2012年5月14日月曜日

小沢一郎議員、検察側弁護士によって「控訴」される。


東京地方裁判所で、無罪を勝ち取った「小沢一郎民主党元党首」。
しかし判決内容は「限りなく黒、証拠不十分で無罪」というものでした。しかし、ともかく無罪だったということで、民主党は小沢氏の党員資格停止処分を撤回しました。
そこをみはからって・・ということでもないでしょうが、検察側の弁護団が5月9日に「控訴を決定」したとのことです。

控訴を決定した弁護団の大室弁護士は、「1審判決には看過しがたい事実誤認があり、十分修正可能であるとの判断からです。」と述べております。
これに対して小沢一郎議員は、「先日の無罪判決の内容を見る限り、控訴審でこれが覆るとことは想定しにくく、指定弁護士が控訴したことは理解に苦しむ。いずれにしても、弁護団と協議した上、早期に公訴棄却もしくは無罪という結論が得られるよう、万全の対応を取りたい」と述べております。

控訴には、「控訴申立書」の提出が必要ですが、それも出来ているようで、記者会見の後、提出されたようです。
控訴を行った弁護団は、大室弁護士を始めとする3名。
これでこの裁判はいよいよ高等裁判所で審理が続くことになりました。つまり小沢議員の無罪は確定していないことになります。

小沢氏の起訴内容は、「小沢氏が元秘書3人(1審有罪、控訴)と共謀し、土地取得費約4億円を、陸山会の04年分ではなく05年分の収支報告書に記載した」と言うもので、この記載が虚偽記載に当たるというもの。

そして東京地裁での判決は、「小沢氏が土地取得公表先送りの方針や、4億円を簿外処理して公表しないことを了承していたと認定したが、元秘書との共謀の成立は否定」
「小沢氏が土地取得のために提供した現金4億円についても、元秘書が「巨額資産の原資をマスコミなどから追及されないようにし、政治的不利益を避けるために、04年分報告書に記載しなかった」と虚偽記載は認めましたが、「元秘書との共謀については『成立しない』」という、誰が見ても不自然な無罪判決だったことは否めません。

大室弁護士は、「原判決の誤りを指摘するのが出発点です。さらに追加の証拠などについては、鋭意検討します。原判決の誤りは十分指摘できるという理解です」と述べ、「新たに提出するだけの価値ある証拠が提出できるかは、これから詰めます。こちらの主張を補充できる証拠については、さらに精査して検討したいです」と、今後の方針を述べました。

また、補充捜査の可能性については、「可能性はあります」とはっきりと述べています。
その上で、「1審ではわれわれの立証が不十分と判断されましたので、控訴審で十分に反駁(はんばく)できるかということを考えました。」と述べ、「政治的圧力はない」とも述べております。

さて、「元秘書との共謀は無かった」とした一審判決に対して、「共謀があった」とする確たる証拠を提出することが出来るのかどうか?
小沢元民主党代表は、石川元秘書との間で、命令とか指図はしていないでしょう。しかし、阿吽の呼吸で石川氏が行った行為は、政治資金規正法違反です。
石川氏は、自分が罪を被ることも辞さない考えで行ったはず。また、そのくらいの人間関係が出来ていなければ、国会議員の秘書などにはなれないことも事実。だから住み込みの政治修行などが重要になってくるわけですね。

こうして元秘書は、やがて刑期を終えてシャバに出てくれば、多くの先生方の協力が得られて政治家の道を進んでいける「伯」が付くわけです。
ここから派閥政治が生まれるわけですが・・・

ですから、小沢被告の「指示とか命令」などなかったことになります。もとろん物証など出てくるわけもありません。「阿吽の呼吸」をいかに「共同謀議」に持っていくかが焦点ですね。

さて、大室弁護士を始めとする3名の検察側弁護団、どうやってこの日本政治に巣食う悪しき常識を覆していくのか・・・そこが突破できれば、日本の政治は大きく変わるかも知れませんよ。

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