2014年12月11日木曜日

安倍首相vs.財務省の選挙は・・

マスコミには、「自民党300議席以上の様相」と書かれていますが、果たして結果はどう出るでしょうか。すでに不在者投票を済ませた方に聞きますと、「自民党は大丈夫だから他の党に入れた」という人も多いようです。
マスコミが書く記事によって、反対の結果が出る場合も想定しないといけないのかも知れません。
ただ、共産党の躍進が顕著な点と、民主党の衰退が顕著なのはもはや変えられないかも知れませんね。

さて、安倍首相は財務省と決めてはいけない取引きをしてしまいました。それはもちろん「消費税10%」を「2017年4月から経済状態にかかわらず実施」という約束なのです。
そして安倍首相は選挙演説の中でも、「消費税はデフレの今、やるべきではない。1年半先延ばしして2017年4月からは必ず上げる・・・」などと話しております。

では2017年4月にはデフレから脱却できるのかどうか、それは判りません。なにしろこの20年程、自民党がデフレ脱却を行って、成果が出そうになると財務省が足を引っ張り、再び財政赤字に戻すという繰り返しでしたから、もはや技術立国だった我が国のエンジニアの高齢化が進んでしまい若手が育っていませんから、このままだと途上国に転落してしまう恐れも出てきています。
こんなに長く続いたデフレが、あと2年半で解消するのかどうか、ちょっと疑問です。

増税の必要性について、財務省は「財政改善、財政均衡」などの言葉を使い、「借金が1000兆円」とか「国債の暴落」とか「国債の金利上昇」、さらには「財政破綻でハイパーインフレ」などと叫びます。しかしそれらが全て「嘘」であることは多くの国民の知るところです。

「日本国家の借金が1000兆円」という誤魔化しは、「貸しているのは日本国民じゃないか!」という一言でバカバカしい与太話ということが判るはずです。
正確にいうと、日本国民が銀行に預金し、その銀行が国債を買っているという事です。でも預金者がATMを操作した時、「あなたのお金は国債を買ったからありません」などとは決して表示されません。
銀行はATMの中にある現金を支払い、もし現金がなくなれば国債を日銀に売って現金を調達します。日銀はその現金を印刷するだけです。

財務省は、「そんなことではインフレーションが進んでやがてハイパーインフレになる」などと言うかもしれませんが、生産力が国内に無ければ可能性はありますが、国内に生産力があればそんなことはありません。だいたいハイパーインフレとは1年間で物価が100倍以上になることで、それにはどのくらいの通貨が巷に出てこなければならないか・・・、お粗末な議論であることはだれでも判るはずです。

「プライマリーバランスがどうのこうの」とも良く聞く話です。年間の税収と政府出資額をバランスさせろと言う事のようですが、バランスしたら経済が成長しないのではないでしょうか。指標としてのプライマリーバランスは意味があるでしょうが、「そうしなければならない」ことなどまったくないでしょう。

財政赤字を減らす唯一の方法は、経済成長というインフレ政策によって始めて可能になるもので、増税すれば赤字はますます膨らむことくらい勉強した国民なら誰でも知っております。
もちろん安倍首相もご存知です。しかし、財務省は他の省庁に対して「予算の配分権」を持っていて、政府内部に力があります。また企業に対しては徴税権とともに税務調査権を持ち、そこには警察権も含まれていますから「嘘でもなんでもやりたい放題」なのです。

もちろんこの権力は国会議員にも及びます。国会議員は国民から選ばれますが、ゆえに経済の問題には弱い方々も居られます。そこを巧みに突いて財務省権限を拡大したりしています。いわば弱者に付け込む政府内ヤクザみたいなもので、安倍首相も迂闊に動くと失脚してしまう危険性があるわけです。
かつての橋本龍太郎政権でも「消費税5%に引き上げ」で立ち直りかけていた日本経済をぶち壊し、騙された橋本首相が「大蔵省に騙された」と怒って、大蔵省を解体、財務省にしてしまった訳ですからね。
安倍首相はその一部始終を見ていたはずです。ですから「馬鹿になって耐える」ことも知っております。

そうしたらマスコミとか経済評論家から「安倍は馬鹿だ」などと言われてしまいました。得てしてマクロ経済を熟知した経済評論家などがこういう評価をして、それを安倍嫌いのマスコミが誇大に書きまくります。
そうすると「安倍は馬鹿だから私は共産党に入れます」という有権者が出てきます。

安倍首相は選挙演説で「消費税10%は延期しました。2017年4月には無条件でアップします」と何故かしきりに言っています。これが作戦かも知れません。今回の選挙、勝敗ラインを「与党で過半数」と言った意味も解りますね。
この言葉に乗って、共産党は「消費税10%は、先延ばしではなく廃止!」というスローガンを反自民として打ち出しました。安倍首相の誘導に乗ったようなものです。

消費税について、はっきりと言えるのは共産党だけです。他の政党は財務省の「嘘」に騙されて訳が分からなくなっているからです。反自民の票が共産党に流れるようにしているとも考えられますね。

今回の選挙は安倍・自民党が勝つでしょう。どのくらいの議席数かが問題ですが、マスコミの分析の通り300議席以上であれば、憲法改正の議論は進められます。集団的自衛権、秘密保護法も国民の信は下ったと言えます。今後の政権運営はやりやすくなるでしょう。

しかし、2017年4月の「消費税無条件10%にアップ」がやってきます。安倍政権最大の難所です。それまでに自民党内に消費税アップ反対の論陣を張らせて、安倍降ろしをさせることが望ましいのです。
自民内の政権を掛けて消費税アップ反対かどうかの議論で「反消費税法案」が提出されれば、今度は共産党は反対出来ない立場になります。公約ですからね。

その結果どうなるか・・・それは選挙結果の議席数を見なければ判りませんが、政治家というもの、ここまで考えて動かなければ本物ではないと言うことです。
そう言う意味で、財務省は完全に安倍首相に踊らされている・・・のかも知れませんよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿