2019年3月2日土曜日

決裂・米朝首脳会談

2月27日から28日にかけて、ベトナムのハノイで行われていた米朝首脳会談は、「最終的かつ全面的に検証された非核化」が達成できないとして物別れに終わりました。

トランプ大統領は記者会見で「建設的な2日間だった。しかし、ときには立ち去らないといけないときもある」と会談の内容を話しております。
北朝鮮の李容浩外相は、「北朝鮮側は寧辺の核施設廃棄と引き換えに国連制裁の一部を解除するよう現実的提案をした」と述べました。

つまり北朝鮮側は、「寧辺の核施設廃棄したので、その分国連制裁の一部を解除しろ」とトランプ大統領に迫り、トランプ大統領は「冗談じゃない。すべての核施設を解体し、再生不可能なことを国連監視団が確認するまでは駄目だ」と述べたのでしょう。

これだけで会談は平行線になります。北朝鮮側はおそらく寧辺の核施設廃棄のところだけは監視団が来てもいいように整備していたのかも知れません。つまり北朝鮮側には「核の廃棄」はする気はまったく無く、寧辺の核施設廃棄だけでごまかそうとしていることは、子供だましの茶番でトランプ大統領どころか我々一般国民もすぐに見抜ける嘘です。

北朝鮮はアメリカを舐め切っているのではないでしょうか。こんなごまかしの会談を用意してハノイにまで向かったのでしょうか。

マスコミは「楽観ムードが一転した」と書いているようですが、これは北朝鮮はマスコミまでは騙せたことを物語っているように感じます。
しかしアメリカの大統領までは騙せなかった。アメリカは常に北朝鮮を監視しています。衛星やステルス偵察機(スカイフォークなど)のカメラは騙すことが出来ません。
ですから北朝鮮の核施設やミサイル開発がどこで行われているかについては知っているのだと思います。

北朝鮮側はこのような事を無視して、寧辺の核施設を華々しく爆破して見せ、これで制裁を一部解除してくれると考えたようですね。朝鮮半島の駆け引きではありませんから、そんな駆け引きは通用しないと言う事を今回ははっきりと認識したのではないでしょうか。

李容浩外相は、「トランプ大統領が『寧辺の核施設廃棄だけで制裁をすべて解除しろ』ということは呑めないと述べたのは嘘で、われわれは一部制裁解除を要求した」と述べ、交渉決裂の責任は金正恩朝鮮労働党委員長ではなくトランプ大統領側にあると思わせるような発言をしておりますが、おそらく最初は全面解除を要求し、それがダメと判ったら北朝鮮側が
一部解除に持って行ったのでしょう。

このような訳で、米朝会談は決裂という結果となりました。北朝鮮がここまでアメリカをなめてかかったのは、もしかすると韓国の文在寅大統領のアドバイスがあったのかも知れませんね。

韓国は事実よりも思い込みで動く国です。現実を見ようともせず、アメリカは北朝鮮を取り込む考えだから交渉はうまく行く・・とでも思ったのでしょうか。
だから北朝鮮もその気になったのではないかと・・・

そうであれば、おそらく金正恩委員長は文在寅大統領に対して怒っているはずです。もしかしたら刺客が韓国に入り込むかも知れませんね。
今後の韓国・北朝鮮の関係を良く見ていきましょう。

トランプ大統領は北朝鮮との対話は続くとして、今後も核廃棄の鉱床は続けると述べています。もちろんその理由は、決裂で一番喜ぶのは中共だからです。
米朝関係はまだ話し合いの中にあることで、対中対策になるからです。

今回の会談で、トランプ大統領は北朝鮮の可能性は大きいと述べました。そしてハノイの発展を見て金委員長も解るだろうと考えたのかも知れません。
そしてその資金は核問題が解決したら中共、韓国、そして日本が金を出すと述べております。

しかし中共の経済は苦しく、その原因の一端はトランプ大統領が握っていますし、韓国の経済もかなり悪化しています。
つまり資金が出せるのは日本だけという現実もあるわけで、その日本が資金を出す条件として「拉致事件の全面解決が条件」ということになっているわけです。

これらを考えれば、北朝鮮も韓国も今後ますます追い詰められていくでしょう。国連の制裁監視は今後も続き、それを大義名分として英国やフランスも南シナ海、東シナ海へ海軍を派遣し出しています。

対話と圧力の効果はこれから出始めるような、そんな気になる米朝首脳会談でした。
そしてここにもう一つ、金正恩政権に反旗を翻す団体が「自由朝鮮」として臨時政府を立ち上げました。金正恩委員長に殺害された金正男氏の息子を擁護してきた団体と言うことです。
この背後に居るのはアメリカなのか、それとも中共か、朝鮮半島はますます混乱の度を高めていきます。

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