北朝鮮が米朝首脳会談を渋っているようです。アメリカが一方的な核放棄を強要するなら会談を取りやめると言うのです。
と言うことは、南北首脳会談などで融和の雰囲気作りを演出し、世界のマスコミを騙してみても、活発な事前交渉でアメリカが一歩も譲らないからだと思います。
北朝鮮側は「アメリカが一方的な核放棄を強要するなら会談を取りやめる」と警告を発しているようですが、そこはもう騙されないアメリカなのです。
ボルトン米大統領補佐官は「根本的な問題は、北朝鮮が大量破壊兵器を放棄するという戦略的決断を下したかどうかだ」と述べ、北朝鮮に非核化の意思がないと判断した場合は、「見返りを期待する北朝鮮との際限ない協議に引きずり込まれるという過去の失敗は繰り返さない」と、いつでも交渉を打ち切る用意があると強調しております。
これは金英哲朝鮮労働党副委員長(北朝鮮側の交渉責任者)が、「われわれはボルトンが何者か明らかにしており、今も彼への拒否感を隠さない。リビアやイラクの二の舞いにはならない。(ボルトン氏の対北政策案に固執するなら、トランプ大統領は)歴代大統領よりさらに無残に失敗した大統領として名を残すだろう」と述べ、首脳会談中止に言及したことに対するボルトン補佐官の応答なのです。
金英哲vs.ジョン・ボルトンの、こうした言い合いが朝鮮戦争の継続になっていることと見るべきではないでしょうか。
トランプ大統領は「経緯を見守る」姿勢で、金委員長はまだ何も言っておりません。そして英哲氏の「会談中止」が実現すれば、少なくともアメリカ軍の「斬首作戦」が動き出すことになるように思います。
「斬首作戦」とは金正恩委員長をステルス無人機によってピンポイントで爆撃するわけです。金正恩氏がどこに居るのかが判っていれば爆撃の範囲は狭くなります。しかしあいまいだと爆撃範囲が広がります。このことを理解している北朝鮮の側近たちは、もしかしたら刻々と変わる金委員長の居場所を密かに米軍に流しているのかも知れません。爆撃範囲が広がれば自分たちも巻き込まれ、危ないですからね。
ですから金正恩氏は誰も信用出来なくなって、現在は妹の金与正(キム・ヨジョン)氏しか信じられなくなっている・・という噂も聞きます。
そう考えますと、今回の「会談中止」に言及したのも金正恩委員長ではなく、金英哲朝鮮労働党副委員長だったことからも伺えます。
英哲氏の本当に言いたいことは「早く斬首作戦に移行してくれ」ということなのかも知れませんよ。
2回に及んだ金委員長の中共訪問も、評論家の石平氏の言うには「これは習近平主席が呼んだもので、朝鮮半島に対する中共の影響力を維持するためのもの」と言うことです。すでに朝鮮半島への中共の影響力はかなり低下してしまいましたから。
トランプ大統領から見れば、「俺は習主席に2017年の1年間、チャンスは与えた。何も出来なかったのは中共の責任だ」と述べることでしょう。
これらを総合して見ると、どうやら北朝鮮内部はなかなか意思決定が出来ない状態にあるのではないでしょうか。
そして北朝鮮国民はすでに金一族を見放してしまったようにも思います。金正恩支持はただ「闇市に口出ししなくなったこと」だけだったようです。叔父さんやその側近を殺してしまいましたからね。
この状況はアメリカ政府も掴んでいるらしく、トランプ大統領の「何が起きるか見ていく」という余裕の発言にも、今回は譲歩しないという決意が感じられます。
トランプ大統領が安倍首相との電話会談で、「シンゾーはビッグプレイヤーだ!」と述べたのは、もしかしたらこの一連のシナリオを作成したのは安倍首相だったからかも知れません。
アメリカ軍の軍事的圧力と、世界に働きかけた経済制裁の効果で、金正恩氏の資金源が狙い撃ちされ、側近たちの不信感が出たところで平昌五輪を使った駆け引きに出てきた北朝鮮です。
韓国のサヨク政権に働きかけながら「和平」を演出して見せ、それでも動かない日米同盟を見て、遂に「アメリカとの首脳会談」を申し入れてきた北朝鮮。
トランプ大統領は「やはり来たか」と思ったのではないでしょうか。「シンゾーが言った通りだ」とも思ったかも知れません。
だから即座に「いいよ、合ってやるよ」との返事が出来たのでしょう。そしてこの返事が北朝鮮の崩壊を励起したように思います。
米朝会談をやっても「核の完全廃棄はリビア方式」は変わらず、その為のポンペオ氏とボルトン氏の起用。北朝鮮は「会談すればリビア方式、会談中止なら斬首作戦」という選択になって追い詰められてきました。
トランプ大統領は「リビアの時はカダフィ氏の保護を確約しなかった。今回は北朝鮮の体制保証を図ろうとしている点で『リビア方式』とは異なる」と述べております。敵をあまり追い詰めるのは得策ではありませんから。
アメリカ人だけの拉致人質を釈放したり、さまざまな小細工をしておりますが、おそらく北朝鮮内部の金体制は崩壊を始めているように感じます。
トランプ大統領同様、我々も「何が起きるか」見ていきましょう。
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