中共の王毅外相が日中関係について「(日本が)中共に面倒を引き起こしている」と述べました。これについて、岸田外相は「2国間関係を推進していくためには双方の努力が重要。対話を続けていくことは重要だ」と述べたとか。
このような曖昧で「双方の努力」などという言葉を使うのでしょうか。「はっきりしているのは、日本の領土である東シナ海『尖閣諸島』を『中共の領土』として艦船を派遣してくる中共が問題なのだ」とはっきり言わないのはどうしてなのでしょうか。
もし日本の言い分に文句があるならば「国際司法裁判所」に提訴するなり、そういう方法を取るべきで、自国の領土は当然だとばかり、艦船を侵攻させようとすることが、面倒を引き起こしているのだ・・と述べるべきなのです。
その上で「南シナ海」の問題も同様で、中共側が「欧米が作った国際法には従わない」とするならば、それは国際法を尊守する各国との間で戦争状態になることを承知の上で行っていることになります。
だから「中共側こそ面倒を起こしている」と言えるわけです。
程永華駐日大使が「日本は南シナ海で緊張を高めるべきではない」とか「日本は(南シナ海問題の)当事者ですらない」と語ったことに対しては、外務省は「日本の石油タンカーなどの航路に当たり、我が国の艦船が海賊などに襲われる危険を防御する責任がある。」として無関心でいることはできない旨を発表すべきではないでしょうか。
これは南シナ海での中共の艦船が日本のタンカーに何らかの妨害を与えた場合は「海賊」として処置する方針を暗に伝える意味を持ちます。
また、中共の最高裁が「尖閣に司法管轄権」と主張する根拠として、平成26年9月に尖閣諸島の近海で発生した中共の漁船とパナマ船の海難事故を、中共の海事裁判所が処理したことを理由にしている点について、「そのことが尖閣諸島の海域での司法管轄権を明確にしたことになるとは考えない」旨を伝えておくべきですね。
中共が打ち出した「国家主権や海洋権益などの核心利益を断固として守る」ための「国際海事司法センター」の創設を行うことについては、現行の国際法に準拠するのでなければ我が国は認めないことも発言したほうが良いのでは?
内閣府の世論調査では、日本国民の対中意識は「中共に親しみを感じない」とする人が83.2%になったそうです。
反中意識がここまで高ぶるのは、やはり南・東シナ海の国際法無視の中共のやり口があるからではないでしょうか。
またその反面、「日中関係の発展がアジア太平洋地域に重要だ」とする人は73.3%に上り、日中関係は悪くても、地域の平和や安定、経済発展などには重要だと、現実的な視点も持っているようです。
中共の反日感情は、華人の価値観の中にある「大きい事こそ正義」という意識にあると思います。何度もこのブログで述べましたが、この価値観は「小さいものは大きな方へ従属する」ことが正義という解釈を持ち、小さいくせに従属しないことは「悪」になりますから、日本文化とはまったく折り合いません。(共産主義とはすぐ折り合いますね)
欧米の価値観は団結力と戦闘能力で決まる正義です。団結力が「パトリオティズム」から派生するものであり、団結力を強めることが正義となります。武器の発展はヘブライ文化から派生しているのではないでしょうか。
「パトリオティズム」は日本の価値観では「愛国心」となり「忠義→正義」を意味します。我が国の身分制度から生まれた「忠義」の価値観は、過去、我が国において多くの矛盾を生み出しました。
高い身分の人が明らかに「悪」を感じる行為に出た時は、忠義はいかにあるべきか・・という命題から、我が国独特の正義感が生まれ、行動する正義としての「道義」が考案されたのでしょう。
「道」とは「人の道」であり、人としてあるべき正義の追及が道義心となったようです。つまり「道」の中には「上と下の行動(義の実践)を一致させること」という意味があり、これが日本文化の「団結力」を強くしているのだと思います。
平安末期から江戸時代に至る長い歴史の中で培われた日本文化の神髄であり、「華道」「茶道」「柔道」「剣道」など、我が国の死生観を形にした様々な表現がなされて行きます。
「大きい事こそ正義」という価値観からは、この「道」という概念は生まれません。ですから中共の国際海事司法センターがどのような価値観を土台にして出来てくるのかは事前に予測できます。そしてこれを日本文化が受け入れられるとは思いません。
中共は、欧米の国際概念と戦っているようです。欧米の価値観もこれは受け入れられないでしょう。しかし、難民や移民問題を見ていると、欧米の正義感が今、揺らいでいるように見えます。
欧米の「揺らぐ正義」に突き付けられた中共の正義(国際海事司法センター)・・・さて、欧米はどのように対峙するでしょうか?
0 件のコメント:
コメントを投稿