安倍首相は4月29日から5月4日まで中東の4か国、アラブ首長国連邦、ヨルダン、イスラエル、パレスチナを訪問します。
そして今回はアメリカとの関係や北朝鮮との関係の深いイランの訪問は避けました。今後「北朝鮮」との首脳会談という戦争が待っているからかも知れませんね。
安倍首相は、「(中東各国とは)日本ならではの支援をし、良好な関係をそれぞれ築いてきている。非キリスト教、非欧米国家という強みを生かし、積極的に関与していく考えだ」と述べたようです。
30日にはアラブ首長国連邦のムハンマド皇太子とアブダビで会談し、エネルギー、防衛、宇宙分野での協力を話し合ったとか。
安倍首相は「広範な分野で協力を強固なものにしたい」と述べたとか。シリア問題などについても意見交換がなされ、シリアから逃れた難民への支援策などが話し合われたと言うことです。
また、経済関連のフォーラムにも出席し静岡県産のメロンや、フルーツトマト、栃木県産のイチゴ、宮崎県産の完熟マンゴーなどの試食会に参加し、「世界に誇る日本産食材が、アラブ首長国連邦の皆様に一層近い存在となることを期待する」などと売り込みも行っていたとか。
安倍首相が行くヨルダンは石油産出国であり立憲君主制の国家で、預言者ムハンマドの従弟アリーとムハンマドの娘ファーティマの夫妻にさかのぼるハーシム家出身の国王が世襲統治する王国と言うことです。
ややこしいイスラム世界で、このような「血統を重視」するのがシーア派です。一方のスンニ派は、「ムハンマドの教えであるスンナ(慣行)を重視すべき」とするイスラム宗派です。
現状「スンニ派」がイスラム全体の90%を占めていますから、決着はついているようですが、そうはいかないイスラム教のようですね。
もっとも中東では、シーア派であろうとスンニ派であろうとそれほど敵対しているわけではありません。シーア派とスンニ派で結婚することも出来るそうです。そしてイスラム信者達は、シーア派かスンニ派かと聞かれることは不愉快なことなんだそうですね。
ではこのシーアとスンニの対立は何が原因なのでしょう?
細かいことは判りませんが、イランに石油が出て、サウジにも石油が出て、そして産業革命のエネルギーが石炭から石油に代わって来たところから悲劇が始まるのではないでしょうか。
第二次世界大戦が終わって、世界の覇権国家となったアメリカは、通貨政策で自由資本主義世界を目指します。ですからドルと石油のリンクが重要だったわけです。
そしてアメリカは、産油国が余計なことをしないように、イスラム世界に対立構造を持ち込み、抑えたのではないでしょうか。
「対立させて統治する」はアングロサクソンの常套手段です。信者数の多いサウジに寄り添い、信者数の少ないシーア派と対立させ、石油利権をドル支配の道具にしたわけです。
これに気が付いたスンニの過激派が「ウサマ・ビンラディン」氏だったのではないでしょうか。「一番悪いのはアメリカだ!」という言葉の意味はこういうことでしょう。
さて、世界通貨を目指す人民元の中共は、このアメリカのやり方を真似て、人民元と石油のリンクを作ろうとしてきました。
イラクのフセイン大統領や、リビアのカダフィ大佐と同じようなことをやり始めたのです。
ちょっと前にはロシアのプーチン大統領が自国で産出する石油・ガスを国家主導にして、遂に石油メジャーには渡しませんでした。だからロシアが対立国家になっているわけですけどね。
フセイン大統領もカダフィ大佐も殺されました。「アラブの春」などと言いながら・・その理由はもうお解りですね。しかしプーチン大統領はまだ健在です。
トランプ政権にとって、ドル支配を邪魔するロシアと中共なのですが、どっちがより悪質かと言えば中共のようです。もちろんアメリカにとってですが・・・
ですからソビエト連邦を中共を使って潰したように、今度はロシアを使って中共を潰そうと考えていることは間違いないと思います。
先ず、中東の産油国をドル支配(アメリカ)側に置いておく必要があります。それはうまく行ったようです。習主席が「一帯一路」構想で「電気自動車を主体にして、原発を街道に並べる」などと発言したことから、産油国は中共になびかなかったと思ったのです。
シーア派のイランがどうするか、そこはまだ不明確で、そこに北朝鮮とのつながりがあるわけですね。もちろん北朝鮮から中共にもつながって・・・
産油国の望みは近代化です。しかしキリスト教徒に近代化を相談する訳には行きません。そこに日本の出番があるのだと思います。
宗教心が判らない中共とは、イスラム世界にとって交渉すら出来ない相手のようにも見えますね。
このような状況のもとでの安倍首相の中東歴訪なのです。このような世界の中で、安倍首相の手腕が問われます。一部マスコミなどでは「連休中に遊びに行く」などと相変わらず安倍卸しの罵詈雑言が出ていますが、日本国民はしっかりと未来の日本を考えて、安倍政権がどのような未来を描き切るのか、それを先ずしっかりと視るべきです。批判はそれからにすべきですね。
少なくとも、フェイク・マスコミや、無勉強野党などに振り回されないように気を付けましょうね。
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