2016年9月25日日曜日

やっと引き渡し、F35ライトニング

1955年から使われてきたF4ファントム?(マクドネル社)の後継機として予定されたF35Aライトニング(ロッキード・マーティン社)の日本向け初号機がやっと航空自衛隊に引き渡されました。

F35Aですから通常離着陸(CTOL)機です。F35Bのように垂直離着陸は出来ませんし、短距離離陸も出来ません。また、F35Cの艦載機(CV)型でもありません。
しかし統合打撃戦闘機計画(JSF)に基づいて開発された機体ですから、間違いなく今後の航空防衛システムは変わっていくでしょう。

F35の特徴は何と言ってもそのステルス性能にあります。ステルス性能は、レーダー反射断面積(RCS)の値として評価されますが、F35は0.005平方メートルになります。空を飛ぶ大型の鳥が約0.01平方メートルですから、レーダー上は鳥よりも見えにくいということになります。
もっともステルス性能はF22ラプターが0.0001平方メートルで現在の戦闘機としては一番見えにくいと言うことですけど。
敵国・中共の「殲20」がどのくらいのステルス性能があるのかは判っておりません。

近代の航空戦闘は、戦闘機の存在が判れば直ちにロックオンし、ミサイルを発射するわけです。目視での発見はもう無理ですから、レーダーの性能向上が勝敗を分けました。しかし、レーダーに見えにくくすることは、先に敵機を発見することを容易にします。
発見が遅れるとそれだけで撃ち落とされてしまいますからね。

F35はマルチロール機です。ですから同じ飛行機で多目的に使えるわけです。装備を変えていくことで・・・

現在は、アメリカ空軍にはF35Aが1763機納入する計画で、アメリカ海軍にはF35Cが430機納入する計画だそうです。
また、海兵隊にはF35Bが350機、そしてF35Cが80機納入される予定だそうです。

さらに、英国にはシーハリアーFA2の後継機としてF35Bが予定されていて、空軍が90機、海軍が60機を予定しているとか。
そしてイスラエルにはF-16A/Bの後継機としてすでに納入されていて、最終的にはF35AとBが合わせて200機近く納入されるとか。

イタリアもトーネード IDSとAMXの後継機としてAとB合わせて131機を予定しています。
オーストラリアもF/A-18A/Bの後継として100機の納入が予定されているそうです。
オランダにもF-16AM/BMの後継としてA型を85機導入する計画だとか。

そしてトルコ、ノルウェー、デンマーク、韓国、カナダ、シンガポールとF35はアメリカの同盟国へ配備していく計画のようですね。

今回10月に日本に納入されるF35は、2018年まで西部アリゾナ州の空軍基地で空自のパイロットの訓練が行われ、それから青森県の三沢基地へ配備されるとか。
テキサス州フォートワースのロッキード・マーチン社の工場で行われた引き渡しの式典では、若宮健嗣防衛副大臣が参加し、「日米同盟強化の象徴だ」とアピールしたとか。

アメリカはF35を使って情報収集を徹底する戦略のようです。ステルス性能だけでなく、F35は他の航空機や艦船と情報共有できる能力が従来機と比べ飛躍的に向上していると言うことで、同盟国間の情報共有を可能にして、自由主義世界を守るという戦略なのでしょう。

しかし、同盟の常としていつ寝返られるかわからない事も確かであり、その為にF22のステルス性よりもF35の方を一桁落としてあるのかも知れません。
ということは ,F22とF35を闘わせればF22の方が優位にあると言うことでしょう。

しかし日本はF22のステルス性能よりも高いステルス性能を求め、またより高次元の戦闘機の開発に着手しています。
今年4月に初飛行した「心神」が、先端技術実証機となっているのは、心神を使って今後の航空機データーを採集し、第6世代戦闘機を目指すということですが・・・

F35の戦略から判るように、すでに戦闘機は情報収集のためのターミナル機器の要素が強くなり、今後は無人機から人工知能を使ったロボット兵器に変わっていくように思います。
ですから第6世代戦闘機と言うものにどのような機能が必要なのかどうか、そこも考慮しなければいけないでしょう。

推力を大きくし、パワーアップしたジェットエンジンよりも、小型で極めて音が小さなジェットエンジンが求められるかも知れません。
完全に消せない音は、位相反転した音で消す技術が求められるかも知れません。

低空で近寄り、気付かれないように情報を収集することもテロ戦争では必要になるでしょう。

日本も今、テロの戦いが始まっています。尖閣周辺に現れた中共の漁船の大群は、偽装漁民であり、南京攻略の時の便衣兵と同じテロ集団と考えて良いでしょう。

F22よりもステルス性能を向上させた第6世代戦闘機は、アメリカとの戦争を想定すれば必要かも知れませんが、今後の敵はアメリカではないことは確かですからね。

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