武漢コロナウイルスの流行で、訪日客はほぼ“消失”してしまった日本の観光業。中共などからの観光客を頼りに日本国民を排除した営業を続けているからだ・・などと誹謗も投げかけられている日本の観光地です。
ところが、政府投資銀行と日本交通公社が、欧米豪の4ケ国とアジア地域8カ国の海外旅行経験者6266人を対象に、インターネットで「コロナ収束後に行きたい国」を尋ねたところ、回答者が行きたい国として指定したトップは日本だったそうです。
その理由としては「行きたい観光地がある」とか「食事がおいしい」という評価に加えて「清潔さ」が挙がっていると言うことです。
政策投資銀行は「武漢コロナ感染防止策の継続などで、清潔さという強みを一層生かすのが重要だ」などと言っているそうですが、この清潔の評価は必ずしもコロナとは関係なく、街にゴミが落ちていないとか、綺麗に掃除がなされた店内、といった評価なのではないか・・と思います。
昔、ニクソン政権でアメリカと中共が歩み寄ったとき、キッシンジャー氏と周恩来氏の話し合いで、日本について「あの国だけは変わっている。野蛮というか何というか・・どうするか・・」と言った話題が出たという事が記録に残っているそうです。
我々から見ると、欧米とか中共こそ野蛮であって「どう対峙するか・・」という事になるわけですが、向こう側からすると逆になるわけですね。
それは、この「清潔さ」の日本的感覚に現れているのではないでしょうか。基本は神道にある「お清め」の意識で、彼らには理解できない観念だからです。
イスラム教は礼拝の時に履物を脱いだり、手を洗ったりするそうですが「お清め」の観念とはすこし違っているようです。
「お清め」には清潔にするという観念だけでなく、生活上のごちゃごちゃしたことを整理すること、すなわち「生活上のエントロピーを下げること」という意味があるように思います。
「気持ちの整理」とか「迷いを断つ」などという感覚、すなわち「生活上のエントロピーを下げる」ということが「お清め」の目的なのだと思うからです。
「神道」はおそらく縄文時代から継承されてきた自然崇拝の価値観体系だと思います。そして人間も自然の一部であり、生活上の乱れ(不潔、迷い、対立)が不幸を呼ぶことが判っていたからではないでしょうか。これらを整理し、心を軽くすることが「清め」の目的でしょう。
形骸化した「お清め」では意味がありませんけど・・・
欧米では一神教が行き詰っています。文明が良くも悪くも進化して、価値観が多様化してしまうと、唯一神の発想では整理しきれなくなってくるのではないでしょうか。(つまり生活上のエントロピーが下げられなくなる)
一神教に変わって出てきたのが「環境問題」だそうです。スウェーデンのグレタさんを想起しますが、アメリカ民主党の副大統領候補のハリス女史も環境問題には異常なほど熱心だそうですね。
極端な環境擁護の背景には「一神教」での無理な解釈と実行があるように思いますが、ともかく「お清め」への渇望が世界的に出てきていることは確かなようです。
「革命思想」は狂信的な「お清め策」で、邪魔なものは消してしまえば良いという暴力的なお清め行為です。
破壊とか殺戮が起きて、沈静化しても「憎しみ」などが残り、生活上のエントロピーが下がることはありません。つまり「お清め」にはならないという事ですね。
日本で「行きたい観光地」とは神宮のある地域ではないでしょうか。伊勢神宮とか鹿島神宮の杜は、神道など判らなくても、落ち着いた雰囲気でなんとなく「生活のエントロピー」が下がる感覚が得られる場所だからです。
神道の「八百万(やおよろず)の神」とは、すべてのものに神(スピリッツ)が宿るとするものです。すなわちコンピュータにも神が宿り、ジェット機やロケットにも神が宿ることを意味します。
文明が進化しても、人間が人間である限り、その作り出すものには神が宿るわけです。
日本人の「ものつくり」には、この感覚が生きています。つまり生活上必要な製造販売の目的だけではなく、「作る」という行為の中にある神性が重要視されるという事です。
そしてそれが常に表現されているのが「和食」ではないかと思います。欧米や中華のように食材を混ぜてエントロピーの高い調理をするのではなく、自然の素材を生かし、無理のない包丁さばきで調理し盛り付けられた和食。それが「おいしい食事」という言葉に現れているように思います。
このように、世界の人々が日本に行きたいと希望することは、日本には一神教が出来ない「やすらぎ」があるからではないかと思うのです。
我が日本の「縄文1万年」から受け継がれた神道。大東亜戦争で負けてから75年を経て、ずいぶん汚れてしまったわが国民ですが、一神教の方も行き詰っているとすれば、日本国民全体が「お清め」によって汚れを落とす必要があり、それが世界への日本の貢献になるような、そんな気がするのですけど・・・
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