リーマンショックから3年。中共に出ていたアメリカの製造業がアメリカに戻ってきています。
物作りで世界の覇権を握ったアメリカ。しかし、日本の追い上げに圧されついに「物作り」から「金融」に逃げ、さらに日本の「物作り一人勝ち」を潰すために使った「中共戦略」。
人件費の安さを武器に日本を追い込みます。そしてその結果は・・・
サブプライムローンの破綻(リーマンショック)となって、世界経済を巻き込んで「金融立国」の大失敗が如実に現れました。
失敗から学ぶアメリカ。デフレ克服で「ドルの大量発行」を行い、相対的に中共の人件費を高くしました。バーナンキ議長の作戦成功です。
そして次のステージへ。すなわち製造業拠点のアメリカ国内復帰です。
この流れを「リショアリング(Re-Shoreing)」と呼んでいるようですが、それが活発になってきました。そこには日本がデフレによって製造業が崩壊を始め、それでもさらにデフレ政策を進めているというチャンスでもあるからかも知れません。
もしかしたら、財務省に圧力を掛けているのはアメリカかも知れませんが、これで日本国内にも「made in Chaina」が消えて「made in USA」が出回るようになるでしょうね。安いアメリカ製というわけです。
リショアリングによって、生産を再開したオハイオ州ノースカントンの工場には、工場の中央に巨大な星条旗が掲げられているそうです。
「海岸から出て行った製造業を、再び海岸から国内に戻そう」という流れの背景に、愛国心と国家への参加意識があることは確かなようです。
この工場の部長さん、「すばらしい仕事をしてくれる従業員に誇りを持っている。雇用も通じて地域とアメリカ経済に貢献しているという確かな手応えが、今はある」と語っています。
アメリカが製造業を本格的に再建する決意を持ったのは、4年前の選挙で登場したオバマ大統領の決意があったからではないでしょうか?
「リショアリング」について、アメリカは「中共での人件費の上昇やカントリーリスクへの懸念」と述べていますが、そんな客観的なことだけではないはずです。
さて、アメリカはこの「リショアリング」で昔のアメリカに戻れるでしょうか?
アイディアが出て、それを資本家がキャッチして、現在可能な技術を使って「何が何でも」そのアイディアを実現してしまうバイタリティ。出来上がったものはやたらと高く、そして品質も劣悪かも知れませんが、ともかく今まで世の中に無かったものが、現実に動き始めるという、アメリカの、最もアメリカらしいところです。
それを見た日本が、ライセンスフィーを払いながらも、洗練され誰でも買える商品に仕立て上げて行ったのが過去の事例ではいっぱいありました。
時としてアメリカは怒り、そして「物まね国家・日本」と蔑視していましたが、それでも商品は売れ、経済は活気を帯び、それなりに自由経済圏をリードして、社会主義・ソビエトを崩壊させたのではないでしょうか?
ソビエト崩壊のあと、日本は土地バブルに踊り、そしてその崩壊がその後20年も続いています。
対するアメリカは、その土地バブルから学び、グローバル経済での家屋バブル(サブプライムローン)を始め、金融立国と嘯き、製造業を「中共依存」にしてしまいました。
そしてその崩壊が起きて、中共から軽蔑されて、やっと眼が覚めたのでしょうか?「星条旗のもとに、全員が団結してアメリカを再建しよう」という流れが起きてきたようですね。ドル大量発行での下落から、この政策は始まっているのですけど。
日本の製造業は、まだ「ショアリング」したままのようです。引き戻すためには、半端でない金融緩和が必要です。いまだ土地バブルの精算はされていません。怯える預金が銀行口座に固着したままです。
土地バブルの精算とは、失われたお金を市場に戻すこと。銀行と政府が歩調を合わせて行わなければなりません。バブルの責任者は破産させてもいいですが、マクロ経済でやるべきことをやらないと、経済は復活しません。国力が次第に衰えるだけです。当たり前のことですね。
期待した民主党が行ったことは、「日本崩壊の未来」を国民に見せただけでした。末期のデフレ国家で、首相は増税に政治生命を掛けるなど、悪魔に執りつかれたような信念を語ります。
日本の「リショアリング」は、こんな政治ではとても行えませんね。
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