日本のだらしない政治混迷に比べて、台湾の政治は燃えているようです。
来年に迫った総統選挙に向かって、大陸派の「馬英九政権」か、それとも本土派「台湾民進党」候補者か、その論戦が始まる時期が迫っているからでしょう。
その前に「李登輝氏の起訴」などを行い、本土派を政界から締め出そうという大陸中共の卑劣な行為を、「李登輝友の会」のホームページで批判しています。
批判を行っているのは、大学教授らで構成される台湾教授協会です。その会長である「張炎憲氏」とか台湾独立建国連盟主席の「黄昭堂氏」、そして元駐日代表であり現在国連大学名誉教授である「羅福全氏」が、李登輝元総統の起訴に対し次のような抗議声明を発表しています。
1.馬英九氏は政権発足以来3年間、司法を尊重すると度々口にしながら、陳水扁前総統の件をはじめ、緑陣営(民進党など)の人物に限って立件されてきたのは明らかである。
2.馬英九氏は総統就任時、司法改革を推進すると宣言しながら、実際には司法を利用して迫害を行っているに等しい。これは新しい国民党の独裁政治である。
3.ここ3年間、馬政権は台湾の中共化を推し進めてきた。このため、多くの台湾本土派の人間が政治的に追い詰められており、李登輝元総統の起訴も、その一連の行動の一つである。李元総統の案件は10数年も前のもので、確たる証拠も存在しない。来年の総統選挙まであと半年というこの時期の起訴は、政治的動機が含まれているのは明らかである。
と、そのやり口を批判しています。中共が行ういつものパターンで、それゆえに「陰謀国家」と言うわけですね。日本も相当この手法でやられていますが、国民が気づかないのは、中共に操られているマスコミが隠蔽するからと、日本に台湾のような国家観のある政治家が皆無になってしまったからではないでしょうか?
国家観のある政治家は、マスコミでたたかれて消し去ってきましたからね。手法はほとんどこの台湾のケースと同じ。「不明な経理」とか「汚職の疑い」でした。
台湾の人たちは負けていないようです。台湾教授協会の抗議文には、さらに続きがあり、
・我々は李登輝元総統ともに「棄馬保台(馬英九を捨てて、台湾を守ろう)」を推し進め、「蔡英文候補」を支持する。
・台湾教授協会は、馬英九氏が選挙に勝利するため、政治的な凶器として司法を利用することのないよう希望する。また、台湾人民に対し、馬英九が台湾を追い込み、民主主義と人権を軽視していることを正視するように呼びかける。
・台湾の安全と民主主義を守るため、我々は李登輝元総統を支援するとともに、「棄馬保台」により、馬英九を引きずり降ろす・・・
としています。
そして李登輝氏の言葉として「私はもう90歳。死ぬことさえ怖くない。どんな圧力も李登輝を恐れさせることは出来ない!」という書き込みがしてありました。
ここで登場する「蔡英文(さい・えいぶん)候補」とは、現在の民進党総裁のこと。
http://hihistory.net/post/11960/
彼女は、馬英九政権の3年間で「失業、財政悪化、貧富格差の拡大などの問題が深刻化した」と批判、「若者に希望を与えられる国家造りをめざす」と立候補に当たって述べています。(若者の希望とは、台湾独立のことでしょうか?)
このままでは、「大陸中共に呑まれてしまう」という危機感の中、それでも財界は日本と同様に「中共の市場」と、「安くて質の高い労働力」という産業主義の幻想にとらわれています。
これが幻想に過ぎないというのは、産業そのものが見直しを必要としているインターネット時代になってきたからです。
中共は産業化による発展を、ただひたすら覇権の拡大の手段として利用しているだけ。軍備拡大とか、「新幹線技術」の扱い方などにそれが現れています。(高速鉄道の事故対処にも、中共の技術蔑視があらわれています。このままでは再び悲惨な事故が起きるのでは?)
ネット時代になっていることに気がついていて、どう対処したらいいのか、その政策が決め手になるのでしょうが、蔡英文氏が総統になったとき、そういう政策が打てるかどうか、大いに期待はしているのですけど・・・
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