1週間前の24日正午、アナログテレビは完全に終了いたしました。
24日はその後「あとはデジタルテレビでお楽しみください」という画面になっていましたが、どうも余計なお世話のような気がします。
だいたい、楽しめる番組などやっていないというのが私の感想なのですけど・・・
そういうわけで、翌日に早速銀行に行ってNHKの自動支払いを止めたというわけです。
一般的には、アナログ放送が終わって電波がデジタル放送に変わったから、デジタル受像機を買ってきてテレビを見続ける・・のでしょうが、この変化はやがてそんな単純なものでは無いことが判ってくるでしょう。
一方通行だったアナログ放送に対して、デジタル放送は双方向性になりうることが基本的な違いです。
これまでは、一方的にアナログ電波で放送を流して、その感想などは手紙で放送局宛てに送っていました。手紙よりも急ぐ場合は電話を放送局に掛けて話をしました。
実に牧歌的な風景ですが、これがデジタルとなるともっと激しいやりとりも可能です。
スカイツリーなる電波塔が墨田区に建てられました。その発信アンテナ部分が自宅から見える人達はアンテナを設置して受像出来ます。しかしアンテナが見えない人達は受像出来ません。
理由はデジタル電波は高周波だからです。高周波とは、同じ電波でも「より光に近い電波」と考えればいいでしょう。物が前にあれば、その向こうが見えないのと同じです。高いビルディングの陰になれば、受像できません。
そこでテレビ局は、高いビルの屋上などで一旦電波を受信し、それを影になっているところに向けて別のアンテナで電波を出します。こうして視聴できない地域をなくそうという努力が行われていますが、それでも不完全であることは事実です。
それで、もっと細かい影の部分には、ケーブルに受像機を繋ぐことで鮮明な画像を見られるようにしようということで、マンションなどの受像機はケーブルで接続するということになります。電波の受信ですと、大型自動車が遮った時などの不安定要因もあり、近所に建物が出来て見えなくなったりすることも考えられますから、ケーブルにした方が安定することは間違いありません。
しかし、ケーブルの敷設にはお金がかかります。即ち毎月幾許かの課金がなされるわけです。
どうせお金を取られるならば、インターネット回線などと一緒にして、少しでも安くしたいと思うのは人情。こうしてインターネットに繋がったテレビが増えると思いますし、こうして事実上の双方向テレビの普及が促進していくのではないでしょうか。
これからのテレビ局は、視聴者の好きな時に、好きな番組をみられるようにビデオ・オン・デマンド方式を進めて行くことでしょう。このような番組作りをしなければ、恐らく視聴者離れを食い止めることは出来ないはずです。スポンサー付きではなく有料の番組作りも可能になりますからね。
従ってこれからのテレビ受像機は双方向可能なテレビが主流になってくるでしょう。
テレビが双方向になるとは、即ちパソコンとテレビの境目がほとんどなくなってくるということになり、操作が簡単で画面の大きなパソコンが「テレビ」と呼ばれるようになるはずですね。
放送局も変わらなければなりません。ニュースを放送する会社、番組を作る会社、番組を保管し視聴者の要求(デマンド)によって配信する会社、などと分社化して管理する必要が出てくるのではないでしょうか。企業は、数秒のコマーシャルを隙間に流すような今までの方式ではなく、広告番組を作って配信する会社に任せたり、それを見てもらうためにどのような番組と組み合わせるかなど、新しい試みがなされ始めるでしょう。
テレビ事業への新規参入も、ネット回線に限定すれば初期投資も安く出来るようになるでしょう。大手企業は、社内にテレビ局を作るかも知れませんね。
新聞に挟まってくるチラシが、テレビ画面で人より早く見ることで、より良いものを安く買えたりとか、チラシ広告のあり方も変わってくるでしょう。
新聞そのものがペーパーレスになって、大型で緻密なテレビで読めるようになる可能性も高いでしょう。紙の新聞の発行部数は極端に小さくなり、やがてなくなるのではないでしょうか?
このような変化が、若い世代に新たなビジネスフィールドを提供することは間違いないはず。
デジタル弱者には住みにくい世の中になりますね。
今後、開発され販売されるであろうD-TV(デマンドテレビ)が、どこまでデジタル弱者を救済するか・・各メーカーの、操作性をやさしくする努力が期待されますね。
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