2016年3月21日月曜日

略奪型資本主義の顛末・韓国

韓国の若者の内の90%が海外での就職を希望しているそうです。インターネット上などでの統計の結果です。
その理由は、「福祉および勤務環境が整っている」とか「韓国ではこれ以上就職が見込めない」などということのようです。

これに対して、ネット上では「誰も自分の国をよくしようと思わない国って…」「自分がよければ国さえ捨てるのか」など非難の声も上がっているようですが、「若者の国外流出が本当に起きれば、韓国の崩壊につながりかねない」と警鐘を鳴らす識者もいるということです。

韓国経済がおかしくなり始めたのは、1997年のアジア通貨危機からだそうです。国家破産のすれすれのところまで追い込まれ、国際通貨基金(IMF)の支援で命拾いをしたということですが、ここから韓国の社会改革が強いられるようになり、韓国企業は正社員数を減らして契約社員を多用する態勢にシフト、そしてそれが今に至る就職難につながっていったというわけです。

サムスン電子や、LGエレクトロニクス、現代自動車などの企業の正社員となれば高級が期待できますが、これら大企業に就職できる若者は一握りに過ぎず、多くの若者は不安定な非正規労働者か、商業施設の契約社員のような働き口しかないと言う訳です。

大手企業が契約社員に切り替えたのは人件費節約jで収益を株主配当に回すためでしたね。その株主がアメリカの株主たちですから、韓国にとっては何の利益もないことです。米韓貿易協定かなにかで日本よりも先に自由化したことを喜んでいたようですが、自由化の本質はアメリカの利益という仕組みですから、それは韓国の若者にとって悲劇だったわけですね。

日本も韓国どころではないはずです。TPPの基本はアメリカの利益になることだったわけで、金融や投資の自由化とは、日本企業にもアメリカ株主が大量に入り込み、利益を奪取する仕掛けを作ろうとしていたわけです。

批判もありますが甘利大臣は頑張ったらしく、TPPはそれほどアメリカの利益にはならなかったと見えて、怒ったアメリカの金融界やある種の業界が動き出し、やがて甘利氏を不正献金で告発、大臣辞職まで追いやったという憶測も飛び交っております。

そしてアメリカ大統領選挙では、アメリカの利益にならない「TPPへの参加はやめてしまえ」という論調が出てきております。

サムスン電子や現代自動車などに就職した若者にとっても、利益を出すための厳しいコストダウンなどが要求され、やりすぎの品質低下をまねいているようです。
そうなれば業績悪化も致し方なく、このままでは韓国という国家そのものが危機に瀕してしまうことでしょう。

それを見越して、海外に就職先を求める行動に出るのは韓国の国家見殺し行為ではないでしょうか。
本来は大企業の旧体質を打ち破る若手の企業が出てきて、国家経済を盛り上げるのでなければ国家経済は時代を受け継いではいけません。

TPPへの参加を決めた日本。しかしTPPには略奪資本主義の様々な仕掛けが織り込まれています。ですから日本も今後、韓国と同じように追い詰められていくかも知れません。
しかし、日本の若者は海外への逃避行動は取らないでしょう。つまり国内に留まって新たな事業を考えるだろうと思います。

そしてこの新事業は、決して利潤追求型ではなく、労働そのものを目的とした企業体になるのではないでしょうか。
まず「食っていくこと」、そして「和を広げること」となり、そして「技術の向上」を追及して行きます。小さな資本の循環が出来れば、ゆっくりと拡大することを考えるでしょう。
それらの中で、大量生産/販売など利潤追求が可能な事業であることが判れば、大きな資本が寄ってくるかも知れません。そうすればアメリカンドリームなどの「夢が現実」になるかも知れませんが、このような事業の創業者にとって、それはあまり関心がないだろうと思います。

日本の神道・天皇陛下の威光は、小さな資本を受け継いで脈々と収斂された人間の技を褒め称えるものなのです。
爆発的に売れて人々から要求されるような高配当企業を「良し」としない我が国の伝統がここにあるわけです。
そしてこの観念は日本語の中に浸透していて、日本語を母国語とするならば自動的に価値観として個人に定着するものとなっているのでしょう。(最近の日本語と英語の混ざった歌などを聞いていると心配になりますけど)

日本人のノーベル賞受賞者は、ほとんどが地味な研究活動を続けてきた人達です。論文を英語などで書きますから世界が参照するわけで、よってノーベル賞の候補にノミネートされるわけです。
それでも世界との競争で最近は駆け引きもさせられているようですが、でも日本人の矜持は守られているように思います。

韓国の若者の海外就職先としては、米国が26.7%でトップ。次いでカナダが18.5%、欧州が17.2%、オーストラリアが15.2%と続いた。日本は9.3%、中共が6.9%、東南アジアは2.6%となっているようです。
韓国貿易協会は韓国の若者の日本での就職を支援するという事業を、日本の就職情報会社マイナビと韓国の求人情報サイトのジョブコリアと業務協約して始めたそうですね。

しかし日本の事業体は、上記のように母国語(第一言語)が日本語でないと理解し得ないものを持っていることを考えると、単なる労働者としての仕事しか出来ないのではないでしょうか。

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