2014年3月13日木曜日

検証すれども見直さず・・安倍政権

慰安婦募集の強制性を認めた「河野洋平官房長官談話」に対して、安倍政権では「政府は継承の立場」ということを、菅義偉官房長官の記者会見で発言しました。
過去のすべての内閣の取ってきたものと同じとする発言で、さっそくアメリカが「近隣諸国との関係改善に向けた前向きな一歩だ」などと評価しました。
朴政権は、このチャンスに日本との外交的修復に努力すべきだと思うのですけどね・・・

しかし、これまでの「継承の立場」と異なるところは「検証は必要だ」としているところです。そして菅氏は「談話の継承と検証に矛盾はない」として韓国の指摘を押え、検証作業はさらに進めていくことを明言しました。
検証作業が必要であることの説明には、当時官房副長官として事務方の責任者だった石原信雄氏が2月20日の衆院予算委員会で、作成過程で日本と韓国との間ですり合わせがあった可能性を指摘し、「石原氏は韓国に配慮する形ですり合わせが行われたのではないかと推測した。どのような形で行われたかどうかを含め、さすがに検証する必要がある」としました。

「検証」とは、「真偽を確かめること。事実を確認・証明すること」であり、「推理・推測などによらず、現場の状況などを調べて証拠資料を得ること」です。
ですから検証の結果、「河野談話は間違い」という結論が得られる場合もあるということで、そのような結論が出てから「見直すことを検討しても良い」という段取りになります。それまでは「河野談話の継承」が日本政府の立場となるわけですね。

つまり、河野談話は発表された時点では、日本政府は韓国に対し「謝罪」しましたが、その後石原信雄氏の発言などが新事実として出てきたので、検証作業を進めていくと言うことです。
これまでの日本政府の立場と、韓国政府の立場を担保し、しかし新しい証言が出てきたために検証作業を進めるという上手な言い方です。(日本のサヨクは焦っているようですが)

そして菅官房長官は、「確認作業はきちんと行っていきたい。すり合わせが行われたのではないかとの証言があったので、極秘の『検証チーム』をつくって行っていく」と述べ、検証が極秘裏に行うことも発表しました。
すり合わせがあったかどうかは、韓国側の人物にも問い合わせなければいけない問題で、それをオープンで行うと、韓国側が「親日的」としてその人物を攻撃しますから、極秘裏に行うわけですね。
公明党や野党側が「河野談話の検証は必要ない」などと言っています。彼らを押えるためにも「極秘検証」が必要なわけです。

これによって、グランデールに建造された従軍慰安婦の像での「日本いじめ」に対して、日系人は「現在は検証作業中であって、現時点では真実かどうかの結論は出ていない」と言えるようになったと思います。
まだまだ「日系いじめ」は続くでしょうが、「現在は検証中である」ということで突っぱねるようにして頑張って欲しいですね。

アメリカで「従軍慰安婦(セックススレーブ)などは無かった」と述べてみても、「しかし日本政府は謝罪し、しかもお金まで払っているではないか」と切り返されるそうです。
今まではこれで日本側は絶句せざるを得なかったのですが、これで「新証言が出て、現在は検証中だ」と言えるようになったのではないでしょうか。

「日本維新の会」の国会議員などが、「河野洋平官房長官談話」の見直しを求める国民大集会を東京や千葉県で行っています。
しかしそれは、検証結果が明確に出てから行うべきことではないでしょうか?
今はこの「検証作業中(検証すれども見直さず)」をアメリカ、欧州などに認識させ、安倍政権がやりやすくなるようにバックアップすべきなのでは?

グランデールでは「従軍慰安婦の像・撤去訴訟」が行われております。これはアメリカ国内の法律(基本法)に対して「違法行為」の疑いがあるということで行われた訴訟で、アメリカ国内の問題として進められる裁判です。
訴えたのは、南カリフォルニア大学元教授の目良浩一氏(80歳)と、「歴史の真実を求める世界連合会(GAHT)」の水島一郎氏です。

アメリカの訴訟ですが、問題が問題だけに日本側からの情報支援が必要で、それには外交評論家の「加瀬英明氏」が行うそうです。
従軍慰安婦を虚偽とする情報はいっぱいあるそうですが、何しろ皆日本語で、それを裁判の為に英訳しなければならず、その費用が膨大になると述べております。
GAHTでは、その費用を「寄付で集めたい」としておりますので、皆様には是非「ご寄付」の協力をお願いします。(寄付する人数が多いことは、アメリカ国民に響くようですからね)

訴訟内容は、「外交問題を、連邦政府ではなく州議会が行ったことは憲法違反になる」というものです。
韓国側は、「これは外交問題ではなく人権問題だ」と切り返してきているようです。これまでですと、「日本政府も認めた人権問題」となりますが、今は「現在検証中」ということで、「検証内容は外交上の問題である」とすれば「従軍慰安婦問題は外交問題」になるのではないでしょうか。

「検証すれども見直さず」は安倍政権の知恵者が編み出した、実に見事な方法ではないかと思います。

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