中国の共産党(中共)が、1921年7月に出来てから今年で結党90周年になります。
人民大会堂ではお祭りが行われたようで、胡錦濤総書記はその祝賀大会で重要演説を行いました。
中国に共産党が出来たことは「中華民族発展の歴史上、天地開闢(かいびゃく)の変化だ」とか。天地開闢とは、すなわち天地創造のような意味になるのでしょう。キリスト教文化圏に向けた発言かも知れませんね。
経済大国世界2位となって、衰退するアメリカを凌ぐのも時間の問題とも思える勢いの中共。
胡錦濤総書記はその演説の中で、現在の中共が抱えている問題、すなわち「党幹部の腐敗や貧富の格差」を指摘することも忘れませんでした。
そしてこれら諸問題について「引き続き党主導で国民生活の向上、改善に取り組む」と公約をいたしました。
軍備拡張については「強固な国防と強大な軍隊は国家の主権と安全、領土の強力な後ろ盾」として、この方向は今後も変えるつもりは無いということのようです。
この軍拡が周辺諸国にどのくらい軋轢をあたえているかはまったく意に返さない様子。間違いなくモデルはアメリカですね。
全体的には、これまでの路線を今後も続けるというだけのもので、新しい中共の希望はまったく見えませんでした。アメリカの場合は宇宙開発などで人類の未来の可能性などをぶち上げましたが、それは中共にはありません。
格調高い演説も、所詮「貧富差への対処と汚職の撲滅、そして軍拡の維持」というだけのこと。
世界第2位の経済大国の、国際社会に対する責任などはまったく言及されません。まさに希望なき大国ですね。だから嫌われるということも判らないようです。
その理由として、歴史作家で評論家の鳥居氏は「中国共産党は90年の歴史を、すべてを明らかにすることはできない」と述べております。
この共産党の歴史のちょうど真ん中、1966年に文化大革命が始まったということ。そしてこの文化大革命が「毛沢東の復讐心を込めた粛清だった」ことは今では誰もが知る事実であるということです。
そし鳥居氏は、「共産党はその文化大革命の系統的な研究を許していない」と厳しく批判します。「文革を生み出した大躍進運動と『3年の自然災害』についても、真実を伏せてきた。」とも述べておられます。
たしかに、この胡錦濤氏の演説を聞いても、経済大国にのし上がってきたのは、ここ20年ほどのことではなかったのかと思わずにはいられません。
それも半分は共産主義を捨てたような格好ですから、共産党の力が中国を躍進させたとは言い切れないのではないでしょうか?
中共の経済発展は、アメリカの膨大な購買力があったから成し遂げられたもの。そのアメリカはドル通貨の大量発行でレートを下げ、どうみても今後は輸出大国として復活しようとしているように見えます。
中共の一般国民にインタビューすると、「われわれ、老百姓(一般大衆・庶民)にとって重要なことは、言論の自由とか、検閲を受けないインターネットなんかじゃない。水洗トイレ、冷蔵庫、カラーテレビなんだよ」という答えが返ってくるとか。
経済戦略として、元との比較でドルが安くなり、これらの商品が老百姓にとって中共製よりもアメリカ製の方が安くなった時、それでも中共の発展が続くかどうか、そこがポイントなのかも知れません。
アメリカで作って中共に輸出した方が有利となれば、パナソニックもシャープもトヨタも、節操も無く中共向けの製造ラインをアメリカに移すのは目に見えていますから。
あと10年で中共は設立100周年を迎えます。それまでにどうしても台湾を中共に取り込みたいのでしょう。
アメリカの、台湾国民が認めた話し合いによる併合なら良しとする約束に対して、詭弁を使いながらも、着実にアメリカの空母(覇権)を追い払えば良しとする中共。ですから空母建造に必死なわけです。
あと10年、極東の海と太平洋は、どのように変わっていくでしょうか・・・
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