2016年5月6日金曜日

消費税10%、安倍首相は・・・

3月27日に、平成29年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを見送る方針を安倍晋三首相が固めたことが報告されておりました。(産経)
まだ発表はなされておりませんが、5月に発表される1~3月期の国内総生産(GDP)速報値などを見て、伊勢志摩サミットの前か後に発表すると言うことです。

4月が過ぎましたが、財務省はまだ大きな圧力で増税先送り反対は言っておりません。かえって反発が出て来ることを知っているのでしょう。また、絶対に増税が必要という根拠も、すでに多くの経済学者らによって否定されています。
マスコミには増税の必要性を説く財務省発表の記事が出ていますが、これなどは「書かないと税務調査に入るぞ」というような財務省の圧力で書かれているものと思った方が良いでしょう。

今年になって、中共経済の失速、そこから派生する原油安、そして熊本大震災と立て続けに消費増税が出来なくなる事態も発生しています。
今回の内閣発表が、増税先送りなのかそれとも棚上げなのかが気になりますが、それはまだ判りません。しかし少なくとも国民を喜ばせる決定であることは間違いないでしょう。
その上で7月の参議院選挙に臨むと言う訳です。

5%から8%に税率を上げた時は、この3%の増税による消費の落ち込みは半年もすれば収まると言うのが財務省の説明だったはずです。
しかしそれはまったくの嘘で、ゆえに一昨年は10%を2年延期することを公約として衆議院を解散、そして自民党圧勝で10%は平成29年4月まで先延ばしされたものです。

しかしそれから2年を経ても、消費回復はならず、むしろ経済停滞(デフレ)に戻ってきてしまいました。この財務省の判断ミスをだれも責任を取っておりません。
もっとも官僚の責任は内閣が取るわけですから、本来ならば安倍内閣の辞任、あるいは総選挙になるはずですが、安倍首相の人気がいまだ高く、そうはなりませんでした。
その安倍内閣が10%増税先延ばし、あるいは棚上げを宣言すれば、官僚は従うしかないはずです。

そしてこの増税中止と共に公共投資の再出動が出来れば、景気は回復に向かうでしょう。安倍内閣が移民ではないという外国人労働者受け入れに積極的なのは、公共投資が人材不足で使われないという財務省の言い分に対抗しているのかも知れませんね。

安倍内閣はしたたかな内閣です。例えば国内で反対の多かったTPPに積極的に参加し、甘利大臣を使って交渉の席で日本側の言い分というより、アメリカのめちゃくちゃな主張を潰していたのかも。
なにしろ秘密交渉で現在もすべて明らかにされているわけではありませんから詳細は判らないのですが、安倍内閣はそれをなぜ早急に国会を通そうとしたのでしょうか。

熊本大震災でTPPの批准は先延ばしになってしまいましたが、アメリカの大統領選挙ではヒラリー・クリントン氏もドナルド・トランプ氏もTPPには反対しています。アメリカにとって不利な条約はしないと言うことでしょうから、長期にわたる交渉で甘利氏は少しづつアメリカにとっての要点を潰していったのかも知れません。

甘利氏が辞任に追い込まれた不可解な贈収賄事件。TPP交渉が始まって、それからあのお金の引き渡しを写真と録音をとりながら行ったという事実です。その裏に誰が居たのか・・・
すぐに甘利氏は辞任し、そして安倍首相は早急にTPPを批准しようと国会で論戦に及びました。この時アメリカでは大統領候補者が皆「TPPは批准しない」ような発言をしていました。
そうなることを知っていて、その上で安倍首相の早急にTPPを国会で通してしまおうという動きだったのかも知れませんね。
ようするに安倍流の「TPP潰し」と言う訳です。

昨年暮れの「日韓合意」も、国民の間で多くの失望を生みました。「河野談話よりもひどい」などと安倍首相を非難していた方々も居られました。
しかし、韓国は合意内容を実施出来ていません。むしろアメリカの方が韓国の国民性を知って韓国離れが起きております。
もしかしたら安倍首相はこうなることを計算の上で、安倍流の「皮を切らして骨を切る」戦法だったのかも知れませんね。

消費税10%も、これを強く推してくるのは財務省です。そこで「国際金融経済分析会合」を開きノーベル経済学賞の学者(ポール・クルーグマン教授など)に意見を聞いて、「彼らが『延期した方がいい』と言っていることには重みがある」などと発言を始めます。
財務省は欧州の経済学者などの意見を発表して増税不可避を叫びましたが、そこにあの熊本大震災が起きたわけです。
まあ地震は安倍流ではないでしょうけどね。

増税の中止と財政出動への流れを7月前に作って参議院選挙に入るのは、あくまでも憲法改正の実施に向かって保守系の議員(占領憲法の破棄を主張する議員)の数を増やしたいからだと思います。
その様子を見て、その次に衆議院を解散するかもしれません。狙いはあくまでも憲法改正なのでしょうね。

憲法をどのように改正するのか、その準備はまだ出来ていないように思います。民進党などの野党が、まともな議論をしないで、「戦争するのか」とか「再び若者を戦場へやる気か」などと議論のすり替えをおこなうからです。
この新興宗教的な護憲を何とかしなければ、我が国の防衛はおろか経済も文化も破壊してしまうかも知れません。

憲法改正は、まず「憲法96条」の三分の二条項を二分の一に変えるだけで良いと思います。それしか出来ないと思います。
解釈だけでどうにでもなる憲法を、さらに進んだ「平和憲法」にするためには、96条の改正が必要だと述べれば、サヨクも反対できなくなるはずですからね。

安倍流の政治手法、ますます面白くなってくるように思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿