考えてみると、ブッシュ元大統領が行ったイラク戦争の付けは大きかったようです。アメリカの若者が出来るだけ死なないように、新兵器をふんだんに使ってフセイン大統領を追い詰め殺しました。しかし事態は悪くなっただけで、莫大な借金がアメリカを襲いました。
イスラム国が台頭し、戦費調達に使ったサブプライム・ローンがアメリカ経済を直撃してしまったからです。
ITなどを駆使した新兵器がいかに高いか、それは超大国の経済を締め付け、奈落に落とすほどのものだったわけです。
アメリカは必死にデフレ化を防ぎ、失業率を下げようとしました。政策が間違っていたとは思えません。しかしお金は富裕層に集まり、多くの中産階級の暮らしは楽になりませんでした。
企業が利益を出しても、その利益が配当金に回ってしまい給料にあまり回らなかったからでしょう。それが反ウォール街を生み出し、その結果が泡沫候補だったドナルド・トランプ氏とバーニー・サンダーズ氏の支持となって表れたのです。
一人は「暴言候補」でもう一人は「民主社会主義」という正反対の主張ですが、そこには反ウォール街という明確な共通点があるようです。
今日は3月1日です。いわゆるスーパーチューズデイと言って多くの州で候補者選びがなされます。ここでトランプ氏・サンダーズ氏が勝利すれば、この2人の対決となることは間違いないでしょう。
クリントン氏がサンダーズ氏と競っていますが、クリントン氏が民主党代表となっても、トランプ氏に勝てるかどうかは判りません。
大統領選挙は11月ですから・・・
スーパーチューズデイを前にして、アメリカ国内でもエスタブリッシュメント当たりは焦って来たようです。CIAの元長官ヘイデン氏などは、「実業家トランプ氏が軍最高司令官である大統領に就任した場合、米軍は命令に従わないだろう」と発言したりし始めました。
トランプ氏の発言が、テロ容疑者に対し「水責め」などの拷問にするとか、テロリストの家族の殺害も必要などと盛んに発言していることに対するものです。
トランプ氏は一種のカリカチュア的な発言を繰り返し、一般大衆の人気を得ているようです。アメリカの政治はこれまでWASPとかウォール街の要人がキーマンになってきました。彼らがある候補を応援し、その情報に従って一般国民が選択をしてきたわけです。
現在もそれが行われていて、その関係者は「民主党はクリントン氏、共和党はルビオ氏になっている」と述べております。
しかし、インターネット時代の選挙はもうこのような常識が通用しなくなってきたようです。
トランプ氏は過激な発言でボランティアを集め、ネットによる支持者集めが功を奏しているように感じます。オバマ大統領の時もそのような演出がなされておりましたが、オバマ氏は結局従来のように本当はウォール街のキーマンたちが応援していたことがバレています。
今回ちょっと違うのは、トランプ氏は不動産事業で稼ぎまくったらしく、資金が豊富にあったことです。つまりネット献金で集めるようなお金が無くても、ウォール街の支援が無くても、彼の財力ならば莫大に費用が掛かる大統領選挙戦を戦い抜けるというわけです。
トランプ氏が評価され、共和党候補としてトップにあることに、京都大名誉教授の佐伯啓思氏は「これはアメリカの反知性主義であり、トランプ氏はそのように振舞っている。そして『反知性主義』こそ、アメリカ社会のひとつの伝統であり、大衆の期待するところなのだ。」と論じています。
人類の未来が「野蛮」になってきたことは薄々感じていました。まずは中共の台頭、そしてイスラム国、欧州ではギリシャの金融危機、そして北朝鮮の、気に入らなければ殺してしまう首領の存在などです。
佐伯啓思氏は、「トランプ現象のなかにわれわれはアメリカ民主主義の現実をみている。ここにあるのは理性的な討論などではなく、伝染性の情緒や勢いといった『反知性主義』そのものだが、しかし、それを民主主義の逸脱形態と呼ぶわけにはいかないのである。」と解説しております。
アメリカの民主政治が衆愚政治に陥ってしまえば、他の民主政治国家もそうなって行くでしょう。
そしてそれがデフレの持つ本当の怖さかもしれませんね。
ITなどを駆使した新兵器がいかに高いか、それは超大国の経済を締め付け、奈落に落とすほどのものだったわけです。
アメリカは必死にデフレ化を防ぎ、失業率を下げようとしました。政策が間違っていたとは思えません。しかしお金は富裕層に集まり、多くの中産階級の暮らしは楽になりませんでした。
企業が利益を出しても、その利益が配当金に回ってしまい給料にあまり回らなかったからでしょう。それが反ウォール街を生み出し、その結果が泡沫候補だったドナルド・トランプ氏とバーニー・サンダーズ氏の支持となって表れたのです。
一人は「暴言候補」でもう一人は「民主社会主義」という正反対の主張ですが、そこには反ウォール街という明確な共通点があるようです。
今日は3月1日です。いわゆるスーパーチューズデイと言って多くの州で候補者選びがなされます。ここでトランプ氏・サンダーズ氏が勝利すれば、この2人の対決となることは間違いないでしょう。
クリントン氏がサンダーズ氏と競っていますが、クリントン氏が民主党代表となっても、トランプ氏に勝てるかどうかは判りません。
大統領選挙は11月ですから・・・
スーパーチューズデイを前にして、アメリカ国内でもエスタブリッシュメント当たりは焦って来たようです。CIAの元長官ヘイデン氏などは、「実業家トランプ氏が軍最高司令官である大統領に就任した場合、米軍は命令に従わないだろう」と発言したりし始めました。
トランプ氏の発言が、テロ容疑者に対し「水責め」などの拷問にするとか、テロリストの家族の殺害も必要などと盛んに発言していることに対するものです。
トランプ氏は一種のカリカチュア的な発言を繰り返し、一般大衆の人気を得ているようです。アメリカの政治はこれまでWASPとかウォール街の要人がキーマンになってきました。彼らがある候補を応援し、その情報に従って一般国民が選択をしてきたわけです。
現在もそれが行われていて、その関係者は「民主党はクリントン氏、共和党はルビオ氏になっている」と述べております。
しかし、インターネット時代の選挙はもうこのような常識が通用しなくなってきたようです。
トランプ氏は過激な発言でボランティアを集め、ネットによる支持者集めが功を奏しているように感じます。オバマ大統領の時もそのような演出がなされておりましたが、オバマ氏は結局従来のように本当はウォール街のキーマンたちが応援していたことがバレています。
今回ちょっと違うのは、トランプ氏は不動産事業で稼ぎまくったらしく、資金が豊富にあったことです。つまりネット献金で集めるようなお金が無くても、ウォール街の支援が無くても、彼の財力ならば莫大に費用が掛かる大統領選挙戦を戦い抜けるというわけです。
トランプ氏が評価され、共和党候補としてトップにあることに、京都大名誉教授の佐伯啓思氏は「これはアメリカの反知性主義であり、トランプ氏はそのように振舞っている。そして『反知性主義』こそ、アメリカ社会のひとつの伝統であり、大衆の期待するところなのだ。」と論じています。
人類の未来が「野蛮」になってきたことは薄々感じていました。まずは中共の台頭、そしてイスラム国、欧州ではギリシャの金融危機、そして北朝鮮の、気に入らなければ殺してしまう首領の存在などです。
佐伯啓思氏は、「トランプ現象のなかにわれわれはアメリカ民主主義の現実をみている。ここにあるのは理性的な討論などではなく、伝染性の情緒や勢いといった『反知性主義』そのものだが、しかし、それを民主主義の逸脱形態と呼ぶわけにはいかないのである。」と解説しております。
アメリカの民主政治が衆愚政治に陥ってしまえば、他の民主政治国家もそうなって行くでしょう。
そしてそれがデフレの持つ本当の怖さかもしれませんね。
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