、小保方氏に対して「印税に心を売ったのか」と憤怒の声をあげておりました。
これらの小保方氏への反論を読んでも、STAP細胞があるのかないのか、その核心にはあまり触れておりませんでした。
確かに小保方氏の本は、身の潔白を証明しようとしたり、自分の再生医療に対する思いを綴っておりますが、その上で、それでも「STAP細胞」は存在するということを変更してはおりません。
理化学研究所の最終報告には、「STAP細胞はES細胞であった可能性が極めて高く、それも故意にES細胞を混入してSTAP細胞なる細胞を捏造した疑いが濃厚である」という結論を述べておりました。
しかしこれは疑いであって確証ではないわけです。
当事者の小保方氏は、その本の中で「ES細胞を使って捏造したものにしようとしている」と、異議を唱えております。
この理化学研究所の最終報告に対して、神経内科医である西岡昌紀氏は、STAP細胞9つの疑問として、
1) ES細胞でSTAP細胞を捏造できるのか?
2) 小保方氏は、胎盤形成を予想したのか?
3) 小保方氏はES細胞を混入する必要があったか?
4) FACSは役に立たなかったのか?
5) ES細胞を若山教授の培養条件で生存させることができたのか?
6) 小保方氏はどのようにしてES細胞を入手したのか?
7) 「遺伝子解析」は妥当だったのか?
8) 検証実験は本当に失敗したのか?
9) TCR再構成に関するゲルの加工は小保方氏の意向だったのか?
という項目を挙げておられます。
内容は専門的なもので、私にはよく判りませんが、6番当たりの問題は何かサスペンス・ドラマのようでもあります。
ES細胞は若山研究室で管理されていました。ところが、「それが小保方氏の研究室の冷蔵庫にあった」とNHKスペシャル(7月27日放送)は伝えました。NHKスペシャルでは、若山研究室にいたことのある元留学生を匿名で電話に登場させ、その留学生に「なぜ、あの細胞がそこ(小保方さんの研究室)にあるのか分からない」という趣旨の発言をさせています。
何しろ捏造報道で有名な「NHKスペシャル」ですし、わざわざ元留学生に匿名でしゃべらせたと言うのですから疑問が残って当然ですね。
時は流れて、もうSTAP細胞は人々に「不愉快な事件」として忘れ去られようとしておりました。
ところが、3月31日、その小保方氏が再び声を上げたのです。
それはインターネットを使った兆戦でした。ホームページを使ってSTAP細胞の作製手順や理研による検証実験の内容を公開するホームページを開設したのです。
全文が英語であり、トップページには3月25日付で小保方氏の名前とともに「他の研究者がSTAP細胞を実現してくれることを希望し、作製手順を公開する」との説明が書かれているとのことです。
https://stap-hope-page.com/
万能細胞とは、そこに遺伝子を注入して人体のどの部分でも作ることが出来るという夢の細胞です。しかしある意味では「悪夢の細胞」と呼べるのかも知れませんね。
人体の複製が出来てしまうのではないか・・という悪夢です。また、「永遠の命」という宗教的観念が、STAP細胞によって物理的に可能になってしまう恐ろしさもあるでしょう。
この細胞の存在を人類から隠すこと・・それが根底にあれば、小保方氏の敵は全ての宗教的団体なのかも知れません。
それならば、STAP細胞は無かったことにするという陰謀も判らなくはありません。
しかし、この人類の希望を横取りしようとするグループが動いていたとすれば、それは反人類的な活動ですから、すぐに辞めてもらいたいものです。
人類はいつまでもこの地球に留まる生命ではないかも知れませんからね。宇宙への展開を考えれば、万能細胞の研究は継続していなければならないのです。
そして、それが「夢の細胞」にしろ「悪夢の細胞」にしろ、開けられたパンドラの箱の蓋は、もう閉められないのですよ・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿