2019年3月12日、最高裁第3小法廷で山崎敏充裁判長は、放送法64条の「受信設備を設置した者は受信契約をしなければならない」という規定の「受信設備」には「携帯電話」も含まれるという判決を出しました。
この訴訟は2件あり、1件目は埼玉県朝霞市の男性が起こした訴訟で、1審さいたま地裁は、放送法64条は「受信設備を設置した者は受信契約をしなければならない」という受信設備に、携帯電話(ならびスマホ)は含まれないとの判決を出しております。
もう1件は、1審東京地裁、2審東京高裁のいずれも携帯電話を受信設備と認め、支払い義務はあるという判決を出しております。
この最高裁の決定について、NHK広報局は「主張が認められた妥当な判断と受け止めている」とのコメントを出しました。
受信機の設置がどのような状況でなされるのか、またその受信機がテレビ番組を見ることが目的ではなく設置されたものであるにもかかわらず、そこにNHKから望まない電波を供給してきて、「受信料を払え」と言うことがはたして公正な課金と言えるのかどうかは、全く議論されておりません。
NHKの受信料は、ひとつの住居に2台以上テレビを設置していても、受信契約は1件で良いことになっております。
しかし単身赴任の方やひとり暮らしの学生の方は、それ自体が本宅や実家とは別の世帯になりますので、それぞれに受信契約をしなければなりません。では、携帯電話(スマホ)はどのようになるのでしょうか。
これはオーナードライバーの自動車にも言えます。家庭内で自動車の搭載されたテレビを観る場合は無料ですが、例えばどこかへ出かけて3カ月以上自宅の戻らない場合で、NHKを見たら受信料を払わなければなりません。
受信設備が移動体に設置された場合どうするか、それをこの法律は考慮していない為に起きる解釈でどうにでもなる法律になってしまったわけです。
つまりこの法律が出来た時、自動車のテレビが付くことも、個人が受信設備を持ち歩くことも想定されていないからです。
困ったNHKは平成21年2月から「家族割引」と称して「同一生計の複数の住居がある場合」に拡大するとともに、割引額も放送受信料額の33%から50%に拡大しています。
では「同一生計の複数の住居」のどこでもNHK受信料を払っていない人に対してはどこで課金するのでしょうか。
親元などから離れ、奨学金を受けている学生に対しては「奨学生等免除」という制度を作り全額免除とすることが平成31年2月より始まるそうです。
平成28年度に「インターネットサービス実施計画」という計画書が作られています。これには「受信料を財源とするサービス」と「有料で行うサービス」の2つに別けて今後のサービスの計画をまとめていますが、受信料を財源とするサービスで「一般の視聴者に提供するサービス」というのがあります。
テレビで放映した番組をインターネットでも流し、これを持ってスマホ所有者からも受信料を取り上げようと言う企みはここから発生しているようですね。
こうしてスマホでも受信できるようにしておいて、裁判で勝利してきたわけです。
スマホを持っているかどうかをNHKはどうやって知るのでしょうか。スマホの契約情報を通信サービス会社に提出させる権限があるのでしょうか。それとも個人に対して監視と身体検査を行うのでしょうか。プライバシーの問題は発生しないでしょうか・・・
スマホの契約時に、NHK受信料を電話料金と合わせて徴収すればこのような問題は無くなります。自宅で支払っている場合はその受信料領収書をスマホ契約時に提示すれば良いわけです。その他、さまざまな割引とか免除についてもスマホ契約時にチェックするようにすれば、監視と身体検査などの人権侵害行為はやらずに済みます。
そしてスマホ販売の側は、NHKが受信できない機種(NHKの受信設備とはならない機種)を出し、その受信料同時徴収を行わず、安い契約料になるようにすればよいのではないでしょうか。
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