2015年9月26日土曜日

習近平主席のアメリカ訪問

ウイグルではイスラムの戦士をテロリストとして殺しまくり、政敵を失脚させ投獄する習近平主席がアメリカを訪問しました。

主席はまず米経済界などに対して、中共の経済に対する失速懸念を押さえ込むために、「中共の経済の減速は、『発展の過程で生じている問題』であり、中共の経済の先行きに過度の懸念は無用だ」との認識を述べました。

そして「中共は米国と手を携えて地域・国際問題に取り組むことを望んでいる」として、「相互利益を求める『ウィンウィン』の関係構築に向けて、米中関係を正しい方向に向けて築いていくべきだ」と述べたそうです。(大国関係に固執する習国家主席です)

この習主席と同行している企業家を含めた代表団は千人規模だそうで、ボーイング社の大型機30機の調達契約をまとめたとか。
マイクロソフトやグーグルなどにも、中共の市場が米国のIT分野にとって、いまなお巨大な市場であることを、「インターネット利用者は中共政府の集計で6億6800万人に達した」などとして、投資の促進を誘導していました。

「世界第1と第2の経済体」などとして、経済カードでこの訪米を押し切る戦術がにじんでいたそうです。

現在アメリカは、ローマ法王フランシスコ1世の訪問中で、ワシントンでは宗教や人権に関する関心が高まっています。
事前にそれを察知した中共は、事前調整で法王訪米の時期をずらすよう米側に打診したそうです。しかし米側はそれには応じなかったということです。(アメリカの作戦でしょうか?)

南アフリカの平和運動家で、南部アフリカ聖公会のケープタウン元大主教であるデズモンド・ムピロ・ツツ氏を始めとする人権団体が、オバマ大統領に送った書簡を公表しましたが、そこには、中共で投獄中の同賞受賞者、劉暁波氏の釈放を習氏に働きかけるようオバマ大統領に要請していることが書かれているそうです。

また、ケリー国務長官と国務省高官は中共で投獄中の人権派弁護士、高智晟氏の夫人らと面会し、人権問題が会談で取り上げられると説明したそうです。

アメリカ側が中共に対して言いたいことはこのような人権問題だけではありません。南シナ海問題や東シナ海問題、サイバー攻撃問題、など山積しています。

オバマ米大統領は、習近平国家主席との首脳会談で、中共からのサイバー攻撃について取り上げ、懸念を伝える方針を正式に表明しました。

このように、かなり首脳会談は荒れることが予想できますが、どうせ表面には出てこない議論ですので、奥様達は米中友好を盛んに演出しております。
人民解放軍所属の国民的人気歌手でもある彭麗媛(ホウ・レイエン)夫人(52歳)と、ミシェル・オバマ米大統領夫人(51歳)の二人は、ワシントンの国立動物園にパンダを見に行ったり、和やかな雰囲気を演出しています。

アメリカが最も重要視する事案は、おそらく「サイバー攻撃」のことでしょう。
9月22日にはライス米大統領補佐官が、中共からのサイバー攻撃について「米中関係に大きな緊張をもたらしている」と批判しました。
習主席訪米に先立つ12日、孟建柱政法委員会書記が、習近平国家主席の特使として訪米し、サイバー分野を中心に、双方がかなり突っ込んだ意見調整をした可能性もあるそうです。

また、クラッパー米国家情報長官は、「安全保障情報から知的財産まで『広範な米国の権益』を狙ったサイバー攻撃を中共から受けている」と述べ、対策強化の必要性に言及しております。

2001年のテロとの戦争宣言以降、アメリカはサイバー空間の安全保障をどうするか、その対策を進め、メガデーターの処理など、写真のベクトル解析でテロリストを炙り出すアルゴリズムとか、世界中で交信されているメールから、危険なものをピックアップするアルゴリズムなど、多岐に渡って防衛技術を確立してきました。(これを見て「盗聴している」と叫び声をあげたのがスノーデン容疑者ですね)

2010年、米軍はサイバー司令部を発足させ、この一連の技術を国家戦略に使い始めたのですが、この時人民解放軍は、敵の情報システムへのウイルス注入、情報撹乱、安全システムの弱点発見などを通してアメリカに対抗し、追い付こうとするサイバー戦の訓練を始めたと言うことです。

このことは、人民解放軍の専門家がまとめた文書がアメリカに渡って判ったことで、2014年10月に作られたものです。
そこにはサイバー攻撃のための主要な訓練として、
(1)巡航ミサイルやステルス戦闘機の情報システムの制御系統などを破壊するためのウイルス注入
(2)敵の指揮系統を妨害するためのデータ書き換えによる情報撹乱
(3)敵の安全システムの弱点探し
が挙げられているそうです。

サイバー空間は国境なき空間です(言語障壁があるだけ)。そこでアメリカはその空間でテロ対策を行いました。しかしその隙に乗じて中共はサイバー侵略を企て、軍事技術とか知的財産情報の略奪(窃盗犯罪)を開始したわけです。アメリカが意表を突かれた訳ですね。

今回の首脳会談では、オバマ大統領が何を言っても、習主席は「中共もハッカーの被害者だ」などと言う文句で逃げ切るつもりでしょうか。
まともに決着するとも思えません。さて、この問題でアメリカは今後どのような手段に出るでしょうか・・・

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