東京都の小池百合子都知事は8月31日の午後記者会見をして、築地市場の豊洲移転が11月7日になっていたが、次の3点がクリアされていないので延期すると発表しました。
その3点とは、
・土壌汚染の調査が終わっていないこと。
・建築などの費用が当初から3倍に膨れ上がっていること。
・豊洲市場の使い勝手が悪いという問題
のことです。
土壌汚染については当初から地下水の最終調査が行われるのが11月18日と決まっていたのに、なぜそれを待たずに11月7日に移転することを決めたのか、その経緯が判らないと言うことです。
敷地内200か所の調査ではベンゼンなどの含有が基準値を下回っており問題はなさそうですが、小池都知事は正確に11月18日の調査と、その結果が判る来年1月以降でないと移転はしないことを明言しました。
それに伴う業者負担ですが、ある業者の豊洲で使う冷蔵庫のリース料が付き700万円かかるとの話があるそうです。この点について小池都知事の後に記者会見を行った小島氏(東京都職員)が、月700万円と言う金額は実稼働してもなかなか資金繰りが苦しいのではないか、などと話しておられました。
築地市場の老朽化はすでに表面化しておりますから、移転自体は早急にやらねばならないことも都知事は理解しています。しかし、都知事選挙の真っただ中で、小池氏有利となってから築地市場の「取り壊し業者」が決まるなど、あの内田氏のやりそうなことで、何か引っかかります。
小池都知事はこれからプロジェクトチーム(PTと表現しています)を作って専門家の人に判断してもらうと述べておりましたが、築地の豊洲移転問題と築地の跡地を五輪のための環状2号線として工事することなどがあり、間に合わないとの指摘もあるわけで、今後の小池都知事の裁量が気になります。
築地の豊洲移転と五輪のメインストリートとなる環状2号線の築地を通す工事など、築地市場取り壊し業者の決め方などを見ていると他の工事もすでに決まっているのではないかとも疑いたくなります。
2020東京五輪には多くの利権の相克が現れます。おそらく内田氏に付いていれば大丈夫という業者も多く居るのでしょう。
東京都議員団の「われわれにとって、内田先生は東京都の宝、東京都の財産だ。リーダーは間違いなく内田先生だ。内田先生は都政の宝であり、都議会の宝であり、全国地方自治の宝であると信じて疑わない」などという言葉の中に、なにやら得体のしれない利権の権化を感じるのです。
「五輪を成功させるためには、(内田先生に)もうひと働きも、ふた働きもやってもらわないと、なかなか成功しない。」などという石原伸晃前経済再生担当相の言葉にもそれが現れております。
おそらく内田氏は利権の相克を上手にさばいて来たからではないでしょうか。
小池都知事の下ではこのような面倒なことを都の職員がやらねばなりません。そこでこのようなセリフが自民党議員の口からも出て来るのだと思います。
小池都知事は、まず東京都の中小土建業者に対して「内田氏に付いてももうだめなんだ」と言うことを明確に示さねばならないでしょう。
そのためには先ず、もし現在決められているような工事受託があれば、それを白紙に戻すことです。そして公開入札のような東京都の方式に切り替えていかねばならないはずですね。
都職員は大変ですね。談合体質の人達が多い業界ですから、公開と言っても裏で話し合いなどがなされ、さまざまなグループが相互に美味しい仕事を取ろうとします。
そこを上手に調整することが都職員に出来るでしょうか。うまく出来ないとこんどは都議の方に陳情があり、そこで都議が上手くやらないと次の選挙に落ちるという本来の姿になるわけです。
これは都職員にとっても、都議会議員にとってもつらいことです。いままでは内田さんに任せておけばよかったわけですが、小池都知事になれば辛い仕事が待っているわけです。
小池候補が石原前経済再生担当相に「いつまで東京のドンに任せるつもりか」と恫喝したのは、それが都職員の甘えであり、都議会議員のサボりであることを指摘したものでしょう。
本来ならばそれを調整するのが都職員の仕事であり、都会議員の都民との接触による都職員との調整であるはずです。
そこをすべて内田氏が押さえたことが、もしかしたら豊洲移転の費用が3倍になったり、五輪に関わる利権が内田氏の元に集まるようになっていたのかも知れません。
移転の11月7日に焦点を当てて準備してきた業者は憤りと反発を強めています。築地市場協会は被害額を算定し都に負担を求める方針で、移転延期の中止を求める仮処分の申請についても「選択肢の一つ」などと述べております。
まことにお気の毒ですが、ともかく選挙の結果は小池百合子候補が勝ったのです。都民は小池氏の方を選んだわけです。
小池氏には頑張ってもらわなくてはいけませんし、都職員も都議会議員も、本来の職務としてこの辛い仕事をやってもらわなければならないのです。
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