台湾の蔡英文総統が、日台の安全保障・サイバー対話を呼びかけ安倍晋三首相の政治決断を求めたと言うことです。
産経新聞が行った蔡英文氏のインタビューで述べられたもので、米中新冷戦を冷静に見つめる蔡総統の発言は、なかなか重みがあります。
蔡総統は、「この機会に安倍首相に感謝したい。台湾への多くの支持や思い切った決定に感謝する」と切り出しております。
それは台湾が中共の圧力で世界保健機関(WHO)や国際民間航空機関(ICAO)総会へのオブザーバー参加が拒否された際、日本政府が台湾への支持を表明したことや、かつて中共の反発を懸念して明記してこなかった双方の窓口機関の名称に「日本」「台湾」を加える変更をしたことなどが評価されのだろうと言うことです。
その上で環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への加盟についても「安倍首相の強い支持を期待する」と述べましたが、安全保障分野での日台の直接対話は、日本側にとりハードルが高いことを懸念し、「法律上の障害を克服してほしい」と述べたそうです。
アメリカには「台湾関係法」や「台湾旅行法」があって台湾への武器供与や要人の相互訪問が可能になりましたが、日本はアメリカの様に行かないことが蔡総統にとって安全保障上の問題点と映っているようです。
安倍政権は経済分野での日台協力には積極的ですが、安全保障の分野では冷たいようです。
昨年中共を訪問した安倍首相は、習近平国家主席らと会談し、防衛相・国防相や艦艇の相互訪問を含む防衛当局間の交流・対話の推進などに合意し、外務・防衛当局間で「日中安保対話」を今年2月に北京で開催しております。
これは対話と言う名目になっていますが、アメリカからの軍事情報が入らなくなりそうな中共にとって、中共の毒が回っている日本なら容易に軍事情報の収集が可能と考えた結果の罠だと思います。
アメリカの軍事機密が、日本の防衛省を経由して中共に筒抜けとなればアメリカが日本に対してどのような圧力を掛けて来るかは目に見えております。
日本は米中の間で、現在は又裂き状態にあることを忘れてはなりません。
中共の毒が回っているマスコミや一部の政治家がこの「日中安保対話」を成功させたのでしょうが、これに対して親米の政治家や企業はなぜ抵抗を示さないのでしょうか。
そこには社会主義と資本主義という2極構造に対し、さらにグローバリズムと反グローバリズム(国家主義)の対立が加わっていることを意識しなければ解らないようです。
アメリカはグローバリズムを推進した結果、国力が落ちて労働者が悲惨なことになり、そこにトランプ大統領が反グルーバルを掲げて登場したわけです。
ですから米中対決と言うのは中共というグローバリズム(それは中華思想ですが)と、トランプ政権の反グローバリズムの衝突なのだろうと思います。
技術の盗作と言いますが、アメリカのグローバリスト達は様々な軍事技術を敵対国などに流しています。こうして世界を不安定にさせ、常に戦争を起こすのは国家主義者であるかのような印象操作をしているわけです。
現在の日本は、このグローバリストと中華思想が混ざって判りにくくなっています。恐らく中共の攪乱で判らなくなってしまったのでしょう。
中共の李克強首相などが「中共は自由貿易の推進者だ」などと言えるのはこのためだと思います。
グローバル経済は各国すべてのオープン化ですが中華思想は他国のオープン化で自国は閉鎖するという利益独占という考え方です。
アメリカのグローバリスト達は中華思想との区別をしているようですね。ですから民主党も反中になっているのでしょう。
日本の政治家はそこら辺がまだよく判っていないようで、また企業人などにも理解されていません。ですから「中共と心中しても良い」などという日本企業の経営者も出てきているとか。
台湾の蔡英文総統もこのグローバリズムと中華思想の区別は出来ているようです。ですから挑発をしないように注意深く安全保障を考え、そして日本との連携を模索しているのだと思います。
安全保障に関して鈍感な我が国の政治家達を生んだ原因は、日本国民の安全保障に関する無関心さにあります。自分達が似非平和憲法に騙されていることを認識しない限り、アメリカどころか台湾からも見捨てられることになるかも知れません
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