2015年3月7日土曜日

台湾:中華民国、真実を明らかに・・

台湾国防部は、「抗日戦勝利70年」の軍事パレードを中止しました。日本への配慮もあるかも知れませんが、主として中共に対する抵抗だろうと思います。

その上で、「大陸(中共)がどんな活動をしても、抗日戦を戦ったのは(当時の中国正規軍である)国軍(中華民国)だという事実は変えられない」と述べたのです。

中共はこれに対して、環球時報で「台湾では共産党の抗日戦争の功績が認められていない」と反発する社説を掲載しました。そこで「(中国)大陸では、国民党の役割を積極的に評価している」と述べ、「今の台湾社会は日本に媚びる雰囲気が深刻化し、日本の植民地統治を記念する活動の方が多い」と批判しました。(本省人の気持ちが全く判っていませんね)

明らかに中共の歴史観は間違っています。(嘘です)

大東亜戦争時、日本だった台湾。太平洋戦争で負けた日本は、その台湾を連合軍に明け渡します。
その時、大陸で中華民国の蒋介石と中国共産党の毛沢東が戦争を始め、毛沢東は蒋介石を台湾に追い出します。

追い出された蒋介石は、台湾に中華民国を移し、大陸から大勢の華人を呼び込みます。その上で毛沢東と対峙し、毛沢東は大陸に中華人民共和国(中共)を建国します。
世界は、社会主義と資本主義に分割され、社会主義は中共を認めますが資本主義は中華民国を「中国の正当政府であるとしました。

中華民国は、それまで台湾に住んでいた人たちを本省人、新しく大陸から来た人たちを外省人と区別して、戦争中日本に協力した者(本省人)を弾圧しました。
こうして政府を外省人で固め、本省人は抑え込まれ、冷戦時代を生き抜いてきました。

蒋介石の後を継いだ息子の蒋経国。そしてその死後に初めて選挙を行って総統となったのが李登輝氏でした。1988年の出来事です。

ユーラシアの東半分、中国大陸に野心を持つアメリカは、1972年にニクソン大統領の訪中を切っ掛けにして中共と国交回復、そして台湾を一つの中国であると認め、台湾を売ってしまいます。しかしこの時の条件が、「民主的な併合のみを認める」として、台湾が納得の上で併合することを取り決めたのです。

その上で、アメリカは「古い友人を見捨てない」と述べて1979年に台湾関係法が制定されました。そして台湾に対して武器輸出を始め、中共を牽制します。

中共は日本の田中政権を相手に「日中友好」などと言いながら台湾を捨て中共とつながるように策を練ります。田中政権は敗戦国・日本からアメリカの影響力を減少させる目的で中共と手を結びます。この時のアメリカの怒りがロッキード事件を生み出したことはご承知の通りです。

中共の狙いはその膨張策にあり、太平洋への野心の一歩であったことは間違いないでしょう。台湾を併合しても東シナ海を掌中に収めなければ無意味ですからね。経済力を付けた中共は、アメリカを懐柔し現在に至ります。

今、中共は蒋介石を「抗日に共に戦った仲間」として台湾・国民党を取り込もうと躍起となっています。馬英九総統を送り込み8年間で台湾を取り込むつもりだったようです。そのため、上記のような歴史を捻じ曲げ、「抗日の戦友」を演出しています。明らかな歴史修正行為(revisionism)です。

ここに台湾が反発したわけです。
さすがに台湾・国民党も、「抗日戦争」の主役は国民党(蒋介石軍)が主導した「中華民国」の国軍だったという歴史を変えられることに怒りを感じているのでしょう。
中共が{『抗日戦争勝利』に関する記念活動を実施していることに『台湾当局は感謝すべきだ』」などと述べ、「大陸(中共)では、国民党の役割を積極的に評価している」などと上から目線で台湾をおだてていますが、こんなことをすればするほど、台湾国民の心は中共から離れていきますね。

香港ですら、中共からやってくる爆買い観光客に「乳幼児用粉ミルク買い占めるな」などのデモが発生しています。世界のあちこちで経済力を付けた華人の評判が悪くなっています。

このままでは華人の差別が始まってしまうかも知れません。いや、すでに時間を区切るなどの小売店の「華人対策(差別)」が行われるようになっています。

国際社会とは微妙なものであること、習政権にも理解してほしいですね。

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