2019年6月2日日曜日

EU離脱、英国の行方

遂にメイ首相が辞任しました。合意に向けて必死に取り組んでいたメイ首相ですが、その妥協がEU離脱派とEU離脱強硬派の両方から非難されて賛同が得られず、結局辞任に追いやられてしまったわけです。

メイ首相は6月7日まで残務処理を行い、そして辞任し新たな保守党の党主選挙は7月末日までに行われる予定です。

英国民が投げたEUへの不信。それがブレグジットという言葉を作り、そして欧州にもまた反EUの認識が広がっています。
EUの議会議員選挙でも、EU懐疑派が躍進していますし、その議員の英国割り当ての73議席の内28議席が新たに生まれたブレグジット党が占めてしまいました。
英国自由民主党が15議席、労働党10議席で、保守党は3議席しか取れなかったそうです。

現在、EUは欧州各国の主権を次第に奪い、EU独裁という立場に向かって進んでいるようです。極端だったのがユーロの創設で、通貨主権を国家から奪ってしまった最悪のシステムを作ってしまったわけです。
英国はサッチャー首相がユーロには反発し、英国のポンドを守りましたが、ユーロは欧州に広まり破綻国家が次々と生まれています。
当たり前ですが、通貨主権が無くなれば国家財政破綻はあり得ます。EUの大勢は中国共産党に酷似しつつあるとの意見も出始めています。

メルケル首相が行った「難民の大量受け入れ」が国家主権を失いつつあったEU加盟国に押し付けられ、さすがに欧州国民も国家主権を失うことの危険性に気付き始めたようです。
メルケル首相は2021年の任期満了を持って首相を退任すると述べたようです。またフランスのマクロン大統領は支持率を23%まで落としています。

EUが独裁を生むかどうかは判りませんが、その危険性は十分あると思います。理由は、これほど大きな組織はまとまるわけもなく、もしまとめようとすれば強権で自由を抑え込むしかないからです。それを独裁というのではないでしょうか。

ようするに巨大な官僚機構が出来上がっているわけです。欧州の人々は自国の税金に加えてEUへの税金を払わねばなりません。そしてその代償が国家主権の消失ですからたまったものではありませんね。
それでも欧州の夢である「国境を低くして、やがては無くす」ことの実現に向けて皆な頑張ってきたわけです。

しかし大量の移民受け入れが始まってから、EUに対する反発が強くなってきました。国家と言うより民族的文化が破壊され始めたからだと思います。
移民とは、自国でうまく行かないから他国でうまいしゅるを吸おうと言うのがほとんどですから、移民先の文化など判るはずもなく、暴力を使って自国と同じように振舞う訳ですからね。

「安く仕入れて高く売る」ことが利益を言上げる技術です。上がった利益から配当金を出すのが株主資本主義の鉄則です。そして「安く作る」ことが技術系企業にとって重要なこととなり、株主資本主義が資本主義と置き換えられ、そして国際金融資本が「安く作る」ために「国境を低くしれば平和が来る」などと言った嘘をまき散らしたのではないでしょうか。 

金融業にとって、お金の力が強くなることは良いことです。そこでデフレ傾向を強くしようとします。ところがデフレになれば企業は投資を控えます。人件費の安い国への工場移転にブレーキがかかります。そこで金貸しは人件費の安いところから労働者を向上のある先進国へ送り込もうと考え、それが「大量移民」の愚挙に出た理由ではないかと思います。
ユダヤ人虐殺の負い目のあるドイツを使って・・・

アメリカがトランプ大統領を選出してから、EU懐疑派が目を覚ましたようです。「アメリカ・ファースト」というスローガンに「国家主権」の意味を再認識したのではないでしょうか。
英国がEU離脱を決めたのはトランプ大統領が誕生する直前でした。2016年の6月だったと思います。
もちろんこの時、トランプ氏は「アメリカ・ファースト」を掲げて選挙運動の真っ最中でしたね。

そして「ブレグジット」という言葉が生まれ、メイ首相がその実現に向けた活動を始めたわけです。
しかし英国にはEU離脱反対派も多く居るようです。金融機関に勤めていたり貿易関係だったりすればそうなるのかも知れません。メイ首相はEUに対し「合意」を求めようとしました。アイルランド国境紛争(カトリックとプロテスタントとの血で血を洗う紛争)という問題を抱えた英国にとって、「合意」が必要だと思ったのでしょう。
これが逆目に出てしまったわけです。

次期英国首相の候補として、ドミニク・ラーブ前EU離脱相とかジェレミー・ハント外相、などが挙がっていますが、何と言ってもボリス・ジョンソン前外相が有力なようです。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-48419130

「合意なき離脱」が行われれば、アメリカと英国の関係が強まるでしょうが、一方では「一帯一路」へ参加すれば経済は上向くというようなことを述べている議員もいるとか。
もしかしたら、共産党が潰れた後の一帯一路構想を言っているのかも知れませんね。

欧州、アメリカ、そして中共と激動の時代が続きます。戦争は経済戦争で終結するカも知れませんが、そこには歴然と軍事力の背景があります。
中共の共産党が潰れれば、中国は自由中華として再生するかも知れません。アメリカとの関係が良くなれば、我が国の立ち位置はどうなるでしょうか。
欧州でも、対日交渉は激化し、軍事的背景を持たない国家・日本の経済を食い物にしようとすることは間違いありません。

多くの讃嘆軍事技術を持ち、訓練された自衛隊を持ちながら、憲法が変えられずに食い物にされる我が日本には、まだ国民の目覚めはないようですね。

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