2019年6月6日木曜日

銀行が消えていく・・・

三菱UFJ銀行は令和5年度末までに訳500店舗のうち35%をなくすそうです。また三井住友銀行は今年度末までに約430店舗を次世代型店舗へ移行するとか。
そしてみずほ銀行も令和6年度末までに訳500拠点のうち130拠点を削減すろ計画になっているそうです。

行員も三菱UFJ銀行が令和5年度末までに1万人削減、三井住友銀行は5000人を削減、みずほ銀行は令和8年度末までに1万9000人を削減するとか。

長期にわたるデフレが続き、消費増税10%が実施されれば、さらなる深刻なデフレとなることは、MMTの理論を見なくても肌で感じる現実です。
このデフレで、銀行は低金利で苦しみ、民間への融資先を失い、国債という資産は日銀に買い取られ、現金という負債が積みあがっています。銀行経営が苦しく、そして押し寄せるIT化の波が、大きく銀行業務を変えようとしております。

次世代型店舗というものがどういうものかはまだ判りません。しかし実験的な試みがなされているようです。
渋谷にある三菱UFJ銀行ビルの6回に、古びた本棚が並ぶ、禁酒法時代の米国東海岸をイメージした空間が作られ、本棚に模した隠し扉を開くと、外国人や若者らが、あちこちで打ち合わせをするフロアがあるそうです。
また、学芸大学駅前(東京都目黒区)の三菱UFJ銀行の新ブランド店舗の1号店が出来ていて、接客カウンターや行員が慌ただしく働くスペースは無く、並ぶのはタブレット端末や高機能ATMで、現金の出し入れなどの手続きは画面上でほぼ完結します。そして住宅ローンや相続などの相談は専用ブースで、テレビ電話を通じてオペレーターと会話しながら手続きが出来るそうです。

ITと金融が融合したフィンテック。帳簿の入力から融資可否の判断まで銀行が抱える「事務の塊」は、今や機械ですべて可能となってしまったようです。
銀行が残ったとしても、銀行員の仕事は無くなってしまうことは、もはや避けられないのかも知れませんね。

お金が「金とか銀」の金属で使われていたころ、銀行と言う言葉はなく「両替商」と呼ばれていました。それが兌換券の登場で(ゴールドスミスのお話からイングランド銀行の設立まで)金属主義から紙幣(債券)主義へと変化し、銀行業務という仕事が生まれたのです。

国家の興亡とか戦争で、何度も紙幣は紙くずになったりしましたが、第二次世界大戦後ドルによるアメリカの覇権で少しづつ安定してきました。
お金が「債務と債権の記録」であることが、複式簿記の普及ではっきりしてきました。そこにインターネットという技術が普及することで、債務と債権の記録の連鎖(チェイン)を作れば通貨が出来るはず・・という実験がビットコインの正体です。ですから暗号を使ったブロック・チェインなのですね。

現在は現金も単なる情報として扱われています。それが自動振り込みやカード決済などで実用化され、紙幣の必要な取引の範囲が次第に縮小されております。
やがてどんな小さな取引でも、この「債務と債権の記録更新」で決済が出来るようになると思います。
そうなれば、確かに銀行業務も全く変わったものになるでしょう。

さて、銀行業務が変わると言うことは、銀行の役目はお金の創造、すなわち信用創出になってきます。どうやって投資先を見つけるか、あるいは融資先を作るか、それが目的に変わっていくのではないでしょうか。
新たな需要はどこにあるか、需要に対する供給先はどこにあるか・・などをいかにして合理的に行うか、まだよくわからない分野ですが、そうでもしないと深刻なデフレになってしまいます。
それが三菱UFJ銀行が今行っている実験店舗ではないでしょうか。

そしてその場合、日本銀行はどうなるのでしょうか。中央銀行という業務は無くなるかもしれませんね。通貨発行などはすべて機械化可能です。日銀はあっても、バーチャル的な存在として通貨の発行=発行金額の決定を毎日行うことになるのではないでしょうか。

そうなると、こんどは財務省が必要かどうかという問題にもなるでしょう。銀行業務が変われば財務省の仕事内容も変わるはずです。
税収のための税率計算も機械化されるでしょうし、通貨が「債務と債権の記録」となれば脱税などできようはずもありません。
電子通貨とは、すべてのお金には、現在誰の所有しているお金なのか、名前が付くのと同じですから。

ですから、税収の金額は毎日表示することも可能になります。
現在は財務省の役人が忙しそうに計算したり配分したりしていますが、政府予算は年1回です。これでは災害などが起きた時に間に合いませんね。今は緊急投資などでカバーしていますが、機械ならもっと確実ではないでしょうか。予算などは電子的通貨で情報がしっかりしていますから機械的にできることで、財務省職員など一人もいらないはずですね。

公共投資や研究投資などは、信用創出の重要な対象であり、税金から支出するものではないことも現在は明確になっています。税金は単に「インフレ/デフレ調整」のためにあるわけです。
現代の通貨理論は単純明快です。これまでの経済学はわざわざ複雑にして人々を騙し続けていたのではないかと思うほどですね。

そしてそれに乗っかって、これまでどれほどの為政者(民主主義であっても)が経済政策を失敗してきたことか・・
今回の財務省の失敗(消費増税10)を最後にしてもらいたいものです。
「全世代型社会保障の構築に向け、どうしても必要だ。」などと言うのは財務省の嘘で、PB黒字化さえやめれば増税なしで可能なことです。
消費税10%を行った財務省の人達、そして関係する経済学者や政治家には相応の責任を取らせなければいけませんね。「全世代型社会保障の構築」など、増税で出来るわけはありませんからね。

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