2015年3月15日日曜日

それでもプーチンは潰れない

先月(2月)27日夜、ロシアの野党有力指導者、ネムツォフ元第1副首相(55)が射殺されました。赤の広場に近いモスクワ中心部の橋の上で、ウクライナ人モデルのアンナ・ドリツカヤ氏とのデート中に射殺されたと言うことです。どうやらこの女性は婚約者だったとか(?)。

この殺されたボリス・エフィーモヴィチ・ネムツォフ氏には、妻のライサがおりますが、別にジャーナリストのエカテリーナ・オディツィワ氏という女性が居て、息子が一人おります。さらに秘書だったイリナ・コロレワ氏との間に娘が一人おります。
また、アナスタシア・オグネワと言う女性とドバイで一緒にいるところを写真を撮られ公開されています。
どうやら女性には事欠かない性格だったようですね。

政治的には、ソ連のクーデターで、改革派の立場からエリツィン・ロシア大統領を支持しました。これでエリツィン政権と関係が出来たネムツォフ氏は、1991年にニジニ・ノヴゴロド州行政長官(知事に相当)に任命され、その後上院連邦会議代議員に当選したり、再びニジニ・ノヴゴロド州知事選挙で再選されたりしております。
その後、1997年にセルゲイ・キリエンコ内閣の第一副首相に任命されますが、しかし、1998年のロシア下院において、「ネムツォフは、無責任な政治家」として非難決議が出され、第一副首相を解任されます。
無責任という理由は、「第一副首相という立場を利用し、社会を不安定化させる規模の外資を呼び込み、国内経済に脅威を与えた」ということでした。

その後、下院国家会議選挙で落選したり、石油コンツェルン・ネフチノイの取締役に就任したり、ウクライナのオレンジ革命ではウクライナの大統領経済顧問に任命されたりしました。

2011年、ネムツォフ氏などがリベラル系野党「人民自由党」を結成しますが、不法滞在者や死者を支持者として膨らませ政党登録をしようとしたため、政党として登録は却下されます。

しかし、この人民自由党は、プーチン首相の政治手法を厳しく批判していて、最近の世論調査では支持率は9%に跳ね上がり、下院で議席獲得に必要な「得票率7%」を超えていたとされれいます。
真偽のほどは判りません。

このようなネムツォフ氏なのですが、どう見てもプーチン大統領の敵とは思えません。人気はあったみたいですが政治的に影響力を持っているような人物には見えません。
政治的影響があるとすれば、プーチン批判をしていたことで欧米系の反ロシア団体にとって便利な存在だったのかも知れませんね。

「無責任な政治家」と言われても、リベラル系として活動していたのですから、そうとう敵も多かったのではないでしょうか。女性問題なども絡んでいるかもしれません。
しかし世間は圧倒的にプーチンの暗殺説が強いようです。特に欧米マスコミでは・・・

2006年10月、プーチンの犯行と思われている「アンア・ポリトコフスカヤ氏の銃撃事件」がありました。モスクワ市内の自宅アパート建物エレベーター内で射殺体で発見されたのですが、どうやら機関銃で撃ち殺されたとか。

彼女はロシア国外で活動をしていました。その理由を、彼女は「ロシア当局や民族派のテロを恐れた」と述べています。つまり、ロシア国内にはそうとう強い「保守派」が居ると言うことを意味していると思います。
プーチン大統領と、このような保守派とのつながりはどうなのでしょう。
もしかすると、プーチン氏も手を焼いている「保守派(どちらかというと右翼)」が居るのかも知れません。

この2006年の、11月にはアレクサンドル・ヴァリテラヴィチ・リトヴィネンコ氏が英国で毒殺されています。
この毒が、ポロニュウム210という放射性物質で、核関連施設にしかないものであり、相当有力な政治家しか入手困難なものであったことから、プーチン大統領が疑われたのです。

このリトビネンコ氏は、KGBの職員であり、ロシア連邦保安庁の職員でもあった人物で、それなのにロシアに対する反体制活動家となって英国に亡命していた人物です。

この2人に共通しているのは、2002年に起きたドブロフカ・ミュージアム劇場での観客922名を人質にした事件です。武装勢力はチェチェンから撤退を要求していました。
この時使われたのが非致死性兵器ガスでしたが、これで武装勢力と人質双方が倒れて、武装勢力はそのまま倒れているところを射殺されましたが、人質の方も解毒剤が間に合わず129名が死亡してしまったのです。
解毒剤が用意されていれば助かった人質も多かったはずだと言うのが彼らの調査ポイントだったようです。

そしてこの2名は国外で活動していた人物です。はたしてプーチン政権は殺すほどの影響力があると考えたのでしょうか?
また、今回のネムツォフ氏も殺すほどの価値があったでしょうか?

プーチン大統領を追い詰めるために、欧米側が、影響力のない人物を殺し、プーチンの仕業に見せかけて人気を落とし、政治活動を妨げるような工作を仕掛けているようにも見えるのですけど・・・

それでもプーチン政権はまだほとんど揺らいでおりませんね。

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