G20で、南シナ海の中共の主権主張を退けた7月の仲裁裁判所の判断を各国が遵守するように求めたわけですが、ロシアのプーチン大統領は中共の主張を支持すると発言しました。
その理由は、「仲裁裁判所は、訴えを起こした国の意見は聴いたものの中共の主張は聴取されていない」と言うことと、「第三国の介入は『有害で非建設的』だ」との2点だそうです。
そのことから、仲裁裁判所の判断は公正とは言えないとして、ロシアは介入しないとの方針を明言しました。
また、ロシアと中国の両海軍が南シナ海で9月中旬に予定している合同軍事演習については、両国の安全保障のためのもので、実施するそうです。
安倍首相は、次の会議「ASEAN首脳会議」でも仲裁裁判所の判断を受け入れるように中共に求めるでしょうから、この点ではプーチン大統領とは全く異なる立場となります。
プーチン大統領がこのような判断を下すのは、国際関係における人権とか国際秩序(国際法)などという文言を欧米諸国が他国を抑圧するときによく持ち出すからではないでしょうか。
人権という言い方で同性愛とか性的異常者を擁護されてはたまらないというプーチン大統領の判断があるからかも知れません。
時を同じくして、フィリピンのドゥテルテ大統領とオバマ大統領の会談が中止になりました。オバマ大統領が。薬物犯罪取締り現場で、警察官に射殺された容疑者の人数が1000人を超えたことを問題視して議題にあげる意向を示したため、ドゥテルテ大統領が「その話を持ち出すんじゃない。あんたをののしることになるぞ」と述べ、「アメリカはインディアン(アメリカ先住民)を皆殺しにしたではないか。どの国も超法規的な殺人をしてきた。なぜフィリピンの犯罪対策だけが問題になるのだ」とアメリカに抗議したからです。
オバマ大統領が「世界の警察官」をやめた時から、もうどの国もアメリカの言うことを簡単には聞かなくなっておりますし、また行き過ぎた人権擁護にも問題が出てきております。
いつまでも解決しない麻薬問題は、フィリピンだけでなく、南米コロンビアやメキシコ、ペルー、ブラジルなどでも戦争もどきの紛争が生じています。
現金主義と貧困が原因とはいえ、麻薬問題には早く決着をつけないと、人類的規模での問題ですからね。
アメリカ発の、このような行き過ぎた人権擁護や、それゆえの犯罪の助長などが問題になるのは当然で、サヨクに利用されたヘイトスピーチ法などまでが出てきています。
排気ガス規制とか地球温暖化なども、そのうち中共やロシアからやり玉に挙げられるでしょう。
このような世界の変化を安倍首相はどのように捉えられているのでしょうか。
これまでは「夜回り(警察権力)はアメリカにさせておけば良い」などと言っていた政治家も居ましたが、そのアメリカが警察権行使を降りたのですから、もう任せられないわけです。(大統領が変わっても、もう元には戻せないでしょう)
かといって、日本国憲法という「自国を守れない憲法(アメリカ頼み憲法)」を改正しようとしても、国民投票で日本国民は警察権行使(軍事力行使)などイヤダという人で多数を占めそうです。
櫻井よしこ氏によりますと、平和ボケで我が国日本の自衛戦争さえ認めない男性が3割、女性では5割を超える国民が居るとか。彼らは一体平和とはどうすれば得られるのか考えたことがあるのでしょうか。
誰も戦わなければ戦争は起こらないなどと思っているのでしょうか?
もしそうなら、学校にイジメは無いでしょう。学校のイジメは戦うことを拒否した結果、表出した現象だと思うのです。「争ってはいけません」という先生は、単に自分が楽をしたいから言っているのではないでしょうか。そこを子供に見透かされて、イジメがエスカレートしているだけだと思います。
話を元に戻します。世界の警察官をアメリカが辞めたことによって、人権問題はもはや「武力によってでも人権を擁護する国」は無くなります。環境問題(温暖化など)も挫折し始めるでしょう。当然同性愛や性的弱者に対するイジメも再開するはずです。
そして国際法も世界の秩序も失われる事になるわけです。それを察知したプーチン大統領が「中共を支持する」としたのは、まだロシアの準備(経済)が出来ていないからではないでしょうか。理由などはどうでもいいことですね。
中共との軍事演習は、中共の軍の実力を確認する唯一の方法ですから、これは中止しません。
いったい今後、世界の秩序を守るのは誰なのか、どうやらプーチン大統領は日本に期待したいようです。
G20の前にウラジオストクで行われた日露首脳会談。そこで安倍首相とプーチン大統領がプレゼントの交換をしたことはご存知ですか。(マスコミにはほとんど報じられませんでしたね)
安倍首相はプーチン大統領に日本の「鎧」をプレゼントしました。それに対してプーチン大統領は一振りの刀を安倍首相にプレゼントしたのです。その刀は、昭和天皇即位の直後に30振り作られた名刀で、どうしてそれをプーチン氏が持っていたのかは判りません。戦後GHQあたりが持っていって、どういう経路か判りませんが、プーチン氏に渡ったのではないかと思います。
詮索しても意味はありません。ようするにプーチン大統領は日本に刀を持つように示唆したと取れるのです。それも日本の「刀」です。
「道義に目覚め、日本が立て」というメタファー(隠喩)にも感じられます。道義とは実践する正義です。机上での正義ではなく、戦って勝てる正義を「道義」とするのが我が国の「武門」の教えです。
プーチン大統領が中共の言い分を支持したのは、裏を返せばアメリカの正義を否定したわけです。共産主義者や、イスラム原理主義者、そしてドゥテルテ大統領などがアメリカを非難してきたそのポイントを、プーチン大統領が一言で指摘したことになります。
そしてその前に、「本当の正義はこれだよ」として安倍首相に一振りの名刀を差し出した・・と言う様に見たのですが、さて、今の日本国民にこの難しい内容が通じるでしょうか?
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