「中華の復権」を謳い、中国共産党のトップに上り詰めた習近平主席は、一帯一路(シルクロード)の再構築と称して陸に鉄道網を、海に「真珠の首飾り」と言われる港のネットワークを構築し、回路と陸路を通じて大ユーラシア経済圏を作ろうとしているようです。
しかしこの中共の構想を、参加せざるを得なくなる各国は警戒していると言う、産経・宮崎正弘氏の記事がありました。
宮崎氏は、「習近平の独裁強化で世界から徹底的に排除され始めた中国」という本を出版されておられますし、その取材は現地に赴く体感取材ですから信憑性があります。
一帯一路に賛同した各国も。基本的には「投資は歓迎」だが中共の言う「シルクロード基金をもとに、各国に巨額の投資をしてインフラ整備のお手伝いをするのだ」といううたい文句には半信半疑で、それが今回の習近平独裁の色彩が濃くなったことで警戒に変わっていると言う訳です。
習政権は今年5月に北京で「一帯一路・国際フォーラム」を開催しました。プーチン大統領やミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問兼外相、トルコのエルドアン大統領も参加しましたが、インドはこれを拒否(つまり一帯一路には大反対)、日本と米国はオブザーバーを派遣して、お茶を濁したと言うことです。
中共が行っている南シナ海のサンゴ礁を埋め立てて造る海上軍事基地が国際法違反であることは十分承知しています。しかしもともと法律を守ると言う事を知らない華人ですから、力があればかまわないという論理で基地化を実行しているわけです。
フィリピンのドゥテルテ大統領は、軍事的にまだかなわないことを知っていますから中共に対しては緩い外交を展開ております。しかし国際司法裁判所での勝利を「家伝の宝刀」として、それを使うタイミングを見計らっているようです。
そこで中共はこの南シナ海の問題をはぐらかすためにASEAN諸国に代理人を作り、莫大な投資をし続けているようです。
ベトナム、マレーシア、インドネシアも本音では中共を嫌い、ラオスやカンボジアも中共は大嫌いなのだそうです。
ミャンマーは英国の影響で中共との関係を強化してきましたが、英国の方針がメイ首相になってから変わり、いわばはしごを外された形になってしまったようです。
この一帯一路は、華人による臓器略奪で有名な新疆ウイグル自治区を起点にして中央アジアを超え、旧東欧と北欧を経由地とし、モスクワを終点とするルートと、アゼルバイジャンから黒海を経由しトルコに行く鉄道ルートが設定されているとか。
また海の一帯一路の方は、南シナ海からマラッカ海峡を越え、ミャンマー、スリランカ、パキスタンのグワダル港から紅海の入り口であるジブチへ向かい、さらにスエズ運河を通ってギリシャのピレウス港に向かうルートと、ロシアを押しのけて北極海を横切るルートが提案されており、ロシアを苛々させているようです。
すでにアゼルバイジャンの首都バクーと、トビリシ、トルコの都市カルスを結ぶ鉄道が開通され、今年11月にはハンガリーの首都ブタペストで「中共+16カ国」サミットが開催されて李克強首相が出席しておりました。
東欧のアゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア(カフカス3か国)がEUから冷たくあしらわれたため、その隙をついて中共が手を出したものだと言うことですが、この危機を欧州はどう捉えているのでしょうか。
かつて、ローマ帝国の力の衰退が始まった西暦400年代、フン族(騎馬民族)の侵略があり西欧がひどい目にあったことを想起しないのでしょうか。
騎馬による戦術を知らなかった西欧は、このスピードのある戦闘に対応できず徹底的に叩きのめされたはずです。ここから「黄害(黄色い肌の人種に害されること)」という言葉も生まれたわけですし、首領のアッティラ大王の残虐性も記録されているのではないでしょうか。
ゴート族を蹴散らし、ゲルマン民族の移動を誘発し、そのためにローマ帝国の衰退が激しくなったわけです。
ガリア人(野蛮人)として恐れられたアッティラ帝国は、そのアッティラ大王が450年頃死亡すると急速に力を失い(結局は馬賊だったわけです。今の中共は匪賊ですかね)「黄害」は収束します。
その西欧に残ったフン族が作った国がハンガリー(フン・ガリア→ハンガリー)です。現在では欧州の血が濃くなりヨーロッパの国になっておりますけど。
そのハンガリーで行われた一帯一路のサミットに、この歴史的災いが再発しようとしていることに東欧の人達は黙っていて良いのでしょうか。現代のローマ帝国に相当するアメリカ合衆国は、あの時と同じように、衰退期に入っているわけです。
ローマ時代、馬は戦車を牽かせるエンジン役でした。馬に直接乗る戦術が欧州に伝わったのは、このアッティラが攻め込んでからだと思います。
日本人はもともとモンゴリアンですから、騎馬はモンゴルから受け継いでいたように思いますけど。
現在の武器は資本であり、それを上手く使われて侵略が始まっているわけです。はやく気付かないと400年代の災難が再び襲い掛かって来るように思えてなりません。
中共と言っても元は「フン・ガリア」なのですから、資本といってもバランスシートの法則に従うかどうかは判りません。そうでないような匂いがするので嫌われるのではないでしょうか。
しかし、嫌っているだけでは中共は侵略の手を止めることは無いはずです。
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