2015年9月28日月曜日

習主席のアメリカ訪問の失敗

習主席とオバマ大統領の会談について、在米の中国人知識人、程暁農氏は「オバマ氏は対応を誤った」と述べました。
「(非公式協議で)個人としていくら直接訴えても、習氏を動かすことはできない。俗な言い方だが、遊ばれただけだ」と言うわけです。

しかし、今回の米中会談は、経済的に行き詰っている習政権が、アメリカからどのくらいの金を引き出せるか・・だったのではないでしょうか。
出来れば人権問題とかサイバー攻撃問題などをしたくないという考えだったかも知れません。

そのためにボーイング社のジェット機を30機も契約するとか、IT関係の企業に「中共には6億を超すユーザーがいる」などという話をしたわけです。
そして人権問題、領土問題、サイバー攻撃問題については従来の主張を繰り返すだけでした。

習主席は、アメリカと中共が「新たなる大国関係」の構築が継続されており、「世界を両国でまとめていこう」としたかったのではないでしょうか。
しかしオバマ大統領は、米中を分断する従来の主張が、現在も明確に存在し、それは平行線であることを世界に示したわけです。

経済についても、ジェット旅客機30機の支払いが出来るのかどうか、それも判りませんし、アメリカからのIT投資などが今後行われるかどうかも判りません。
南シナ海で中共が進める人工島建設に、オバマ大統領が「重大な懸念」を伝えましたが、習主席は「島々は中共固有の領土である」と反論しただけで、まったく首脳会談の意味をなしませんでした。

サイバー問題をめぐる合意など一定の意思疎通も図られました。しかし、企業秘密を盗まないことを双方が確認しただけで、この確認の実効性は、中共側が具体的な行動をとるかどうかにかかっているという、まったくお寒い結論でした。

南シナ海問題に関しては、オバマ大統領は「南シナ海の大半を領有するという中共の主張に根拠はない。」と主張しましたが、習主席は「島々は中共固有の領土」と反論しただけでした。

ハリス米太平洋軍司令官は、3千メートル級の滑走路3本が建設中で「中共が南シナ海を事実上、実効支配することになる」と議会公聴会で述べました。それでもオバマ大統領は、「米国は航行の自由を行使し続ける」と語ったそうです。(たとえ戦争になっても・・という言葉が隠れているのでは?)

この南シナ海に関する両首脳の話をまとめると、まるで米中の戦争前夜の会談のようにも見えますね。
米国との「新型大国関係」などと習主席は言っていますが、これこそまやかしの平和という「戦争吹っ掛け」です。2大強国が地上に平和共存出来たことは人類史上ありません。それを知っていていかにも平和を望む中共という演出をしている習主席が浮き彫りにされています。

オバマ大統領は、この中共のマヤカシを会談が平行線であることを世界に示すことで、中共の放つ侵略意図をあからさまにしたわけです。

南シナ海には3000メートルの滑走路が1本出来上がりました。対米戦争にはもう少し時間がほしい習政権は、平和という言葉でアメリカから時間稼ぎをしたかったのでしょうが、オバマ大統領はそれを容認しなかったというのが、今回の会談の結果ではないでしょうか。

安倍政権は安全保障法案を可決・成立させました。これで自衛隊がほんの少しは動きやすくなったでしょう。
まだ準備段階にある習政権の人民解放軍。いまのうちに叩き潰すことが、今後の日米同盟の課題であることは間違いありません。

今後始まるのは、中共に対する経済制裁ですが、あえて制裁の手段を取らなくても、勝手に自滅の道を進む中国共産党が主導する経済なのです。
習政権は人民元のSDR組み込みにも躍起です。今回の訪問でもごり押ししたようです。人民元がSDR入りに成功すれば、もうお札を擦り放題で経済危機から脱出できると考えているようです。
そのSDR判定期限は11月中になっているとか。IMFのラガルド総裁は篭絡できているのでしょうか。

日米の軍事的準備の目的は、「自暴自棄になった人民解放軍の暴走に備える」という意味になります。
すでにあちこちで自衛隊やアメリカ軍に対する「挑発行為」ともみられる不誠実行為が、人民解放軍からなされています。
一触即発を演じているのが人民解放軍であることを、日本のマスコミとサヨク政治家は隠しています。でも小さい記事としては出ていますから、お判りの方も多いでしょう。
これはつまり、習政権が人民解放軍を掌握していないことの証だと思います。

華人の爆買いも、一種の自暴自棄になっている華人の集団ヒステリーのようなものかもしれませんね。
いくら今はまだ人民元が使えるといっても、日本に来て消費財をいくら買い込んでも通貨の代わり(蓄財)にはなりません。何かしなければ不安に勝てない中共の国民性なのでしょう。

いよいよ行き詰る中共経済。
「アメリカ軍と肩を並べる人民解放軍」という芝居で、東アジアを抑えるという目論見は失敗でした。

困窮する経済の打開の道を探って行われた習主席のアメリカ訪問。しかし結果を見れば失敗だったことは明らかです。

忍び寄る崩壊の影は、人民解放軍の南シナ海、東シナ海への派兵を誘発するかも知れません。
まだ準備が出来ていないことを、習政権はどのように世間知らずの人民解放軍に知らせ、軍事的準備が終わるまで、如何にアメリカとの衝突を避け時間を稼ぐか・・・習近平主席の苦悩は続きます。

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