2019年6月23日日曜日

MMTはケインズ経済学

アメリカからMMTという通貨に関する理論が入ってきて、日本国内では景気が回復したから消費税10%を実施などという財務省の嘘に騙された安倍首相の答弁があったりで、わけがわからなくなってきました。

経済評論家の三橋貴明氏が言うように、今も「主流派経済学」と「ケインズ経済学」のおかしな戦いが続いているというのは本当のようです。

そして主流派経済学は経済は自然現象であると説き、ケインズ経済学は経済には何らかの人的コントロールが必要であると説きます。

主流派経済学は経済を自由放任にしておく方が良いとして自由主義と結びつきます。ですからケインズ経済学はよく共産主義と同じように見られていたようです。
しかし共産主義はマルクス経済学から派生したもので、一種の強権力のピラミッドを作りますから人類社会には悲劇をもたらします。

ケインズ経済学がデフレ不況に効果的なのは、高橋是清やアドルフ・ヒットラーの取った経済政策を観れば明らかですが。F.ルーズベルト大統領のニューディール政策はうまく行きそうな直前にアメリカ議会から「共産主義だ」と非難されて中止に追い込まれ、その後の第二次世界大戦の戦費調達までデフレ不況が続きました。

主流派経済学であれケインズ経済学であれ経済バブルは発生します。そしてバブルは必ず崩壊します。問題はその後のデフレなのです。恐らく主流派経済学ではこのデフレは克服できないでしょう。それはバブルを防げないのと同じかも知れません。

ケインズ経済学は人的コントロールが可能な経済学ですから、このデフレ脱却はコントロール可能です。しかし主流派経済学がそれを邪魔することになります。
それはデフレの前のバブルがどの程度の規模だったかによるのではないでしょうか。結局バブル崩壊時に損失を出した民間の負債を政府が肩代わりするまで続くからです。

政府が肩代わりするとは、民間の巨額負債を上回る有効需要を政府が作り出すことです。これを「公共投資」で行う事、即ち財政で処理をして行くしか方法はありません。ケインズ経済はそれを示唆するというよりも明確に述べているはずです。

「公共投資」は政府の借金で賄います。政府が借金し、公共事業を行うことで通貨が市中に出てきます。そしてこの公共投資がうまく行けば民間需要がそれにつれて出てきますから、民間の投資も活性化されます。信用創出が起きるからです。それまでは政府は財政出動をしなければなりません。そしてそのタイミングを計るのがデフレーターという指標です。

ケインズ経済学にこのような指標を追加したのが現代通貨理論・MMTというものではないかと思います。

主流派経済学は自由放任経済を良しとしますが、同時に自己責任も要求します。ですからバブル崩壊でデフレに至った社会に対して、民間の自己責任を追及します。
つまり政府は何もしない方が良いと言う訳です。

そうするとどうなるか、有効需要が出るまでデフレ不況が続きます。そしてそこから脱却するのが戦争特需というわけです。
長引くデフレ不況で自暴自棄になった国民が、敵を外に見出すことが「戦争」誘発になるからではないでしょうか。
戦争特需は、勝たねばなりませんから他国から借金をしてでも通貨を発行します。

過去の戦争は、結局このようなメカニズムで起きていたのではないでしょうか。そしてそれが主流派経済学の欠陥だったように思います。

概観すると、主流派経済学は不労所得を大きくすることを主眼にした経済学であり、ケインズ経済学は生産による所得を大きくすることに主眼にした経済学と考えられるのではないでしょうか。
ですからケインズ経済学と共産主義とがなかなか区別がつきにくくなっているような、そんな気がします。

マルクス経済学は、不労所得が大きくなることを「資本は集約する」と言うような表現で警告しました。それが「一部資本家と多数の労働者」という表現となり、「搾取する側と搾取される側」となって共産主義革命などという妄想が始まったわけです。

主流派経済学は投資に対するリターンを如何に大きくするか、そればかりを考えているようで、国民経済を考えていないように見えます。ですから「トリクルダウン」などということが平気で言えるわけですね。

結局、お金と言うものは少しづつインフレ傾向に成長させるもので、そうしないとお金がどこかに滞留してしまうものです。インフレ傾向を経済成長に留めるのが生産性を少しづつ高めていくことで、それによって国民経済がうまく動いていくわけです。
バブル経済とは、その未来の経済成長を何かの要因で先食いしてしまい、その崩壊で借金だけが残り必死で行う借金の返済がデフレを招きます。放置すると社会が乱れ、そして戦争と言うのが今までの流れでした。そして現在もそうなりそうです。
日本の土地バブル、アメリカのリーマンショック、そして中共の訳の判らぬバブル崩壊・・・

現代貨幣理論(MMT)は、もしかしたらその平和的解決の糸口を提示しているように思うのですが。

0 件のコメント:

コメントを投稿