2016年6月11日土曜日

ついに軍艦、緊迫の尖閣諸島周辺

事態は戦闘開始への道を意味しています。6月8日から9日に掛けての尖閣諸島周辺の接続水域で起きた事件です。

まず、8日に九場島と大正島の間の接続水域にロシア軍の艦艇3隻が航行してきました。これが21時頃の出来事です。
このロシア艦艇は、海自護衛艦「はたかぜ」によって補足されており、8日の21時50分、艦隊は久場島と大正島間の接続水域に入っったことも確認されております。これは想定通りの無害航路だったようです。

このロシア艦船の動きに合わせて、予想外に中共の軍艦が動きだします。そして9日0時50分頃に、久場島の北東の接続水域に入ります。
侵入してきたのは中共の海軍ジャンカイI級フリゲート(排水量約4000トン)1隻だったそうです。これも海上自衛隊の護衛艦が確認しました。

9日午前1時、議員宿舎で就寝していた菅義偉官房長官に携帯電話で連絡が入ります。「尖閣諸島に中共の軍艦が侵入」と言う訳です。
またそれより10分前には、海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」が防衛省を経由してシンガポール滞在中の中谷元防衛相に伝えられていました。
防衛相はただちに「情報収集を徹底し、警戒監視を強化せよ」という命令を出しました。

深夜の尖閣諸島、その接続水域で日本、ロシア、そして中共の3か国の軍艦が、一触即発の事態を迎えていたわけです。
ここでどこかの艦船が発砲すれば、それが戦闘開始の合図になったでしょう。

外務省の斎木昭隆事務次官は、午前1時に中共の駐日大使・程永華氏を外務省に呼び出します。程永華氏が外務省に現れたのは午前2時。
斎木次官は「中共側の行為は一方的に緊張を高めるような行為だ。日本側としては受け入れるわけにいかない。ただちに接続水域から出るように」と要求を出します。石兼公博アジア大洋州局長も劉少賓・駐日中国大使館次席公使に電話で抗議したそうです。
これに対して程永華氏は、「……。本国に直ちに伝える。次官はお分かりだと思うが、尖閣諸島は中共の領土だ。抗議は受け入れられない。ただ、こちらも事態がエスカレートすることは望んでいない」と述べたとか。

問題はこの時の程永華氏の様子です。どうやら程氏は、この事態を知らされていなかったように見えたと斎木氏は言います。
また、外務省関係者は「中共の外交部は中共の海軍の動きを知らなかったのだと思う」と分析しているそうです。中共指導部はバラけてしまっているように見えますね。

公邸に宿泊していた安倍首相は、8日夜からリアルタイムでフリゲート艦の動向について連絡を受けていて、中共の軍艦が接続水域に入ると・・・
(1)不測の事態に備え、関係省庁が緊密に連携して対処。
(2)米国をはじめ関係諸国と連携を図る。
(3)警戒監視に全力を尽くす。
という3つの指示を即座に出しました。

そして官邸の危機管理センターでは「中共海軍艦艇の動向に関する情報連絡室」が直ちに作られ、西村泰彦内閣危機管理監を中心にしたオペレーションが動き出したそうです。

そして9日午前1時50分、防衛省では自衛隊幹部が緊急招集され、対処方針が確認されたと言うことです。

それからの約1時間、緊迫の東シナ海で、3か国の軍艦の搭乗員は引き金に手を掛けながら本国の命令を待っていたのではないでしょうか。
そしてこのような事態は、今後も続くことが予想されます。

今回は、午前3時にロシア艦船が接続水域を出ていって、それから10分後に中共の海軍艦艇も接続水域から出ていったと言うことです。

戦闘にはなりませんでしたが、今後も続くであろう挑発行動にいかに対処していくかは、国会議員にとって常に頭に入れておかなければならない事柄です。こちらがいくら「平和的に、話し合いで」などと言っても、向うから攻め込んで来たんですからね。特に野党の「平和的、話し合い」と言う言葉は、言葉だけで何もしないことなのです。どのような話し合いをするかさえ念頭には無いでしょう。

日本の民進党は、「3分の2を取らせないこと」などと書いたポスターを作っていると言うことですが、接続水域にまで軍艦に攻め込まれているという現実をどう考えているのでしょうか。
あの憲法があれば、「攻め込まれることは無い」なんて本気で思っているのでしょうか? 特にこれからの中共は軍部が勝手に動き出すかも知れません。だから指導部と話し合っても軍部が言うことを聞くかどうか判らないのです。

ともかく今回は安倍内閣の安全保障のシステムが機能しました。少し安心はしたのですけど・・・

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