最近、中共の株式市場は「午前中に大幅に下落し、午後に反発するという動きを繰り返している」ということです。これはクレディ・スイス中国証券研究主管の陳昌華氏が指摘した言葉で、氏は「今後6カ月以内に中共株式市場のバブルは崩壊する恐れがある」と指摘しているとか。
陳昌華氏はこのような状況を、「インターネット・バブルが崩壊する直前の2000年ごろにも、香港や米国の株式市場で現在の中共株式市場と同じ状況が見られた」と述べておりますが、中共の場合、資本主義的な回復力があるかどうかは判りません。
中共経済には奇妙な現象が見られます。各工場が生産過剰で在庫が増大しているのに、高い価格の外国製品を輸入しているという現実です。
日本への中共からの旅行客が、電気炊飯器やウォシュレットなどの日本の製品を大量に買っていく姿を見れば、その異常さも理解できますね。電気炊飯器などは自国でも製造しているのですから。
1人に10台以上買われた炊飯器は、お土産ではなく大陸に戻ったら中共の金持ちに倍近くで売るのだそうです。そしてそれでも売れるそうですから、いかに中共製品を信用していないか、そして「made in Japan」などがブランド化しているという、歪んだ状況になっていることも判ります。
自国に積まれた在庫の山は、AIIBで融資する途上国などに買わせようと言うアイディアだったようです。しかし、そのAIIBのお金をアメリカと日本に出させようと言う思惑は、今のところ保留になっております。
もう一つのバブル崩壊現象は、不動産価格の下落傾向が鮮明化してきたことです。中共政府は国内の不動産バブルの後始末に腐心しているそうですから、そこに株式バブル崩壊が生じれば、中共経済はさらに悪化することは目に見えております。
バブル崩壊は、熱狂している投資家の数より冷静に判断を行う投資家の数が多くなれば始まるそうです。そしてその光景は、過去の歴史の中で幾度となく繰り返されてきました。それが、そう遠くない時期(陳氏によると6か月以内)に「中共バブルは崩壊する」という懸念を生んでいるわけです。
現在、世界の主要国は非常事態対応の金融緩和策によって金余り状態になっています。そのお金が株式市場などに回り、世界的な株式バブルになっていると考えられますが、そのけん引役が中共の株式バブルだったようです。
ということは、中共のバブルが崩壊すれば、その影響は世界中の株式市場に及ぶでしょう。時として「金融市場は暴力的に間違いを正すことがある」ということです。
世界の投資化がどのくらい中共から資本を退避させているのか、それは判りません。世界中の年金や保険などの金融商品は、ウォール街などで運用されています。
すでに中共から退避した資本は南米地域に動いているという噂は聞きます。アメリカがキューバとの和解を始めた裏には、「今後の経済発展は南米地域だ」という思惑が働いているからだそうです。
アメリカの若者が敵視するウォール街ですが、それでもここが世界中の年金とか保険金を運用していることも事実で、ここが失敗すると我々の年金なども影響を受けるでしょう。
南米地域が今後発展すれば、資本は正常に働き、我々の年金も安全だということになります。
この南米を反米にしていたのは、主に欧州ではないでしょうか。
欧州の植民地支配は、少なくともアジアからは大東亜戦争の影響で排除されましたが、南米はまだスペインやポルトガルなどから来た移民の末裔が牛耳っています。あの時日本は、南米のことまで手が回りませんでしたからね。
彼らは農園を経営し、現地人を使用していますが、その現地の人達に資本集積をさせません。こうして貧富差を維持して、欧州から持ってきた貴族主義を貫いていました。
ですから基本的にアメリカの世界観(プロテスタンティズム)に反発が強いわけです。南米の反米はこのような理由ですから、なかなか発展が出来ないできたわけです。社会主義政権のところも、しょせん欧州社会主義で、貴族主義の権力闘争の結果に過ぎません。(だから欧州社会主義は「赤い貴族」になるのでしょうね)
しかし、近年日本からの移民の末裔である日系3世や4世が社会の中核に上がってきました。日系人への信頼、そして期待が現地の国民の間に広がって来たようです。
AIIBで欧州の中共に対する態度が見えました。英国が習近平主席の謀略に乗ってAIIBへの加盟を表明すると、こぞって欧州主要国がAIIBに加盟しました。
それだけ欧州は中共経済に頼っていることが明確になったのです。多くがブランド品の輸出先としてであり、また日用品の輸入先であることで、何とか維持されている欧州経済のようです。
この欧州は、中共のバブルが崩壊すれば一番影響を受けるのではないでしょうか。そして頼みの綱が南米となれば、いつまでも「反米の南米」を続けるわけにはいかなくなりそうです。
その生産力に於いて力を落とす欧州です。英国は日本とロシアが接近することを恐れ、2次大戦後に北方4島の帰属をあいまいにして日露関係を阻害しました。
その英国もかなり斜陽化しています。安倍首相はロシア・プーチン大統領との年内会談を実現しようとしています。英国が、そしてアメリカが懸念する日露会談。ロシア内部にはまだ反日のロシア人政治家がたくさんおります。北方領土を餌に、お金だけ取られた過去もあります。それでも今、日露交渉を進展させるチャンスであることに間違いはありません。
中共のバブルがいつ崩壊するかは判りませんが、その混乱は我が国にとって大きなリスクであると同時に、完全に戦後レジームから脱却するチャンスでもあるわけです。
そしてその時は刻々と近づいていることだけは確かなようですね。
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