2019年6月11日火曜日

トヨタと中共、EV提携

トヨタ自動車が中共の大手電池メーカー「寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)」と提携して軽自動車よりも小さな純粋EV車を来年発売するそうです。

このところ世界中でEVの売れ行きが好調のようです。先駆けとなったのは三菱のミーブで、そのあとに発売された日産のリーフがありますが、その後両社ともその技術に基づいたハイブリッド車を販売しました。
これはつまり、通常普通に乗る車としてはまだEVは時期尚早であるということだったようですね。

純粋EVは、先ず社会インフラとして充電設備が出来ていないと距離を走れません。ミーブもリーフも最初は近所への買い物程度しか使えない自動車でした。

しかし最近は電池技術が進歩し始めています。

東芝はリチュウムイオン電池で電池容量の増大と短時間での充電に耐える製品(SCiB)を開発していて、その電池をルノー日産三菱に納入するそうです。
また、日立もリチュウムイオン電池事業を再編し、INCJ・マクセルとの共同出資体制にするなど、各社の社運を賭けた開発競争が始まっています。

このような電池の開発は、やがて来るロボット時代への布石でもあります。車載用電池として開発されていますが、近い将来に登場するであろう実用化ロボットも電気が無ければ動きません。

そのためにはガソリン車の給油と同程度の時間で、高いエネルギー密度の超急速充電を可能にする技術が必要となり、その技術とは電極技術に集約されます。
この技術特許は現在アメリカ・カリフォルニア州エネベート社(ベンチャー企業)が持っていて、そこに日産・三菱・ルノーの戦略的ベンチャーキャピタルファンド「アライアンス・ベンチャーズ」が出資をしております。

リチュウムイオン二次電池は、今後電極の開発に重点が置かれるでしょう。そして様々な物質が試され、こうして技術目標である「低コスト、長寿命、超短時間充電、大きな電気容量」といった製品が出来てくるわけです。
多くの物質を試しながら、データーを取ったりさまざまな環境での変化を調べたり、考えるだけでもゾッとするような実験が必要となるでしょう。
お金がかかりますから、開発各社は資本集合して別会社として研究開発を行うのだと思います。

この電池開発に少々後れを取ったのか、トヨタが中共の電池メーカーと提携したことが気になります。
中共は現在アメリカと経済戦争の真っ最中です。しかもその原因が「技術を盗む」という問題なのです。

トヨタ自動車が提携したCATLという企業は、中共国内の大企業でリチュウムイオンバッテリーを製造販売しております。
2020年にはCATLの生産能力は、合計で50GWhに達するそうで、世界最大の自動車用バッテリーメーカーになるようです。

問題は今後開発される電極の技術が、日本のトヨタ自動車経由でまた盗まれるのではないかという点です。
今後、電極に使う物質の情報がこれらのベンチャー企業から出て来ることでしょう。もちろん特許を取得した上での発表となりますが、中共はこの特許のような国際法を認めておりません。
CATLなどは、発表された情報で簡単に模倣開発を済ませることが出来ます。

当然CATL社は少々の手を入れて「特許には触れない。中共独自の技術だ」と言うことは解っております。新幹線の技術の時がそうでしたし、おそらく5Gの技術も似たようなことをしていると思います。

これでは開発ベンチャーに掛けた資金が回収されないまま、中共の安価で同性能の製品に駆逐されてしまいます。

中共が自由世界と同様に特許などの国際法を遵守し、特許料を支払うならば良いのですが、そんなことをする漢人ではありません。

トランプ大統領が仕掛けている経済戦争も、その目的は「法を遵守しろ」と言うことです。為替や送金問題も同じことでしょう。

今後、リチュウムイオンバッテリーの開発競争は激しくなるでしょう。近未来の基礎技術ですから。
また、この基礎技術は軍事関係にも影響を及ぼします。戦闘用ロボットの性能を決めますからね。

それは中共もよく判っています。ですからEVに力を入れていて、巨大市場の存在をアピールしながら自動車メーカーを呼び込んでいるのでしょう。
バッテリーの工場も、自由世界で優れた特許が出てきたらすぐにそれを模倣して大量生産可能になるようになっています。

トヨタ自動車がEVで中共のバッテリーを採用したことは、EVの低価格化には有益でしょうが、今後のバッテリーの進化に対しては、極めて危険な状況が作られたように思いますけど・・・

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