日中戦争はインドネシアで経済戦争の形を取っています。
在庫一掃を図る中共は、インフラ整備への協力などを訴えて日本勢の高速鉄道受注に追い打ちを掛けてきたのです。
日本はこれまで長期にわたって入念な準備を行い、新幹線の売り込みを進めてきました。
インドネシアは昨年10月にユドヨノ政権からジョコ・ウィドド政権へと変わります。ジョコ大統領は「海洋大国」を掲げ、港湾や地方のインフラ整備を優先する方針に転換し、今年3月に訪中。
そこで中共との間で高速鉄道の事業化調査に合意し、日本対中共の経済対決にされてしまいました。
安倍首相は急遽「和泉洋人首相補佐官」を首相特使としてインドネシアに派遣し、総工費約50億ドル(約6千億円)の75%に、利率0・1%で返済期間40年、猶予10年の円借款供与、着工を2019年から16年に前倒しし、19年に試験走行、21年完成という計画を提示しました。
すると中共は習近平国家主席の特使として徐紹史・国家発展改革委員会主任を派遣し、総工費約60億ドルの全額について、利率2%で返済期間40年、猶予10年という条件での融資を提示、3%以上、最長25年という通常の融資に比べ、「破格の条件」で日本に対抗してきます。
さらにジョコ大統領在任中である2018年に完成させる計画を提示してきました。
インドネシアは首都ジャカルタから西ジャワ州バンドンを結ぶ約150キロに高速鉄道を敷設する計画を持っています。距離は短いですが、その後バンドンから第2の都市、東ジャワ州スラバヤまで延伸することも計画しています。
日本は約3年前から需要や環境、土地収用など事業化調査を進めてきたということです。この調査を横取りする形で中共が割り込んできたわけです。
「新シルクロード構想」でインドネシアも組み込む考えの中共にとって、中共方式の高速鉄道を敷設することは、戦略上も必要なことなのでしょう。ですからどんなに無理をしても中共はこの受注合戦に勝たなければならないという状況にあります。
通貨安や景気低迷に悩むジョコ大統領にとって、この中共の提案は魅力的に見えていることでしょう。
8月12日の内閣改造で、知日派で新幹線方式の優位性を訴えていたゴーベル貿易相を更迭し、中共案を推すリニ国営企業相を留任させました。
日本政府筋は「改造後の閣内にも日本の理解者は多い」などと述べ、影響は限定的という考えを示しておりますが、不良在庫がたまる一方の中共にとって、なりふり構わずの受注戦略が今後どのように展開されるか予断は出来ません。
今回の中共の提案には、あまりにも短い調査期間と合わせて実現性を疑問視する声もあるようです。
この日本対中共の受注競争で、有利な条件を引き出しているジョコ政権です。今週中にも受注先を決定する予定ということで、双方の条件を検討するよう米国系コンサルタントに依頼し、28日に結果を受け取ったと言うことです。
ここでもし日本に決定が決まったとしても、中共側が追加提案などで再び巻き返しかねないという懸念もあるようです。
また、米国系コンサルタントと言っても、アメリカには親中派も多いですから、どのようなコンサル結果が出てくるのか、それも判りませんね。
さて、このジョコ・ウィドド大統領は、必ずしも親中派ではないようです。掲げている「海洋国家構想」は、経済の外国依存からの脱却を目指すものであり、「海洋資源の活用」「ジャワ島のインフラ整備」「造船・観光業の振興」「領海内の違法漁業の取り締まり強化」「海軍力の増強」などを構想の柱としております。
2014年12月5日にベトナムの違法漁船3隻を爆破し、同12月8日には中共の違法漁船22隻を拿捕しています。驚いた周辺国は強硬策を緩和するように申し入れましたが、大統領は構想の実現に必要な海洋資源の確保のため今後も必要に応じて漁船の爆破などの取り締まりを行うとして一歩も譲りません。
インドネシアにとって中共は最大の貿易相手国であり、中共からの投資も増加しています。AIIBへの参加を表明しましたし中共との関係強化を目指しているジョコ政権でもあります。
しかし、中共の違法操業を行った漁船については爆破を含む強硬な取り締まり姿勢を見せております。南シナ海領有権問題については対話での解決を第一としながらも、軍事力強化のため国防費を年間200億ドルに拡大するなどの政策も行っております。
昨年11月、安倍首相と会談し海洋協力のための事務レベル協議の立ち上げを約束しました。また、今年3月に日本を訪問し、「経済協力と合わせ安全保障面の協力も進める」として、沿岸警備での日本の技術提供を求めました。(海保の操船技術でしょう。よく見ていますね)
主権国家・インドネシア共和国です。高速鉄道の決定にはぜひフェアな判断をお願いしたいですね。
日本はこれまで長期にわたって入念な準備を行い、新幹線の売り込みを進めてきました。
インドネシアは昨年10月にユドヨノ政権からジョコ・ウィドド政権へと変わります。ジョコ大統領は「海洋大国」を掲げ、港湾や地方のインフラ整備を優先する方針に転換し、今年3月に訪中。
そこで中共との間で高速鉄道の事業化調査に合意し、日本対中共の経済対決にされてしまいました。
安倍首相は急遽「和泉洋人首相補佐官」を首相特使としてインドネシアに派遣し、総工費約50億ドル(約6千億円)の75%に、利率0・1%で返済期間40年、猶予10年の円借款供与、着工を2019年から16年に前倒しし、19年に試験走行、21年完成という計画を提示しました。
すると中共は習近平国家主席の特使として徐紹史・国家発展改革委員会主任を派遣し、総工費約60億ドルの全額について、利率2%で返済期間40年、猶予10年という条件での融資を提示、3%以上、最長25年という通常の融資に比べ、「破格の条件」で日本に対抗してきます。
さらにジョコ大統領在任中である2018年に完成させる計画を提示してきました。
インドネシアは首都ジャカルタから西ジャワ州バンドンを結ぶ約150キロに高速鉄道を敷設する計画を持っています。距離は短いですが、その後バンドンから第2の都市、東ジャワ州スラバヤまで延伸することも計画しています。
日本は約3年前から需要や環境、土地収用など事業化調査を進めてきたということです。この調査を横取りする形で中共が割り込んできたわけです。
「新シルクロード構想」でインドネシアも組み込む考えの中共にとって、中共方式の高速鉄道を敷設することは、戦略上も必要なことなのでしょう。ですからどんなに無理をしても中共はこの受注合戦に勝たなければならないという状況にあります。
通貨安や景気低迷に悩むジョコ大統領にとって、この中共の提案は魅力的に見えていることでしょう。
8月12日の内閣改造で、知日派で新幹線方式の優位性を訴えていたゴーベル貿易相を更迭し、中共案を推すリニ国営企業相を留任させました。
日本政府筋は「改造後の閣内にも日本の理解者は多い」などと述べ、影響は限定的という考えを示しておりますが、不良在庫がたまる一方の中共にとって、なりふり構わずの受注戦略が今後どのように展開されるか予断は出来ません。
今回の中共の提案には、あまりにも短い調査期間と合わせて実現性を疑問視する声もあるようです。
この日本対中共の受注競争で、有利な条件を引き出しているジョコ政権です。今週中にも受注先を決定する予定ということで、双方の条件を検討するよう米国系コンサルタントに依頼し、28日に結果を受け取ったと言うことです。
ここでもし日本に決定が決まったとしても、中共側が追加提案などで再び巻き返しかねないという懸念もあるようです。
また、米国系コンサルタントと言っても、アメリカには親中派も多いですから、どのようなコンサル結果が出てくるのか、それも判りませんね。
さて、このジョコ・ウィドド大統領は、必ずしも親中派ではないようです。掲げている「海洋国家構想」は、経済の外国依存からの脱却を目指すものであり、「海洋資源の活用」「ジャワ島のインフラ整備」「造船・観光業の振興」「領海内の違法漁業の取り締まり強化」「海軍力の増強」などを構想の柱としております。
2014年12月5日にベトナムの違法漁船3隻を爆破し、同12月8日には中共の違法漁船22隻を拿捕しています。驚いた周辺国は強硬策を緩和するように申し入れましたが、大統領は構想の実現に必要な海洋資源の確保のため今後も必要に応じて漁船の爆破などの取り締まりを行うとして一歩も譲りません。
インドネシアにとって中共は最大の貿易相手国であり、中共からの投資も増加しています。AIIBへの参加を表明しましたし中共との関係強化を目指しているジョコ政権でもあります。
しかし、中共の違法操業を行った漁船については爆破を含む強硬な取り締まり姿勢を見せております。南シナ海領有権問題については対話での解決を第一としながらも、軍事力強化のため国防費を年間200億ドルに拡大するなどの政策も行っております。
昨年11月、安倍首相と会談し海洋協力のための事務レベル協議の立ち上げを約束しました。また、今年3月に日本を訪問し、「経済協力と合わせ安全保障面の協力も進める」として、沿岸警備での日本の技術提供を求めました。(海保の操船技術でしょう。よく見ていますね)
主権国家・インドネシア共和国です。高速鉄道の決定にはぜひフェアな判断をお願いしたいですね。
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