2019年6月5日水曜日

中共の巻き返しが始まった

米中経済戦争で中共の巻き返しが始まりました。このままでは中国共産党が潰されてしまうので当然でしょうけど、勝算はあるのでしょうか?

中共政府の新聞弁公室という所が、米中経済戦争(彼らは貿易摩擦としておりますが)をめぐる中共の立場を詳述した白書を発表しました。
それによりますと、中共の核心的利益に関わる「重大な原則的問題」については決して譲歩しない立場を改めて強調して、アメリカ側が「中共の主権に関わる強制的な要求を合意に盛り込むよう固執し、双方の溝が埋まらなくなった」と非難しております。

貿易摩擦の協議に曲折を生じさせている原因を「アメリカの言行不一致」と主張し、中共側が既に約束した合意から後退したとのトランプ政権の批判については「アメリカ側も要求を何度も変更したではないか」と反論しているそうです。

それでは中共政府が言う「革新的利益」とは何なのでしょうか。中共に進出した企業に、「中共で商売がしたければ技術をすべて教えろ」と言うのが革新的利益なのでしょうか。
また、「中共国内であげた利益は国外に持ち出すことを禁止する」ことが革新的利益なのでしょうか。
これらは国際社会では通用のしない法律であって、このような勝手を「是正しろ」と言うのがアメリカ側の構造改革の要求です。

そしてあくまで中共側は「貿易摩擦」と言い続けておりますが、アメリカが仕掛けているのは「経済戦争」であって貿易摩擦ではありません。

ですから落としどころなど無いわけです。相互に関税を掛け合って消耗戦を戦い、相互の経済を破壊しながら最後まで残った方が勝ちなのです。
もし、その前に中共政府がアメリカ側の要求を呑めば、その結果が出るまで制裁は続けるでしょうし、その結果共産党が潰れれば、アメリカは矛を収めるかも知れません。

この白書では、一応「対話のドアは開かれているが、戦いは徹底的に受けて立つ」とアメリカの真似をして対話は続けるという文句を入れたようです。
そして「中共の内需は巨大で、経済の見通しは非常に楽観できる」と、トランプ大統領には任期があることを意識して持久戦では有利だと言う事を暗に述べております。

中共政府がもたもたしていれば、アメリカ・トランプ政権はさらなる制裁を加えるかも知れません。もちろん経済制裁ですけど。
中共はアメリカの次期大統領選挙で、民主党のバイデン候補が勝つことに期待をしているのかも知れませんね。しかしトランプ大統領は2期目を目指します。そしてアメリカはすでに民主党も反中共になっていますから、あまり期待はしない方がいいように思うのですが・・・

中共の魏鳳和(ぎ・ほうわ)国防相が、シンガポールでのアジア安全保障会議で講演し、台湾や南シナ海問題をめぐるアメリカの対応に「断固として反対を表明する」と述べ、対決姿勢を鮮明にしました。
そして「台湾は中共の一部であり、切り離そうとする者があれば、いかなる犠牲もいとわず戦う」などと述べております。「いかなる犠牲」とは「共産党を潰してでも戦う」という意味でしょうか。

そして「自らの主権が及ぶ領土に施設を作ることが、なぜいけないのか」などと南シナ海を自国の領土と決めつけ、サンゴ礁の島を埋め立てて軍事基地を作っていることには、「防衛目的だ」と政党かしています。

最初はサンゴ礁埋め立てに対し「軍事的なものではない」などと嘘をついていたことについては全く触れていません。中共の軍人にとっても「嘘」など戦術の一つに過ぎないということでしょうね。

さらに魏鳳和氏は、ファーウェイへのアメリカの規制に対しては「民間企業であり制裁には反対だ」などと述べております。民間企業だったら何をしてもいいのでしょうか。

アメリカでのファーウェイに対する疑念が始まったのは2014年のことでした。ワシントンを本拠とするアメリカンフットボール・レッドスキンズのスタジアムのスイートルームで、ファーウェイのWiFiを自由に使えるようにして、その代りレッドスキンズにファーウェイの宣伝に出てもらう契約をしたところ、そこでの会話やスマホのメールが中共政府に筒抜けになったことから、盗聴しているとの疑いが表出し、契約解除となって、それからファーウェイへの調査が始まったわけです。
スィートルームではワシントンの政府高官たちがよく集まっていたそうですからね。

民間企業と言いながら、人民解放軍との関係は深く、また中共政府との関係も深いと言う訳で、トランプ政権はファーウェイ排除の決定をしました。5G問題はその後のことで、一般向けの大義です。

魏氏は「(中国は)戦争は起こさないし周囲に脅威を与えることはない」と述べました。その上で「アメリカが戦いたいならば戦う。対話したいのならドアは開いている。」などと話しておりますが、すでにアメリカは明確に戦争をしています。

この戦いは経済上の戦いで軍事的なものではありません。それは我慢できなくなった中共が軍事的行動に出ることまで計算に入れてのことです。
アメリカは絶対に相手に先に撃たせるのです。それから正当防衛の反撃と言うことで武力戦争となります。

中共国内の内需がどこまで中共経済を支えられるか、結局そこが勝負のキーとなりそうですね。
しかし長引けば中共へ進出したアメリカ企業はアメリカに戻るでしょう。日本企業も同じですね。つまりトランプ政権の方が有利の様に思うのですが・・・

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