2016年10月1日土曜日

エッ、日銀の新政策だって?

中共からの爆買いは止まったようですが、日銀の日本国債爆買いはまだ止まりません。しかし、ここに来て黒田総裁は作戦を少しづつ変更してきているようです。
でも年間80億円づつの国債爆買いは今後も続けると述べておりますのでご安心ください。

いわく、「イールドカーブコントロール」を行うと言っています。なにやらわからぬ経済用語のようですが、ようするに市中マネーを増やすということです。

日銀は日本国債の爆買いによって保有国債も日銀資産も、さらにマネタリーベース(発行通貨)も3倍にしました。
これで景気が良くなりインフレが進むとの見方でしたが、やはり市中マネーが増えなければインフレ、いや経済成長は進まないわけです。当たり前ですね。
結局日銀と都市銀行に札束が積まれただけで、それが3倍になっても市中マネーは高々10%程度伸びただけだったのです。

そこでイールドカーブコントロールを行って市中マネーを増やそうと言うわけです。しかしどうやってコントロールするのか、そこがよく判りませんでした。
すると黒田総裁は、これまでの「適合的期待形成」から「合理的期待形成」へ返還し、市中マネーを増やすと述べたそうです。
つまり、オーバ-シュート型コミットメントをすることでフォワードルッキングに導くのだそうです。・・・これ、どういう意味なのか・・・

まったくどうして難しい言葉でごまかそうとするのか、だから信用を無くすんですよね。

言ってることはようするに、2%以上の物価上昇を行うと言っても、その後再び戻ってしまうのではないかという期待で消費が伸びないのであるから、はっきりと今後2%の物価上昇を続けていくことを目標にすると言うわけです。
このコミットメントに反応して、物価上昇が現実となれば現在の消費が活発になり、結果的に市中マネーが増加すると言うわけです。
物価が上がるから今買おう、早く買おう、という動機づけが出来ることが「合理的期待形成」というわけです。

ようするに通貨価値が未来に下がっていくことがはっきりすれば、消費者は買い控えをしないで早めに購入しようとします。販売が好調になれば工場も生産が活性化し、人手不足は機械化・合理化で解決を目指し、ゆえに設備投資も活発化するわけですね。

そうすると設備資金が必要となり銀行は貸出が増加、市中マネーが増えるわけで、給料も上昇に転じ、さらに消費は進むという目論見です。
正方向の資金回転が生まれることで、デフレ脱却は確実となり、財務省が大好きなインフレ抑制の経済政策も使えるようになります。

銀行にとって、現在の貸出金利では業務的に利幅が少なすぎて商売にならないと言うことです。ですから長期金利を上げてマイナス筋ロイをゼロ金利まで上げる算段が必要だとか。
イールドカーブ(利回り曲線)が水平状態から右上がりの傾斜が出てくれば、貸し出しにも力が入るそうですね。

この黒田総裁の政策には公共事業のことは入っておりません。しかし公共事業でドライブを掛けないとすべての動きが出てこないように思うのですが。
公共投資は政府が民間に仕事を発注することです。そのための資金は国債の発行しかないはずです。古い国債は日銀が買いあげていますから、政府は新規建設国債が発行できるわけです。
政府借金の額は変わっていませんから、数字上は今後2000兆円とか3000兆円になって行くでしょうが、日銀が買った国債の金利は政府が日銀に支払い日銀はそれを国庫に戻すわけですから何の問題もありません。(政府が国庫から出して日銀に利息を支払い、日銀がそれを国庫に戻すだけ。やってもやらなくても同じです)

公共事業はいくらでもあります。これまで予算がない(財務省の立場から見ただけです)から出来なかった危険な道路や橋梁、トンネルなどへの手当とか、高速道路をネットワーク化して混雑緩和から過疎地対策まで。地方の活性化には地方のインフラ整備が最も有効ですね。
欠落していた防衛装備も、民間活性化に役立つでしょう。兵器開発も、非殺傷兵器、非破壊兵器などの強力型を開発すれば、テロ対策など国際的にニーズはかなりあるのではないでしょうか。

生産性が上がると、工場が動いても労働者は不要になって行きます。それを知っている若者たちは自分たちで起業していますが、そのほとんどが「合同会社(LLP)」です。
LLPは法務省ではなく経産省の管轄で、これまでの利益追求型株式会社とは少し異なる形態の会社です。

今後グローバル資本主義が株式会社の利益の奪略を始めるようですから、この合同会社のあり方も考慮し、公共資金を回す政策も必要になるかも知れません。
建設会社は建物を作りますが、このような合同会社は建物ではなく街とか人間関係、地域社会を作るわけです。その部品として建物もお店も存在があるわけです。
http://www.koto-lab.com/
このような考え方で自動車とか自転車も部品として設計を考えていくと面白いのではないでしょうか。シビックエコノミーというような表現をしていますが、シビックとは市民のこと。市民の反対は奴隷になりますし、生産をつかさどるのは奴隷ですからあまりいい表現とは思えませんが・・・

少なくとも多様化する需要に対して、これまでの工場型生産性向上ではうまく行かなくなる可能性もあります。

生産性が個人の消費生活に掛かってくる社会が始まりそうですからね。

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