2014年12月4日木曜日

大敗、馬総統・台湾の選挙・・

世界が注目していた台湾の統一地方選挙です。ここで野党・民進党が圧勝しました。国民党499万票に対して民進党が583万票だったのです。

この敗北に対して、馬総統は「党主席(党首)として最大の責任を負う」と述べて、国民党の主席を辞任することを発表しました。
これで馬政権が打ち出していた台中間のサービス分野の市場開放を目指す「サービス貿易協定」の批准は廃案になるのでしょうか。学生たちが命を懸けて行った「自由への闘争」は実を結びそうですね。

後任を選ぶ主席選は、来年1月中旬までに行うそうですが、傍若無人な中共政府は、また変なことを画策するでしょう。それを織り込んで、負けない対策を打つことが台湾・民進党に課せられた使命ですね。

香港では「雨傘革命」が挫折してきました。中共の命を受けた警官隊が学生を排除し始めたのです。こちらの問題は自由選挙が出来なくされたことでした。
全人代の常務委員会が2014年8月31日に、「行政長官候補は指名委員会の過半数の支持が必要であり、候補は2 - 3人に限定する」という決定を行いました。この指名委員会が親中派が多数で占められることから、「中央政府の意に沿わない人物の立候補を事実上排除する方針だ」として学生運動で抗議が始まったものです。

英国の議員団が中共訪問を予定していましたが、その中のリチャード・グラハム議員(保守党)が香港の民主化要求を擁護した発言をしたことから、中共政府がビザの発給を停止したことで、議員団は全員が訪中を中止したそうです。

グラハム議員は10月下旬に、「英国からの香港返還を決めた1984年の共同宣言で、中共側は言論や集会の自由堅持に合意した」と指摘し、今月25日から超党派グループの一員として上海訪問を予定していたそうです。一国二制度を守れと言うつもりだったのかも知れませんね。
在英中国大使館側は同議員に対してこの発言に関する説明を要求したそうです。
議員団側は、グラハム議員への説明要求を容認できない内政干渉だとして訪中を中止したと言う事です。

そして今回は、一国二制度を守れない中共に対し、台湾が「激怒の選挙」を行ったとも言えるのではないでしょうか。
中共は台湾に対して香港モデル(一国二制度)を示唆しながら「台中併合」を働きかけておりました。馬英九氏が国民党で総統になったのも、この「台中併合」を進めるためだったはずです。
しかし、中共側が一国二制度など守れるはずもなく、馬政権は任期2年を残してレームダック化するようです。

これで台湾独立に弾みがつくのではないでしょうか。中共政府の民進党に対する態度は、「台湾独立の理念を放棄しなければ、相手にしない」というスタンスだったようですが、今回の選挙結果で、2016年の総統選では民進党が勝利する可能性が高まったのです。

この6月に台湾を訪問した時、ある方が「今度の統一地方選挙は大丈夫」と話されておられましたが、それが本当だったことを裏付ける選挙結果だったのです。
しかもこれで馬英九総統が国民党党首の座を開け渡すところまで来てしまったのですから、もはや習近平国家主席との首脳会談は不可能になってしまいました。

東シナ海で中共が「棚上げ論」を展開していたのは、台湾があってのこと。台湾を併合すれば尖閣は奪えるという計算があったからだと思います。
しかし今回の選挙は、この思惑も遠のかせております。すなわち今後尖閣諸島に中共がさらなる漁船団を送り込んでくる可能性が強まったわけです。

日本は安倍政権に対する「信任の是非を問う選挙」の真っ最中です。この選挙で安倍政権が揺らぐと中共は一気に尖閣を核として日台を分断する戦術に出てくる可能性が大きいと思います。
しかし安倍政権が盤石になれば(つまりあと4年の政権確保が出来れば)、2年後にアメリカが大統領選挙になるわけです。
共和党の大統領であっても、あるいはヒラリークリントン氏であっても、アメリカの対中政策は見直されることでしょう。台湾には新政権が誕生していますし、当然台湾政策も変わると思います。
それまでの2年間、安倍政権は憲法改正を進めて行けますし、ともかく集団的自衛権は法的にも行使可能になっているはずです。

すでに来年の日米豪の共同演習も決まっており、あとは安倍政権がこの選挙を乗り切ることだけが中共対策の核になってきたようです。
中共側は、「(尖閣について)日本があれこれ言う資格はない」と言ってきました。台湾に見習って、はやく資格があると言われるようになるべく、頑張らなければ・・・

注)「日本があれこれ言う資格はない」と言うのは、日中友交で多額のバックペイを受けただろ、お前たちは・・という意味ではないでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿