安倍政権は、中共の王毅外相と中共の王家瑞中央対外連絡部長に対し、「尖閣諸島周辺の領海侵入を即刻止めるよう求めた文書」を送付したと発表しました。
アメリカの対中政策が変わってきて、南シナ海での戦闘も視野に入ってきたため、東シナ海での防衛も戦闘状態になることを想定した交渉が始まったと考えられます。
これに対する中共側の応答は「日本に尖閣のことを言う資格はない。日本は過去の歴史と向き合い、中共と敵対してはならない」などと言うものでしょう。どうでもいいですけどね。
アメリカの半分、即ち金融・資本系は、大陸の政権が「共産党」である限り大陸進出は不可能と見たようで、そこがターニング・ポイントになったようです。
もちろんAIIBによる人民元のドル覇権破壊工作もアメリカを怒らせたのでしょうけど。
そうなればアングロサクソンの出番です。力による中共封じ込めが始まります。
オバマ大統領が、TPPへの中共の参入の可能性について論じたのは、本質的には中共ではなくその次の民主中国になること(すること)を想定した戦略かも知れませんね。
経済破綻が目に見えている中共は、盛んに経済復活を狙った政治的手法を打っていますが、どうにもならないようです。
民主主義の国家と違って、資本の蓄積がありません。外貨準備は相当減ってきたようで、このままではADBから借りたお金も踏み倒すかもしれません。
国内ではデモと称した暴動が頻発しているようですし、香港も今は静かですが自由を求める香港人が納得しているわけではないでしょう。
アメリカに亡命している人権派の勢力も、本国復帰を狙って準備をしているかも知れません。
習近平主席の周りには、汚職摘発によって権力を追われた人物も、敵対勢力として多く居るようです。
4月に北京で李克強首相と合った沖縄の翁長知事は、「尖閣は私も日本固有の領土と思っていますが、しかしこれを、いまの状況で小競り合いが起きたら、石垣島の観光、100万人の観光客がちょっとしたいざこざから10万人に落ちる。風評被害ですら40万人落ちるわけですから。100万の人が10万に落ちる。ですから、尖閣でいざこざは起こしてほしくない。」などと申しておりました。この「観光客が減るぞ」という脅しは明らかに中共政府の代弁でしょう。
中共からの観光客が減るのは、経済破綻が明確となり人民元が暴落した時です。それまでは「使えるうちに使う」という中共国民の動向は変わるはずがありません。もっとも政権が禁止すれば来なくなりますけどね。
中共の財政のやり方では、拡張を押さえれば人民元がパンクします。力による封じ込めは中共の拡張を押さえて経済破綻を誘発する作戦のようですから、戦闘になるかどうかは経済破綻のタイミング次第になるでしょう。
この「封じ込め」は、習近平主席が政権を降りるまで続くはずです。
日本は日米関係に注意していなければならないでしょう。習政権が終わり、その隙にアメリカ傀儡の自由主義政権が始まれば、一斉に資本が中国大陸に流れ込みます。
AIIBが透明性を出し、理事会も開かれるようになり、そこに中国人以外が入り、アジアインフラ投資銀行としての機能が動き出せば、アメリカは中国大陸に入れ込み、日本が蚊帳の外の置かれる可能性もありますからね。(英国と話は付いていたのかも知れませんね)
大陸が草刈り場となり、国有企業が民営化され、欧州資本も入ってくるでしょう。中国は再び世界に躍り出る可能性もあるかも知れませんが・・・
アメリカによる中共封じ込めの目的は、当然日本の為ではなく、またアジアの友好国の為でもなく、単に中国大陸への金融覇権が目的でしょうからね。
東シナ海は日本によって封じ込めさせるのは当たりまえですし、日本はそうすべきです。しかしアメリカの本音を見間違わないようにしましょう。
少なくとも日本人よりも中国人の方が、ミクロ経済にかけては扱いやすい価値観で、大いに金利を払ってくれるでしょう。(中国人には金銭的モラルが無いことと、金銭に対するバイタリティはすごいですから)
習政権は必死にアメリカに抵抗を試みるはずです。それが戦闘になるかどうかは微妙なところですが、中華思想の膨張主義に対しては、力による封じ込めしか対策はありません。
中共が19世紀から20世紀の国際社会の認識ですからこうなるわけですが、時代は変わっています。すでに経済はアジアにシフトしていますし、今後南米、アフリカという順序も見えてきています。
中国大陸の責任は華人が持たなければなりません。アメリカが経済覇権を狙っていても、華人がしっかりしていれば国家主権を売り渡さなくても大丈夫です。しかし、それが出来なければ戦争と混沌が始まるでしょう。
中国大陸が無政府状態になれば、その害悪はアジア全体に及びますから要注意です。中国共産党が自滅するのは仕方がないにしても、無政府常態は何とか避けたいですね。
こういうナーバスな対応がアメリカに出来るといいのですけど・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿