2015年6月19日金曜日

ロバート・D・エルドリッジ氏の講演

6月15日、憲政記念館でロバート・D・エルドリッジ氏の講演がありましたので、行ってきました。

彼は阪神淡路大震災と東日本大震災という日本の災難を2度も経験したアメリカ人です。
そして沖縄のアメリカ軍海兵隊に属し、東日本大震災では震災直後に土建屋から、「遊んでいるブルトーザーやユンボ」を集めて米軍ヘリで仙台空港に運び、先ず仙台空港の滑走路を使用可能にして、それから被害状況をアメリカ本国に送り「トモダチ作戦」を立案、自衛隊との協力で災害の一次復興を成し遂げた人物です。
軍人らしい発想と、危機対応の素早さ。それによって何人の日本国民が助けられたでしょうか・・・

そしてまた彼は政治学の研究者でもあり、ヴァージニア州リンチバーグ大学国際関係学部卒業してから神戸大学大学院法学研究科(日本政治外交史)博士課程を修了した政治学の博士でもあります。
論文として「戦後日米関係における沖縄」、「サンフランシスコ講和条約と沖縄の処理―『潜在主権』をめぐる吉田・ダレスの『交渉』」、「沖縄問題の起原」があります。
1968年生まれで現在43歳、一番輝いている若き政治学研究者でもあります。

沖縄のサヨク活動家「山城博治氏」の米軍基地侵入行為で逮捕された時の発言「俺は黄色のラインは越えていない。冤罪だ」との発言と、それを擁護する沖縄の新聞、そして社民党や共産党の「不法逮捕」発言で安倍内閣を貶める動きが出てきたとき、エルドリッジ氏は基地のフェンスから一部始終を映していた防犯カメラの映像を、インターネットに公開してしまったのです。

山城博治氏の「嘘発言」は、明確な映像で暴露されました。そしてこの映像公開が「非公式なルートで不適切に公表した」として、在沖縄米軍海兵隊外交政策部次長の職を解任されてしまったのです。

講演に先立ち、エルドリッジ氏は、「おかげで私は元の研究者に戻ることが出来ました」と述べていましたが、生活などは大丈夫でしょうか。
その彼に、沖縄の保守を指導する「手登根安則氏」が協力して、「一般社団法人・沖縄国際交流政策研究所」を設立し、この講演会は「設立記念講演会」でもあったわけです。
https://www.youtube.com/watch?v=mt5S0CwMfkk&list=PL20I0V4187OIORRHsaelL6D1nySYQdRXe

エルドリッジ氏は、あの大東亜戦争後の日米交渉を分析しております。そして戦後70年を経た今、アメリカの当時の極秘公文書が次々に公開され始めています。
ですからこれからのエルドリッジ氏の研究は、これまで隠されていた戦争直後からの日米関係の真相が焦点になるはずです。

そしてこの研究こそ、日本国憲法の経緯やマッカーサーの誤解とその後の発言の真意が判り、そして戦後レジームの欺瞞に満ちた正体を明らかにするのではないかと言う期待を持っております。

エルドリッジ氏は「原点は沖縄」という発想をしています。
そしてそれは、むしろアメリカ本国の内政にも言及していきます。国務省と軍部の、沖縄の扱いをめぐる対立、そしてその経緯など。
日本に主権が無かった時代、日本の歴史はアメリカの国務省と軍部によって作られていきます。そして吉田茂首相がそこに如何なる交渉を仕掛けていたか、日本からだけでは見えなかった部分が見えてきます。

注目したいのは、アメリカ国務省と日本の財界、特に報道関係と教育関係、そして公務関係の扱われ方です。ここに日本の戦後のねじれ現象を生み出し、現在もなお活動する「サヨク」の原点がありそうですし、サヨクを使った既得権維持の構造も明らかになるかも知れません。

日本の再軍備を阻むのは、日本の「サヨク」なのか、それともアメリカ「国務省」なのか、そんなことも興味津々です。

過去の真実がはっきりすれば、未来の構築も狂いません。
大東亜戦争後、世界を支配した「核戦力」。しかしそれも今は、新たな「レーザー砲での防御」技術の進展によって過去のものになりつつあります。

戦争を政治の一形態と見れば、戦争を行うのも止めるのも政治のあり方ひとつです。情報網の発達は間違いなく戦争抑止に動いています。
この抑止を阻害して動く反動分子に出来ることは、「テロによる戦争挑発」だけのようです。ISILやウクライナなどの戦いを見てそう感じます。

エルドリッジ博士は、安全保障の概念に「軍事行為と防災行為」をパッケージ化する発想を持っているようです。それは沖縄・普天間基地の跡地を「防災拠点として東アジアと日本全土をカバーする基地」にするという発想を持っているからです。

アメリカ軍と自衛隊の共同活動であった「トモダチ作戦」で、きっとエルドリッジ博士はその実現可能性に自信を持ったのではないでしょうか。

エルドリッジ博士の発想に期待を込めて、エールを送ります。

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