デトロイトで開かれている北米国際自動車ショーで、新たにトヨタが水素自動車「MIRAI」を展示しました。
これで、EV、PHV、FCV(水素・燃料電池車)という3大未来型自動車が現実に出てきたわけですが、どれが未来を制するのか、白熱の議論が沸き起こっているようです。
EVのベンチャー、テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOは、トヨタのFCVについて、「水素は貯蔵や製造が難しい。それを念頭に考えれば、(燃料電池車は)意味がない」とトヨタを批判したようです。
これに対しトヨタのジム・レンツ専務役員は、「FCVはEVより航続距離が長い」とEVの欠点を突いてきました。
確かに現在のEVは1回の充電で走行可能な距離はせいぜい200キロ程度しかありません。それに対してFCVは搭載される水素ボンベ満タンで650キロも走ることが出来ます。
しかも水素を満タンにするまでの時間が3分程度と、EVに対して圧倒的に有利です。
ホンダもFCVのコンセプトカーをお披露目して(来年3月に発売予定)トヨタを応援します。
しかし、このFCVの優位さも、1か所の水素ステーションを建設するのに約2億円以上もかかるという問題を考えれば楽観視できません。ガソリンスタンドは約1億円で出来ますから倍以上もかかります。
しかも水素を製造するには、高温ガス炉という原子炉(核分裂炉)を使うのが効率が良いようですが、原発反対がヒステリックに叫ばれる中で、この高温ガス炉建設は可能でしょうか?
他にも、高酸化金属(マグネシウムなど)を水の中で燃やす(熱して水分子から酸素を取って酸化させる)方法もあるようです。このシステムは酸化した金属を還元するのに費用が掛かります。太陽光蓄光レーザーを使う還元方法が考えられていますが、まだ実験室の段階です。水の電気分解で水素を得る方法は、電力が掛かりすぎるようですね。
さらに燃料電池の重量も問題です。MIRAIはリーフよりも重いのです。リチュウムイオン電池も重いですが、燃料電池は水素ボンベを必要としますから、さらに重くなります。
対するEV側は、ゼネラル・モーターズが航続距離300キロ以上というEVのコンセプトモデルを発表しています。メアリー・バーラCEOは「これまでのEVの流れを変える商品だ」と自信を深めています。
日産のカルロス・ゴーンCEOは、最近EV優遇策を打つ北欧のノルウェーで、「リーフ」が新車販売のトップに立ったこともあって、「FCVはポテンシャルがある。だが(量産)準備の整った技術だとは思わない」と述べました。
「維持費が安く、日本でいえば軽自動車のような感覚で(ノルウェーでは)買われている」と言うことです。
米エネルギー省前長官のスティーブン・チュー氏は、1月下旬のダボス会議で、「技術的にもコスト的にもEVが(CO2削減の)『解』になりつつあるときに、他の技術に向かって時間を浪費すべきではない」と述べました。また、ダボス会議の参加者からは、「各国が強制的にEVに切り替えるアクションが必要だ」という意見も出ています。
EVの欠点である「走行距離の短さ」は、社会インフラとして200Vのコンセントがユビキタス(そこらじゅう)にあるようにすることが必要でしょう。これが「EVに切り替えるアクション」の一つになると思います。
急速充電設備がよく言われていますが、それよりも例えば高速道路には10kmおきに200Vと100Vのコンセントを付けておくとか、街の中では電柱の下には必ず200Vのコンセントがあると言うようなインフラの方が必要だと思います。そのコンセントにスイカのようなICチップカードをかざせば電力が流れて、料金はその人(家族)の電気代に加算されるというシステムなら安く出来るのではないでしょうか。
自動車用のポートとコンセントを設備すれば、ビルなどの建物の資産課税を軽減するなどの税制処置なども考えられます。また、そのようなコンセントはタブレットパソコン、携帯電話などの電池切れにも利用されるでしょう。
さらにこのようなコンセントが普及すれば、建設機械などもリチウムイオン電池を使った道具が出て来るでしょうし、新たな道具の新製品(ロボットのような)も出来てくるはずです。エンジンでは出来ない道具の普及です。
また、EVに搭載されるリチュウムイオン電池の価格も問題です。現在、リーフの電池交換では150万円くらいがかかると言うことですから、使用済み電池の再生などを通して、もっと価格が安くなるような(陽極や陰極材料の)工夫が必要でしょう。
電気料金の設定基準も変える必要があると思います。急速充電で必要となるアンペア数では電気料金の基本料が上がってしまいます。EVの普及のためには、これまでのような生産工場を想定した課金を考え直すべきでしょう。
この様な社会インフラが充実するには時間がかかります。ですからそれまではPHVでつなぐ必要があるはずです。
・・というわけか、三菱自動車がEVに発電機を積んだ「アウトランダー」というPHVを販売しています。これは基本がEVで、リチュウムイオン電池を60km分搭載し、ガソリン発電機を搭載した形式です。
残念ながら燃費はリッター18キロ(カタログ値)と言うことで、それほど燃費が良くなったとは思えませんが、充電とガソリンを上手く組み合わせてエネルギー消費を抑えることは出来るでしょう。
アメリカでは現在「核融合炉」が実現しそうだとか。電気の価格はさらに安くなりそうです。水素燃料電池は大型にして設置型発電機とし、やはり自動車は部品点数の少なく出来そうなEVの方が「社会的効率」はいいように思うのですが・・・。
EVのベンチャー、テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOは、トヨタのFCVについて、「水素は貯蔵や製造が難しい。それを念頭に考えれば、(燃料電池車は)意味がない」とトヨタを批判したようです。
これに対しトヨタのジム・レンツ専務役員は、「FCVはEVより航続距離が長い」とEVの欠点を突いてきました。
確かに現在のEVは1回の充電で走行可能な距離はせいぜい200キロ程度しかありません。それに対してFCVは搭載される水素ボンベ満タンで650キロも走ることが出来ます。
しかも水素を満タンにするまでの時間が3分程度と、EVに対して圧倒的に有利です。
ホンダもFCVのコンセプトカーをお披露目して(来年3月に発売予定)トヨタを応援します。
しかし、このFCVの優位さも、1か所の水素ステーションを建設するのに約2億円以上もかかるという問題を考えれば楽観視できません。ガソリンスタンドは約1億円で出来ますから倍以上もかかります。
しかも水素を製造するには、高温ガス炉という原子炉(核分裂炉)を使うのが効率が良いようですが、原発反対がヒステリックに叫ばれる中で、この高温ガス炉建設は可能でしょうか?
他にも、高酸化金属(マグネシウムなど)を水の中で燃やす(熱して水分子から酸素を取って酸化させる)方法もあるようです。このシステムは酸化した金属を還元するのに費用が掛かります。太陽光蓄光レーザーを使う還元方法が考えられていますが、まだ実験室の段階です。水の電気分解で水素を得る方法は、電力が掛かりすぎるようですね。
さらに燃料電池の重量も問題です。MIRAIはリーフよりも重いのです。リチュウムイオン電池も重いですが、燃料電池は水素ボンベを必要としますから、さらに重くなります。
対するEV側は、ゼネラル・モーターズが航続距離300キロ以上というEVのコンセプトモデルを発表しています。メアリー・バーラCEOは「これまでのEVの流れを変える商品だ」と自信を深めています。
日産のカルロス・ゴーンCEOは、最近EV優遇策を打つ北欧のノルウェーで、「リーフ」が新車販売のトップに立ったこともあって、「FCVはポテンシャルがある。だが(量産)準備の整った技術だとは思わない」と述べました。
「維持費が安く、日本でいえば軽自動車のような感覚で(ノルウェーでは)買われている」と言うことです。
米エネルギー省前長官のスティーブン・チュー氏は、1月下旬のダボス会議で、「技術的にもコスト的にもEVが(CO2削減の)『解』になりつつあるときに、他の技術に向かって時間を浪費すべきではない」と述べました。また、ダボス会議の参加者からは、「各国が強制的にEVに切り替えるアクションが必要だ」という意見も出ています。
EVの欠点である「走行距離の短さ」は、社会インフラとして200Vのコンセントがユビキタス(そこらじゅう)にあるようにすることが必要でしょう。これが「EVに切り替えるアクション」の一つになると思います。
急速充電設備がよく言われていますが、それよりも例えば高速道路には10kmおきに200Vと100Vのコンセントを付けておくとか、街の中では電柱の下には必ず200Vのコンセントがあると言うようなインフラの方が必要だと思います。そのコンセントにスイカのようなICチップカードをかざせば電力が流れて、料金はその人(家族)の電気代に加算されるというシステムなら安く出来るのではないでしょうか。
自動車用のポートとコンセントを設備すれば、ビルなどの建物の資産課税を軽減するなどの税制処置なども考えられます。また、そのようなコンセントはタブレットパソコン、携帯電話などの電池切れにも利用されるでしょう。
さらにこのようなコンセントが普及すれば、建設機械などもリチウムイオン電池を使った道具が出て来るでしょうし、新たな道具の新製品(ロボットのような)も出来てくるはずです。エンジンでは出来ない道具の普及です。
また、EVに搭載されるリチュウムイオン電池の価格も問題です。現在、リーフの電池交換では150万円くらいがかかると言うことですから、使用済み電池の再生などを通して、もっと価格が安くなるような(陽極や陰極材料の)工夫が必要でしょう。
電気料金の設定基準も変える必要があると思います。急速充電で必要となるアンペア数では電気料金の基本料が上がってしまいます。EVの普及のためには、これまでのような生産工場を想定した課金を考え直すべきでしょう。
この様な社会インフラが充実するには時間がかかります。ですからそれまではPHVでつなぐ必要があるはずです。
・・というわけか、三菱自動車がEVに発電機を積んだ「アウトランダー」というPHVを販売しています。これは基本がEVで、リチュウムイオン電池を60km分搭載し、ガソリン発電機を搭載した形式です。
残念ながら燃費はリッター18キロ(カタログ値)と言うことで、それほど燃費が良くなったとは思えませんが、充電とガソリンを上手く組み合わせてエネルギー消費を抑えることは出来るでしょう。
アメリカでは現在「核融合炉」が実現しそうだとか。電気の価格はさらに安くなりそうです。水素燃料電池は大型にして設置型発電機とし、やはり自動車は部品点数の少なく出来そうなEVの方が「社会的効率」はいいように思うのですが・・・。
0 件のコメント:
コメントを投稿